蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

池袋ウエストゲートパーク 3/5

2005年10月23日 | 本の感想
石田衣良さんが書いた「池袋ウエストゲートパーク」(文春文庫)を読み終わりました。石田さんが書いた本を読むのはこれが初めてです。

池袋西口公園に集う不良少年たち(というほど素行不良というわけでもないのですが)が池袋駅周辺で起こる事件を解決していくミステリです。
評判から推測して、もっとノワールっぽい話かなと思っていたのですが、絶望感とか切迫感とかはまるでない明るくさわやかな青春ハードボイルドといった感触でした。
映画化、ドラマ化を書いてる時から意識しているような、といったらいいのか、ふだんあまり本を読まない人が読んでも楽しめるような、というのか、ビジネスとしての出版というのか、出世作としてはフレッシュさよりむしろ老練さを感じさせられる、周到な計算のもとにかかれた本のように思いました。

何の先入観もなくこの本を読んだら、「期待の新星現る、か」くらいのことは感じたと思うのですが、今となっては著者は堂々たるベストセラー作家ですし、この本自体も相当な評判を聞いていたので、「まあ、すごい、というほどではないかな」と思ってしまいました。
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