めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

米朝首脳会談の行く末

2018-06-13 15:35:28 | 日本人

米朝の一大パフォーマンスが終わって、果たして、世界は変わるのでしょうか。
其々の思惑が交錯し、世界の平和に取ってどれ程現実味のある結果をもたらすかは、
今後の動向を待つしか有りませんが、少なくとも、極東地域で戦火が上がる事だけは
避けたいものです。

これまでの人類の歴史に於いて、その時々のリーダーがどの様な決断をするかで
世界の歴史が変わって行きました。欲望を持った人類が、争いへ向かう事は、
数多くありましたが、平和への決断は、中々良い結果を生まない事が多いものです。
お互いの利益を考えると言う事は、相手の事を考えて我慢しなければならない事も多く
如何にバランスをとるかがとても難しいのです。

力づくで行えば、強い方がイニシアティブを握れば良いのですが、平和的に進めるには
お互いの事を良く知り、其々が納得した利益を得られなければなりません。
多くの時間がかかり、自分達の思い通りに成らない事を理解しなければなりません。
その為、一方的に力をもって制圧し、欲しいものを奪い取ると言う事を、
人類は長い歴史の中で行って来たのですが、この方法は、お互いの理解の元からの
平和を生んだのでなく、奪い取られたり被害を多く被った側からの怒りの憎しみが
新たなる争いの火種となる事が多いのです。

安易に、欲望のままに力をもって制圧すれば、自分達の思い通りの政策が出来ると
争いを選択すれば、その後の国民の苦しみ悲しみを生んでしまうのです。
勝利を得た指導者たちにとっては、バラ色の人生となるのかもしれませんが、
多くの富を奪われ、物的人的な被害を多く被った側からすると、地獄の日々が続きます。

例え、その後平和な日々が続いたとしても、国民の心には、消えることない憎しみが
引き継がれていくのです。極東アジアの戦後続く様々な問題は、第二次世界大戦によって
もたらされた多くの遺恨が人々の心に深く刻まれている事に依ります。
この事は、もし、極東地域で新たなる戦火が上がっても、米朝両国が核ミサイルにより
戦争を始めたとしても、新たなる憎しみと悲しみの歴史を生む事になるのです。

過去の苦い経験を踏まえて、今回、平和派の道を選んだことは、お互いの国民にとって
更に近隣諸国にとっても、とても素晴らしい決断と言えるのです。
しかし、この決断を、両国だけでなく、近隣諸国にとっても利益として繋がらせるには、
今回の会談以上の難問が山積していると言えます。

ミサイルの脅威に緊張している時よりも遥かに、新しい時代への努力が必要であり、
平和を維持するための両国の強い決意と約束が反故されない事が重要です。
相反している時は、相手の事など考える必要はなかったのですが、自国の利益だけでなく
周囲の国の利益、更には、いがみ合っていた相手国の事も考える必要が有るのです。

平和を獲得し維持すると言う事は、争いの種を生まない努力が重要と言えるのです。
この事は、まさに、人間関係と同じであり、全く違った考えや価値観の持つ者同士が
上手くやって行くには、お互いの違いを知り、お互いの求める物を理解する事が
大切と言えるのです。

お互いに相手の考えをはねつけ、自分の思いを主張する事が喧嘩で有り、国同士なら
戦争となる訳です。
対人的に良い関係を保とうとすれば、常に相手の事を考え、相手が喜ぶことをしり
その手助けになるようなことを進んで行う事が大切です。

この理論は、個人的にも、国家間に於いても同じであり、今回の条約が良い結果となるには
お互いが求めているものをよく理解し、どれだけその要望に応えられるかに掛かっています。
戦争で相手を打ちのめすよりも遥かに難しく時間がかかる方法と言えます。
しかし、この事で、国同士の醜い諍いや憎しみが無くなるのなら、本当に国民にとっては
理想的な判断で有ったと言えるのです。

