めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

日本がプラスチックゴミを出す事を黙認した訳

2018-06-15 16:10:41 | 日本人

カナダで行われたG7首脳会議に於いて、日米は、海洋プラスチック憲章に署名
しませんでした。
今や、世界中で、一年間で海に捨てられるゴミは、800万トンに達すると言われます。
日本の沿岸に於いても、殆どの沿岸に、大量のプラスチックゴミが打ち寄せられ、
単なるゴミと言うだけでなく、海洋生物に対する影響が極めて大きい事が知られています。
生態系に悪影響を与えているだけでなく、世界の漁業資源にも深刻な問題を投げかけていて
私達人類の食料源としてだけでなく、あらゆる海洋生物達の生活繁殖に多大な影響を与え
ただでさえ地球温暖化の影響で海洋生物が減っているのに、プラスチックゴミは、未来の
食料資源に深刻な問題を与えています。

それ程にも、地球環境に大きな影響を与えているのに、何故、日米は、署名をしなかったのか。
それは、個人的に署名しようとしても、その後ろに、プラスチック産業に止まらず、
巨大石油化学産業界がにらみを利かせているからです。
日本とて同じ事、経済成長を遂げて、国のリーダー達は、産業界の僕で有り、彼らからの
大きな見返りで自分の地位を保てている事を知っているからです。
多くの経済成長を遂げた国の礎と成ったのは、殆どの場合、石油関連企業の力が大きく、
日本においても、中東などから大量に輸入した石油によって高度成長を遂げられたからです。

経済的に豊かな生活が出来るようになった引き替えに、自然を破壊し、公害を生んできた事は
先進国にとって、正に負の遺産となって多くの生き物を苦しめる結果と成っているのです。
動植物だけでなく、人々の健康をも損ない、人類の食料供給にも悪影響を与えていると言っても
この巨大産業がもたらす莫大なる経済支援は、国や地域の産業や生活を支え、例え大量の
石油廃棄物やプラスチックが生態系に大きな影響を与えると言っても、簡単には、
辞められないと言うのが本音なのでしょう。

しかしながら、日本で一年間に排出される食品ロスとほぼ同じ量のプラスチックが海洋投棄され
世界中の海で生態系に大きな被害を与えている事実は、単に、海を汚しているというだけでなく
いずれ私達の生活に様々な悪影響を与える事は予想されます。
プラスチックと言っても、拾い集められる程大きなものなら集める事はまだ易しいと言えますが、
問題は、プラスチック製品を作る為に利用する、マイクロプラスチックと言う、微小な粒です。
小さいものでは、1mmにも満たず、海や川の中では殆ど確認できない大きさです。
一見とても綺麗な海でも、今や、世界中の海には、この微小プラスチックが漂っています。

特に日本近海は、海流の関係で、多く集まる傾向があり、日本海で行われた調査では、
1立方メートル中に、3個の微小プラスチックが有る事が解りました。
こんな小さなものなら、大したことは無いと思えるかもしれませんが、世界中の海となると
その量は膨大であり、海洋生物が体内に取り込む事で、様々な問題が起きています。
当然、食料でない物が体内に取り込まれれば問題となるのですが、異物混入と言うよりは
そのマイクロプラスの性質上、様々な汚染物質を吸着している事が一番の問題です。

海に漂っている間に、海洋投棄された汚染物質を吸着する事が知られていて、中には、
PCB、つまりポリ塩化ビフェニールという、かつて水俣病で問題に成った猛毒物質を
吸着していたり、発がん物質を多く吸着している事も解っています。
魚介類が、ただ海の中で生活しているだけで体内に取り込まれる事が考えられ
生き物の中で、更なる凝縮が起こる事が心配されます。
つまり、食物連鎖を繰り返すことで、より大きな海洋生物に多く蓄積されるのです。

今では、様々な魚介類から危険な水銀が体内から発見され、その量は、大型魚に成れば成程
多くなってくることが解っていて、厚生労働省は、妊産婦に魚介類の摂取を控える様に
提案するようになっていますが、様々な汚染物質が、私達が摂取する魚介類から取り込まれる
危険性が高まっているのです。
健康の為に、青魚を摂ろうとしても、求める脂の中に、DHA、EPAと言った健康成分が多いものの
身体にとって危険な物質も取り込まれているとしたら、人類が食料とするには大きな問題です。

問題は、世界中で起こる健康被害の多くを被るのが一般庶民で有り、安心安全な食料を手に入れられる
経済大国のリーダー達は、より安全な物を食べれば良いのでって、直接的な被害を受けない事です。
これまでも、様々な公害に依る被害は一般の国民であって、その被害を生む巨大産業の経営者たちは
安全で安心な地域で、安全な食べ物を食べていました。
その為、たとえ、プラスチックゴミが海に漂っていようと、自分達には影響がないからその危険性は
感じられないのです。というより、石油化科学産業から得られる利益の方がはるかに美味しいのです。

