めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

お・も・て・な・し、が出来ない日本人

2017-06-10 16:40:13 | 日本人

人が人を殺めると言う事は、何時の時代においても、
最も重い罪であり、人として行ってはならない事と言えます。
何故なら、誰もが、一生の間、多くの人々と関わり合い、
多くの人々の幸せに関わり、自らの幸せを育てて行くからです。

人としての関わり合いが、どれ程大きな影響を与え、例え

たった一人の行いであっても、それが人類の未来を決める可能性も
考えられ、生きて行く事で、様々な可能性が誰にでもあるからです。
それを、断ち切ると言う事は、多くの人々の幸せな未来を消し去り
人々を不幸にしてしまう可能性も有るのです。
人の価値は、単に一人のものでは無く、生きている全ての人々に
関わって来るものなのです。

人類がこれまで繁栄できたのも、人との関わり合いを大切にして
お互いに協力し合い成長できたことが一因と言えるのです。
如何なる問題に対しても、多くの人が関わる事に依り、更なる
的確な答えが生れ、人類の繁栄は、急速な進歩を約束したのです。

しかしながら、これ程まで大切と思われる人の命が、小さな虫けらを
踏みつける様に、いとも簡単に絶って来たのも人間の歴史です。
その最たるものが、戦争と言えます。
人の命の大切さは地球より勝ると言われる一方、地球の至る所で
日夜多くの命が、残虐な方法によって奪われています。

たった一人の命を殺めたとしても、厳罰に処せられるとしながら、

戦争と成れば、一人でも多くの命を奪えば、褒め称えられ、
勲章すら与えられるこの矛盾を、どの様に説明したら良いのでしょう。
人は、物事の価値を見出す時、決して普遍的なものとはせず、
自分たちの都合で、自由に変えて歴史を作って来ました。

様々な物品が、需要と供給により、様々な価値観に変わる様に

人の価値も、その時々の歴史に於いて、極めて崇高なる物に崇められ
多くの人々に称賛されたと思いきや、次の時代には、大地に踏みつけられ
簡単に無きものとされるこの人間の不条理な身勝手さは、地球上の他の
生き物達からすれば、最も醜く存在価値の無いものと言えるでしょう。

とは言うものの、人の命を絶つと言う事は、その時の社会情勢や、

殺害の手段によって、余りにも人々に与える影響が大きく違って来ます。
殺意をもって、目の前で殺害される場面を見れば、見た人に残る
心の印象は、尋常ではないインパクトと成ると思われます。

しかしながら、ニュースとして流れる、単なる情報の1つの殺害は

例え、残虐な方法で多くの人々が殺されようと、それを知った人々の気持ちは
自分の人生を変える程の物では有りません。
同じ殺傷にしても、時と場合によって、伝えられる方法によって、
人々に与える影響は全く違っているのです。

戦争やテロに於ける、多くの人々が巻き込まれる様は、驚きのニュースとして

世界に伝えられようと、それぞれの現実の生活を変える程では有りません。
この様に、ニュースとして、伝えられたり、他人事として知る事では、
どんなに凶悪な事件であっても、人々にその罪の大きさを感じさせることは
出来ないと言えるのです。

しかしながら、近年の情報網の発達は、ネット情報を中心として、あらゆる

世界の事件事故テロ戦争を、人々に単なるほかのニュースと同じ、横並びの
印象しか与えず、戦争やテロが、以前にも増して凶悪で残忍になったとしても
人々に、反発心や怒りの行動を生む事が少なくなっているのです。

どんなに凶悪な犯罪であっても、テレビドラマを見ているかのように、

見終わればチャンネルを変えてしまい、頭の中では、感情がリセットされ
誰もが、自分とは関係ない世界の出来事として捉えてしまうのです。

この傾向は、ネットの発達と共に、世界的に人類の考え方が変わって来て

極めて危険な事態と成っても、我が身の事と成らなければ、全くタッチせず
まるで他人事の様に処理してしまうのです。
特にネットや情報が発達した国々に於いては、誰もが、感情を露わにしたり
取り乱したりすることなく、冷静と言うより、自分以外の事に関して
強く反応しない社会と成っているのです。

我が国に、ミサイルが飛んでくるかもと言う情報が流れても、国民の多くは

日常生活を変えることなく、全く普段と同じ行動を取っているのです。
この事は、危険な情報も、普段の情報も、優劣は全く無く、全てが頭の中で
ネット情報の様に、フラットに同様に扱われるようになっているからです。

連日ミサイル実験が行われ、日本の専管水域にまで飛び込んでくる非常事態に

どれだけの日本人が反発したでしょう。
政府も国民も、全くもって反応すらせず、ただ情報処理を行っているだけです。

かつて、全国の大学で学生運動が盛んだった頃は、様々な社会情勢に対して

学生たちは過敏に反応し、日本中で様々な激しいデモと反発活動が行われ
日本中が日々緊張したものです。
この事の良し悪しはさておき、現代の日本人は、当時の社会問題よりも
遥かに、日本人全体の生命にかかわる大問題にさらされているのです。