我が国に於いて、蚊帳の外に置かれた事は、リーダー達にとってさぞやご立腹かと思いますが、
国民にとっては、例え、我が国が、今回の会談に加わっていたとしても、差ほど喜ばしい事
とは言えません。あの場に日本の首相が居ても居なくてもそれ程感動も落胆も無いのです。
何故なら、日本のリーダーは、国民の方に向いていないからです。

国民の代表として選ばれ、日本の政治を司る身でありながら、国民を豊かにする為の努力を
怠っているからです。確かに、政権を取ってから様々な事業を行い、世界との対話を続け
日本を豊かな国にして来たと言うかもしれませんが、それは、リーダーとしての仕事をした
というだけであって、国民の生活に全く成果が表れていないのが問題です。

一部の豊かな人達の成果としては大きくとも、殆どの国民にとっては、その成果を助けた
という事に過ぎず、働く事で、国家政策に貢献したのは国民なのです。
にもかかわらず、多くの国民がこの国で生活していくだけで苦労しているのは、明らかに
リーダーとしての役割を果たしていなのです。

ある意味、一方的な利益の搾取であって、それが国の事業で有るとしても、国民を
幸せにすると言う方向ではなく、外見的な豊かさに対する自分達の利益をともなった
一部の富裕層を豊かにするだけの事業に過ぎません。
現に、日本中の中層企業の総利益を足したところで、日本を動かす巨大企業の足元にも及ばず
当然、日本のリーダー達は、国民の代表と言いながら、自分達に利益をもたらす一部の方々に
顔を向け、選挙の時だけ国民に笑みを浮かべているに過ぎないのです。

もし、これが、国と国の関係で有ったら、当然、争いが起こるに十分な状態と言えます。
国家間で平和を維持するには、国同士がお互いの事を常に考え、自国だけの利益ではなく
関わる国の利益も常に考えなければ成り立ちません。
一方的に利益を得て、平和を保と言う事はあり得何のです。

日本国内の状態は、正に、貧しい国と豊かな国の関係と同じであり、豊かな人達の一方的な
国造りが、多くの国民の苦しい生活を生んでいるのです。
しかも、働いただけ吸い上げられる公的社会的なシステムが、国民の反発する意識も失わせ
ただ、少しでも所得が増える様に、必至に成って働かざるを得ないのです。
まるで、武器を取り上げる様に、国民生活に余裕を持たせない事で、政府や体制に
反発させない条件を作っているとも言えます。

日本国民は、自分の小さな世界を保つだけで精一杯に成っている事で、自分達が置かれている
悪政に不満を持つ力も失っていると言えます。それが、リーダー達の狙いなのかもしれません。
しかし、一部の勝ち組に成ったとして、自分の周りの多くの人が苦しんでいる国の状態を
何とも思わない日本人はいないと思いますが、残念ながら、多くのリーダー達は、日本人の
心優しい思いやりのある精神を失っていて、ただ、物や金にしか反応しなくなっている様です。

自分達が、経済的に豊かに成る事が目的なのですから、日本国民もそうだと思っているのです。
残念ながら、例え、地位や名誉がっても、日本人は、そんなに落ちぶれてはいないのです。
欲望のままに、欲しいものを手に入れれば幸せと思っているのは、残念ながら、経済的に
豊かな生活をしている人に多いのであって、多くの日本人は、もっと心豊かな生活を
望んでいるのです。それは、外見的な物や社会的な力ではなく、人間としての価値で有り、
人としての心の豊かさなのです。

家族の中でも、友達同士でも、会社仲間で有っても、日本人の心の底には、自然を愛する様に
人々と心の交流を失わず、豊かな人間関係を築きたいと思っているのです。
経済的に便利で豊かな生活は、この人間関係をより豊かにする道具に過ぎないのです。
道具に心を売ったリーダー達では、国民の心は理解できず、どんなに頑張っても
国民を満足させる事は出来ず、せいぜい、食欲、物欲、所有欲を満たす位です。

