蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ブロークバック・マウンテン

2007年01月03日 | 映画の感想
イニスとジャックは、二人だけで山奥へ数ヶ月間籠もって羊の群れの世話をする仕事を請け負う。ジャックは男色の気があり、二人は(同性ながら)愛し合う仲になるが、請負仕事が終わって別れる。数年後、結婚したイニスのもとをジャックが訪れる。二人は旧交を温めるが、イニスの妻は二人の仲に気づいてしまう(このシーンがとても痛々しい)。それもあって、やがてイニスの家庭は破綻し離婚する。二人の仲はその後も続くが、頻繁に会うことを求めるジャックに、イニスはついていけないものを感じる。

二人が逢瀬を重ねる山奥の風景が非常に美しく描かれ、そこが二人にとっては天国であることが表現される一方、反対に家庭内の問題に患わせられる日常生活は地獄として描写される。このコントラストがビビットで印象的だった。

1950~60年代のアメリカ中西部では同性愛は強烈な禁忌であったようで、「許されない愛」の許されなさ(?)のレベルがとても高いことで、せつなさ、やりきれなさが一段と盛り上がる。
濡れ場(?)の場面はあまり見苦しいものではなく「同性愛」というテーマではあっても、あまり退いてしまうような内容ではない。

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