毎度のことながら、経済大国のリーダー達は、基本的に、国民の方を向いては居ません。
その地位は、自分達の欲望を叶える為、更には、大手企業から様々な恩恵を得る為にあり
リーダーとして国民を安全で幸せな世界へ導こうと言う気はないのです。
選挙の時だけ、持ち前のパフォーマンスで国民を喜ばせ、地位が確保出来たら、背中しか
見えないのが現実です。
商人として暴利をむさぼっているのがアメリカなら、日本はそのすねにすがる丁稚と言えるでしょう。
いつまで経っても自立できないのですから、親方の言い成りになるしかないのです。

消費経済社会にあって、力士と同じ、番付が一つ違えば、天国と地獄なのです。
日本国民がどんなに望んでも、トランプが、日本をアメリカの軍事基地と考えれば、何も言えないのです。
沖縄でアメリカ兵による悲惨な事件が有っても、軍用機が落ちてこようが、物的人的被害が有っても、
アメリカの番付は、言わば横綱であり、幕下の日本は、足元にも及ばないのです。
何故、それ程までにも虐げられても、アメリカの言い成りに成らなければならないのか、
と誰もが疑問に思うのですが、それは、殆どの国民は、アメリカからの恩恵を受けていないからです。

戦後、堅い絆で結ばれたアメリカと日本は、まるで親分と子分の様に生きて来ました。
高度成長を成し得た基盤となった多くの企業は、アメリカからの恩恵によって成長しました。
この事は、今の時代で有っても何だ変わってはいないのです。
アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪を引くと言われる所以です。
つまり、日本企業は、アメリカによって育てられ、アメリカの機嫌を損ねる事は許されないのです。
日本は、そんな多くの利益を得ている人達が、豊かな生活を維持できる為に有るのです。
つまり、殆どの国民は、消費者として彼らを支え、更には、我々と彼らの橋渡しとして
政治家を選んでいるに過ぎないのです。

その為、アメリカを指し終えて、日本が勝手に行動発言する事は出来ないのです。
考えて見れば、日本のリーダーは、日本企業とアメリカの両方にいい顔をしなければならず、
どちらからも利益を得る為には、非常に苦労するのです。
たてまえは日本のリーダーであっても、日本企業の要望を国民に伝えるメッセンジャーであり
アメリカの支持を日本の考えとする代弁者の役割なのです。
当然、日本国民は、いつまで経っても、幸せに成る訳がないのであって、今の体制で有る限り
私達は、生活が豊かに成り、幸せな国民に成る事は、一部の人を除いて不可能なのです。

しかしながら、この様な主体性の無い国家を続けていて、良い訳が有りません。
一部の人達の言い成りに成って高度成長を続けた結果、日本の自然はボロボロと成り、
国民の多くは、様々な病を背負い込み、国に奉仕して企業を育てる為に働き続けなければ
生きて行けなくなってしまったのです。
喜びは、少しでも所得を上げ、消費を多くする事という、国の策略にまんまとはまった
健気な国民は、自分の生活を守る事で精一杯で、リーダー達が何をしようと構っている暇は無く
その結果、我儘三昧を許し、私利私欲に塗れたつまらない不祥事を起こしているのです。

国民の事を本当に考えてくれるリーダーならば任せておけばいいのですが、どう見ても
自分の事しか考えられず、ぼろが出てくると保身に走る器の小ささは、国民を導くには
あまりにも情けなさ過ぎです。
今の時代、全ての国民が、ネットを通じて、自分の考えを発信できるのです。
リーダーたるものは、個人的な人間でなくても、全ての国民で有っても良いのです。
日本国民が、一体この国をどうしたいのか、直接的に自治に関わるシステムが有っても
不思議ではない時代と言えます。

これからは、一部の人が自分達の我儘で国を導いて行く時代ではないのです。
これまでの様々な公害、地球規模の異変、地球資源の損失は、一部の人達の利益を
考えた事によって起こっているのです。
一人でも多くの人が創り上げる政治、そして平和活動が、本当に多くの人達を守り
幸せにする事が出来るのです。
人間の持つ我儘な部分をコントロールする事が、世界の人々、そして地球の生き物を
守る事となるのです。

富は、一部の人が独占すると多くの人が不幸に成ります。
今や、全ての人類が、富を分かち合える時代と成っているのです。
その為に、私達はネット社会を生み出したと言えるのです。
一部の人達が、この新たなる力を独占しようとすれば、更なる不幸が訪れるのです。
個が全てを知る事が出来れば、全ての人々が個を知る事も出来るのです。
国民一人一人が、本当に幸せを感じる為には、国民一人一人が全ての価値に関わって
いなければならないのです。

 



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