羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

施設のコンサート

2017年07月29日 20時15分15秒 | Weblog
 本日は、母の入所している施設で、コンサートが催された。
 声楽家が母と同じユニットにいらして、彼女が歌を披露される、ということで朝日カルチャーのレッスン前に、聞かせてもらった。最初はいかないと言っていた母だったが、ブラウスを着替えて、髪をとかして、母がお気に入りの介護士の男性にもすすめられて、会場になっている一階までいくことになった。
 すでに大勢の方々が集まっていた。

 さて、おめかししたプリマは、最初にイタリア歌曲を原語で、続いて「からたちの花」と「サルビア」と続けて3曲、披露された。
 コロラトゥーラソプラノで、美しい声をお持ちの方だった。
 声量こそお年には勝てないとしても、音程もバッチリ、綺麗にしっかり歌われたのは見事だった。
 もともとこの空間には、グランドピアノがあって、それをご覧になって、歌う気持ちになられた、と伺った。
 ピアニストにお弟子さんの応援もあって、実現したはじめてのコンサートだった。
 84歳になる女性は、昭和24年新制大学になったころ東京藝術大学の声楽科に入学されたらしい。
 野口先生とも出会っているはずだ。
 母にその話をすると、目を丸くして「大変な先生がいらっしゃるのね」

 耳が悪いのでほとんど聞こえなかったのではないか、と思う。
 それでも一曲ずつ拍手をしっかりしていた。

 三曲歌って、ピアノの脇に置かれた車椅子に腰かけて、お弟子さんの歌を聞かれているときは、さすがに先生の表情に変わっていらした。
「厳しそうな先生だ」(失礼)

 60代後半くらいだろうか、お弟子さんは、「椰子の実」と「見上げてごらん夜の星を」を二曲。
 聞いている多くの入所者は、一緒にくちずさんだり、ハミングしたりして、今にも声を出して歌いたいような雰囲気だった。

 皆さん、歌いたいんだ!!

 最後の「ふるさと」まで合唱したかったが、母を施設の方におねがいしてここまでで失礼した。
 92歳にして、社会デビューしたような母だ。

 いずれにしても「認知症と音楽療法」が研究されている。
 歌はなかなかよきことのようだ。
 その瞬間でも幸せな情感や懐かしさが甦り、感情を表現することは素敵なことだと思う。

 施設に入所させてもらって、私も一緒に新しい経験を積ませてもらっている。
 スタッフのみなさまの心遣に、お礼をいいたい。
 ありがとうございます。
 とてもよい企画でした

 別件:朝日カルチャー本日のテーマは「アナトミー・トレイン」3日目でした。
「上体のぶらさげ」ほかで、新しい感覚がひらかれました。
 

 
 
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