米朝首脳会談での決断は、お互いの国民を納得させ、幸せにする為の結果を生まなくては意味がなく
単に、核ミサイルを破棄し、経済制裁を解いた所で、それは、政治家の満足で有り、現実に
人々の心がお互いの国民を認め、安全と幸せを感じなければならないのです。
この為の努力は無限とも言え、努力を怠った時、新たなる火種が生れるのです。
つまり、両首脳は、先が見えない、長い平和への努力を続ける決意を現実のものに出来るかが
これからの本当の戦いと言えるのです。

例え平和と成ったとしても、其々が、自国の欲望にだけ目を向けるようになると必ず、
怒りや憎しみが生れるのです。
日本における国民とリーダー達の関係は、もし、発展途上国で有れば、とうの昔に
クーデターが起こっている状態と言えます。
人間関係を疎かにした学校教育に始まり、ただ利益を得て経済的な地位を得る事を目的とした
社会構造は、事実上、我儘な日本人を多くしただけで有り、国民の間に、豊かな人間関係というより
人を見たら泥棒と思えと言う言葉の様に、対人的不信感を育ててしまったのです。

今や、日本の富裕層の頭にある事は、自分達の身の安全です。
何故なら、余りも大きな経済格差は、豊かな人達への妬みや恨みを生むからです。
国は、国民を守ってくれませんから、やはり、日本は、アメリカの様に、誰もが自分を守る様
銃を保持できる様にしなければならない社会と成って来たのです。

世界で一番安全と言われて来た日本社会は、今では、暗い道は避けて通らなければならない程に
治安が悪くなっているのです。
セクハラ、パワハラは、日常茶飯事、経済的階層社会は、上に成れば我儘が通ると考え
社会生活に於いて、理不尽な事が起こるのはごく当たり前なのです。
そんな日本社会を、平和で安全として世界に発信しているのは、更なる、利益を考える人達であり
その犠牲は、一般の国民に広く生じているのです。

アメリカは、一足先に、敵対する北朝鮮とお互いを認める道を取りました。
日本は一体どうするのでしょうか。今年になって、声高らかにアメリカと共により強い経済制裁を
世界に発して来ましたが、アメリカが、今後、制裁行為を弱めるとなったら、また、そのまま、
手のひらを反す様に従うのでしょうか。拉致問題に対する考え方も、アメリカの方針に従うのでしょうか。
今や、アメリカは、韓国と日本に北朝鮮への経済支援を求めています。

一体、誰の為に、日本政府は有るのでしょうか。日本のリーダー達は働いているのでしょうか。
少なくとも、国民の利益を考えていないことは確かです。
親方アメリカの傘の下で、のうのうと利益をむさぼっていた付けが次々に出てきているのです。
私たち日本人は、アメリカの子分でも僕でもないのです。

我が国は、アメリカの植民地ではないのです。しかし、現実は、リーダー達は、アメリカの言い成り
日本国土は、アメリカの軍事基地に過ぎないのです。
一部の人達の利益を得る為に戦後の社会が有り、現在の東アジアでの情けない立場があるのです。
日本は、戦後、いまだに、アメリカ支配から独立していないと言うのが事実なのです。
その事で、利益を得ているのが、国を支配している一部の方々とその人達に頭を垂れるリーダー達です。
そして、そのとばっちりを受けて来たのが日本国民なのです。

ほんの僅かな利益で、必至に働き、豊かな人達を支えている日本国民が如何に不幸かが解ります。
しかし、小さい頃から、外見的な価値しか解らない教育を受けて来た事から、この矛盾が解りません。
いつの日か、日本が、アメリカから独立し、世界で唯一の日本と名乗れる様に成りたいものです。
今回の会談の結果、平和条約が結ばれ、朝鮮半島が統一されたとしても、その中身が、現在の日本の様に
成ってしまったら、どんなに経済的に豊かと成っても、朝鮮国民は本当には幸せに成れないのです。

 





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