しかしながら、恐ろしい程、日本人の反応が無くなっているのが不思議です

世の中の情勢も不況を伴い、人々の生活は決して豊かとは言えず、
日々の暮らしに苦労している人が、幾らでもいる現実も、かつての日本人なら
今の韓国の様に、膨大なる人数をもって執行部に訴えたはずです。

何もしなくても、何時かは良くなると思っているのでしょうか。

時のリーダーの様に、その時は親方が助けてくれるとでも思っている
のでしょうか。
しかし、これこそが、今の日本人がいつの間にかに、国民が知らない間に
仕立て上げられて来た、リーダー達にとって、最も都合の良い、扱いやすい
日本人なのです。

子供のころから洗脳された、経済優先社会と社会的富裕層の占有社会。

全ての物が、彼らにとって都合の良い様に作られ、長年の洗脳により
上層部に対する絶対的な服従と奉仕が、国民を、大人しく無反応とし
自ら反発する事を考えることすらできない様にしたのです。

その結果は、いつまで経っても幸せになれない多くの国民と、様々な方法で

国民の私財を吸い上げる社会システムが完成しているのです。
執行部が認める企業集団が、様々な消費物件を国民に与え、常に国民から
年貢の様に生活資金を吸い上げる構造により、豊かな人々はより豊かに
その恩恵を受ける政治家は恵比須顔と成っているのです。

私たち日本人は、近代的な先進国に住んでいると思いきや、目に付く殆どの

巨大施設流通システムは、自分達が奉仕する為の施設であり、国民は、
どんなに働いてもすべて消費する様に仕向けられ、消費する事が大切と
自分達の取り分を掛けて、国民に消費経済を促す役人ばかりです。

国民は、一生懸命働いて、働いただけ消費すると言うのは、まるで卵を産む

鶏たちの様に、いつまで経っても、卵を産み続け、一歩もケージから出られない
餌を与え続けられる生活を強いられる事と成るのです。
そうなると、自分達の運命は、自分達で決められず、ただ少しでも餌を食べて
卵を産み続ける事しか喜びは無いのです。

隣の鶏舎で、沢山の鶏が捌かれようが、自分達が生きて行く事で精一杯で

肉と成って行く鶏の事を考える事すらできないのです。
今や、繊細で豊かな日本人の感情は、横暴で無感動な日本人に変わりつつ
有るのです。

この事は、世界的に見れば、日本のリーダーとて同じことであり、世界の情勢が

緊迫しても、世界中の国々で戦争やテロが勃発しても、日本のリーダーは
何の反応もなく、動く時は、親方アメリカの言い成りと成っているのです。
つまり、日本人全体が、日本人にとって全く合わない消費経済を選択した事で
明治から100数十年の間に、自力では何もできない、日本人の大切な心も
自然も失ってしまった言えるのです。

戦争で国土が破壊された以上に、明治以降、私たち日本人は、盲目的に

西洋文化を取り入れ、消費経済を取り入れたことで、日本人の魂も抜かれ
無感動な自分の考えを持てない、人と比較してしか生きられない民族に
変わって来てしまったのです。

多くの人が、人の心を察したり労わったりする習慣が無くなった事で、

他人がどの様に考えているか感じることが出来ず、その事で、かえって
自分の周りの人に対する恐怖が芽生えているのです。
なりふりや外見でしか人を判断できない事から、豊富な知識からの思い込みが
人々の間に大きな心の溝を作り、誰もが当り障りの無い生活を求める様に
なってしまったのです。

この事は、富裕層の方々は、生活に苦しんでいる人たちの事を感じる事が出来ず

また、貧しい生活の方々は、その生活以上の豊かな生活の想像が出来ず、自ら
豊かになる事すらできなくなっているのです。

来る東京オリンピックに於ける日本人の謳い文句は、お・も・て・な・し

と言われていますが、これは、訪れる海外の人達の心への思いやりであり
日本人が普通に持っていた日常の気持ちであったのです。
それをあえて日本人の心の様に出さなければならないのは、明らかに、
国外に向けてと言うより、日本人にとって、人との関わり合いが希薄になり
その事で、日本中の人々が悩んでいると言えるのです。

正に、今の日本は、子供のころから、学業には力を入れていても、

人と人との関わり合いに対する教育が成されちない事を表しています。
人の気持ちに疎くなると、例え人が殺されても、隣の国からミサイルが
飛んで来ようが、全く心に応えない、単に、国に仕えるだけの奴隷の様な
感情が干からびた民族と成りつつあることを知らなけれなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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