めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

明け方の渋谷は、人生の縮図

2019-01-06 12:55:03 | 日本人

最近、朝のウォーキングのコースが山手線内となる事が多く
歩き出しはいつもの通り目黒河畔なのですが、しばらく歩くと
自然に足先が都心へと向かってしまいます。
歩きやすさから言えば絶対に整備された河畔のウォーキング
コースと言えますが、面白さは断然都心であり、夜と朝の間は
本当の大都会の姿と人々の素顔が見られます。

東京は、一見、平地の様に思われるかもしれませんが、
関東平野にはたくさんの河川がある事からも解るように
平野と言っても沢山の河岸段丘が有り、川の左右は坂道ばかり
目黒川から渋谷に行くにも、長い坂道を登らなければならず
上った所が有名な代官山が有り、そこから下った所が渋谷です。

太陽が上がる前の渋谷は、ちょうど谷底にいる様に成っているので
今の時期極寒です。
昼間はスクランブル交差点に多くの人が波の様に押し寄せるのですが、
この時間帯はまるで地方都市の交差点の様に人の数はまばらです。
しかし、渋谷の街に徘徊する昨晩さんざん楽しんだと思われる方々は
誰もが周囲を気にすることなく、思うが儘のふるまいです。

最近は危険の行為をする酔っぱらいは少ないのですが、それでも
アルコールで自制心が失われた人たちは、下手な芸人を見るより
ずっと魅力的です。
足早に抜けたい所ですが、思わず立ち止まって見てしまうこともあり
理性を失った酔っぱらいたちの立ち振る舞いに興味津々です。

人通りの多い時間帯ならば、すぐに警察官が来て、職質と移動が
行われるのですが、さすがに、この時間帯はお巡りさんも来ません。
ただ、ごみ収集車の作業員と食品を搬入する業者さんは迷惑顔です。
昼間や夜のゴールデンタイムは、歩くだけでもやっとの歩道ですが、
夜明け前は閑散としていて、歩道も車道も閑散としています。

夜の繁華街の方が電飾で様々な建物を見分けられそうですが、
少しでも辺りを見渡そうとすると歩行者とぶつかりそうになり
何処に何が有るのか見つけられないのですが、さすがにこの時間は
ゆっくりと店の名前を判読することが出来ます。
しかし、どの店の看板も周囲に電飾はついているのですが、
通電していない電飾は単なるからまった蔦の様なもので、かえって
見苦しさが増してしまうだけです。

とは言うものの、やはり、遊び疲れた若者たちや早朝から不機嫌な
作業員や配達の人達の表情は、いずれも本心が出ている様で、
其々の思いが顔に現れて、夜のキツネやタヌキの化けの皮が剥がれて
の表情が外見を取り繕った夜の表情よりずっと人間的です。
大型店舗の裏口から吸い込まれていく無表情の女性たちも、
数時間もすれば、驚くほど魅力的な笑顔と姿で店頭に立つと思うと
都会の中で生きる人々の本音と見た目の変化に驚くばかりです。

渋谷の谷底からもう一度坂を上り詰め、少し高台を歩いた後
目黒川に降りて行けばすぐに我が家と成ります。
渋谷や恵比寿を回って一時間半ほど、8キロほどの道のりですが、
人通りの少ないこの時間とは言え、都会人の生活を垣間見る事が
とても楽しくなりました。

同じ場所を昼間訪れると、何処からこれほどの人達が集まって
来るのかと思う程ですが、都会から人が消えれば、何もかもが
色あせてしまい、何の魅力も感じない廃墟と成ってしまうのです。
都会の魅力と魔力は、やはり人々が創り出すものであり、
巨大なるエネルギーを生み出す人々といかに上手くやり取りをするか
個人の人間としての力が試される場所でもあるのです。

野心に燃えた人たちが日本中から集まってくるのが東京であり
悲哀こもごも、様々な人生模様が生まれるのも東京です。
より豊かな生活を目指して、生き馬の目を抜くとも言われるほど
恐ろしくも魅力のある街であり、様々な可能性を秘めた街とも
言えるのです。

とは言うものの、出来るなら、この華やかな街で豊かな人生を
送りたいものです。
多くの人が夢を持って上京してくるのですが、誰もが夢を叶え
夢を実現できるとは言えず、夢破れて東京を去る人も多いのです。
ほんの数少ない人が夢を叶え、この何でも手に入る夢の街で
思うが儘の人生を送ることが出来るのです。

