めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

バターが無くなる!?

2014-11-26 16:22:25 | 食生活

先日、朝食でパンにバターを塗っていると、妻が一言、
今、バターが無くなってるの!、と言います。
何のことかと尋ねると、何処のお店に行っても品薄で
入荷待ちの店もあるとの事です。

私がバターを買った記憶は、数年前で、牛乳1パックと

大して変わらなかった様な記憶が有ります。
しかしながら、情勢は一変している様です。
牛乳としての入荷は差ほど変わらないようですが、
バターは品切れ状態で、値段もどんどん上がっているそうです。

この日のバターも、一人一個の限定で、スーパーで買えたそうです。

何となく聞き流していたのですが、今朝、新聞の一面を見ていると、
その現状が大きく報じられていました。

かつて、石油ショックの時、日常品が無くなると言う不安で

誰もが買い物に走った覚えがありますが、思いがけない所で
ごく普通に買えるものが無くなっていく現実は、緩やかなショックです。

秋の値上げや消費税アップといった覚悟をしている値上げは

確かに家計に響き嫌なものですが、それは、流通ルートにおける
利潤追求のための値上げであり、多少なりとも致し方ないと思い
諦めているのですが、今回のバター品薄の原因を知ると、
その根底には、今の農林水産業のひっ迫した現実が解ります。

特に、第一次産業における従事者の苦労はあまりにも過酷であり

日本の食が底辺から損われて行く様に思えて心配です。
我が国は世界に名だたる工業国の様に思われがちですが、
昔から農林水産業がそのベースとなっている事は否定できません。
しかしながら、いつの間にか、そのベースを海外に依存するよになり
国内の農林水産業は衰え始めたのです。

海外から手に入る安い食料や工業原料は魅力です。

しかし、その安易な考えが、長きに渡って我が国を支えてきた
第一次産業や中小企業の力を削いで言ったことを理解すべきと思えます。
たかがバター位と思われるかもしれません。
バターなんかなくても、飽食日本においては、食べ尽くせない程の
食料が溢れている様に思いがちです。

この事は、今年話題になったウナギ、更にはマグロと言った

絶滅危惧種のニュースとよく似ています。
別にウナギを食べなくっても良いし、マグロなんかしょっちゅう食べないし、
と言う方々も多いかも知れませんが、ウナギやマグロだけが危惧され
世界から消える可能性があるのではなく、その他多くの海産物も
今やその道をたどる可能性が高いのです。

農林水産物にしても、バターが品薄になっているだけでなく、

どの食品も今の世界情勢や天候異変によって、いつバターと同じく
食べられなくなるかもしれないのです。
私達は、様々なニュースによって社会の情勢を知ることが出来ます。
しかし、その内容は、更に奥深く、ピラミッドの様に広がっていて
その頂点を知って判断する事は危険です。
その裾に広がる様々な問題が山積している事を知らなければなりません。

日常の生活で当たり前に在る事、それが突如無くなる事は、

私達人間にとって非常につらい現実となります。
今やネットを通じて、世界のあらゆる情報が手に入ります。
しかし、その情報すら断片的で一部の説明に過ぎないのです。

私達日本人が、未来永劫、この豊かな日本を維持していくためには、

様々な情報の真偽をしっかりと見定めて、自分の五感を持って
何が自分にとって一番重要であるかを判断する力を常に磨く事、
そして、いかに周囲の人や社会と関わっていくかを、日常的に
考えて行く必要があると思えます。



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