蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

夢をかなえるゾウ

2011年09月11日 | 本の感想
夢をかなえるゾウ(水野敬也 飛鳥新社)

「サッカーの神様お願いします。勝たせてください」

女子サッカーのワールドカップ準々決勝のドイツ戦を伝えるNHKのスポーツニュースの冒頭に流れた(おそらく日本チームの誰かが言った)言葉です。
今でこそ飛ぶ鳥も落とす勢いのなでしこジャパンですが、この時点で負ければ、(震災で有力スポンサーの電力会社が抜けるなど)もうプロスポーツのカテゴリーとしての存続すら危ぶまれる状況でした。

日焼けしてろくに化粧もせずに練習しているけど、国内の試合はガラガラで、相手は今まで勝ったことが一度もない相手で、悪いことに試合地はドイツ・・・。
やれることはすべてやったけれど、報われそうにない・・・そんな時、あと何かできるとしたら神頼みしかない・・・そんな切羽詰った気持ちが伝わる言葉でした。


神頼みには2種類あって、一つは上記のような人事は尽くし終えたから、後なにかするとしたら神頼みくらいしかない、と言う場合。
もう一つは、特に何の努力もしてないけれど何かいい事起こらないかなーという場合。後者は、例えば「神様、借金がたまってます。この宝くじが当たりますように」みたいなやつでしょうか。

この本に出てくる象の形をした神様、ガネーシャは現世利益をかなてくれる神様として有名らしいのですが、主人公に対しては、よく理解できないような抽象的なアドバイスをしてくれるだけで、神様自身は、タバコがやめられず、甘いものが大好きで、一日中寝転がってすごしています。
おそらく、「神様は助けてくれない。成功をつかむのはあなたの努力しかありません」ということがいいたいのだと思いました。

さて、本書でたくさん紹介されている偉人のエピソードで印象深かったのは、コカコーラの元社長ゴイズエタさんのものです。本書によると、彼は、在任中毎日欠かさずコカコーラの大株主であるバフェットに業況報告や相談の電話をしたそうです。

ガネーシャのアドバイスで、いいな、と思ったのは、
「(時間が)ぱんぱんに入った器から何かを外に出すんや。そしたら空いた場所に新しい何かが入ってくる。それは、勝手に入ってくるものなんやわ。たとえば、自分の周りで会社辞めたやつも、意外としぶとう生きてるやろ。それは、会社辞めることで空いた器に何か新しい仕事が入ってきとるからやねん」→ガネーシャの課題「一日何かをやめてみる」

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