しかしながら、その夢を叶えるチャンスは誰にでもあるのです。
そう、恵まれた資産や社会的地位が有れば可能であり、殆どの人は
金も地位も財産も無いから、夢は叶えられないと思っているのですが、
お金持ちは結果的にお金を持っているから特別の人達の様に
思ってしまうのですが、彼らとて、最初から豊かであったのは
先代や両親が資産を多く持っている場合ぐらいで、殆どの人は、
いわゆる、成り上がりと言っても良いのです。

では、一体どうやってお金や地位を手に入れたのか。
誰もが知りたいこの答えは、昔から決まっているのです。
まず、お金持ちになりたいと常に思っている事です。
思っていない人は、チャンスをつかむ瞬発力が有りません。
次には、自分が望むお金持ちの人と知り合いになり、その人の
身の回りや言動行動をよく観察することです。
お金持ちはお金をたくさん持っているのではなく、沢山のお金を
お金持ちになるように使っています。意味のないお金や無駄な
買い物はしません。
そして、最後に、他人を好きになって、様々なタイプの人を知り
自分が望む生き方を生かせる人を多く友に持つことです。

この三つの事を実行できれば、お金は自然に集まって来ます。
とても難しい事ではなく、誰にでもできる事であり、
どれもが、自分の心に秘めていればいいのであり、
お金持ちへの道は、簡単と言えるのです。

しかし、自分に当てはめて考えると、お金持ちになりたいと
常に思ったことは無いし、そこそこお金が有って、苦労しないで
食べて行けるぐらいで良いと思ってきましたし、お金持ちとは
余りお知り合いになりたいと思いませんし、もともとシャイであり
人づきあいが苦手なことも有って、他人を好きになるには、本当に
長い時間が必要であり、あえて、沢山の人と知り合いたいとは
思っていない為、当然、私の人生は、常に火の車と言えるのです。

お金を欲しがったり、他人の物を欲しがったりしなかったことも有って
お金持ちが、強い欲望の末、豊かな生活を勝ち得たとは思ってもみず
そこまでして豊かな生活を手に入れたいとは思わなかったことが
現在の結果を生んでいるともいえるのです。
つまり、自分の人生を、誰よりも経済的に豊かにしたいと思わなかった
そのことが、この消費経済社会で苦労している理由ともいえるのです。

しかしながら、本来日本人は、自分だけが秀でたり豊かに成ったり
しようとして生きて来たのではなく、多くの人々と助け合い労りあって
心豊かな人生を送って来たのです。
そんな日本人に、欧米社会の、資本主義的考え方を植え付けようと
した事が、日本人の心を苦しめ、多くの対人的トラブルを呼んでいる
と言えるのです。

一部の日本人は、お山の大将的な感覚の持ち主はいるとしても
大多数の日本人は、人の気持ちを察し、お互いに幸せを求める
争いを望まない人種なのです。
その為、社会風潮に合わせて豊かな生活を勝ち取った人たちも
心から独占的な感覚になることが出来ず、同じ日本人として
多くの国民が苦しんでいる事に心から自分の生活を喜べないのです。

日本人は、そもそも、自分の行いが人の為に成り喜ばれることに
生きがいと喜びを感じる民族なのです。
例えお金持ちになる方法が解っていたとしても、あえて自分だけ
幸せいなろうとは考えないのです。
ぶっちぎりでゴールテープを切るより、みんなで一緒にテープを
切りたいとする穏やかな民族なのです。
例え、生活レベルが違っても、同じ気持ちで生きて行きたいと
思うのが日本人と言えるのです。

しかし、そう思うも、今の国民の生活は、自分自身の生活を
維持していくだけで精一杯とも言えるのです。
誰もが基本的人権が守られ、未来に不安の無い生活が送れる社会が
国民に保障されていない事が最大の問題なのです。
一部の人達の利益を優先した社会は、多くの国民を不幸にします。
誰もが同じ土俵に立てる、安心の将来を考えられる社会である事が
個人的にお金持ちになるより遥かに大切な事です。

十人十色と言うように、人は、様々な考えで、様々な人生を
選択して生きて行きます。其々の生き方が保障される社会が
本当の幸せを生む社会と言えます。
与えられた仕向けられた豊かな暮らしは、人々の心を苦しめます。
人其々の気持ちが守られる社会が来る事を心から望みたいです。

 

 

 

 

 



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