羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

普通救命講習と「よきサマリア人法(Good Samaritan Law)」

2014年04月09日 08時54分53秒 | Weblog
 アメリカ合衆国の各州には、「よきサマリア人法」と呼ばれる法律があるそうだ。
《緊急時に行った行為は、その行為に過失があったとしても責任は問われない》
 日本では、これについて直接定めた法律はない、というが
《市民が善意で実施した行為に関しては、責任をとわれることはない、と考えられている》
 そうだ。

 さて、このことは、昨日、立教大学で体育教員対象の『普通救命講習』の講習会を受け際に、配られたテキストの最後のページに書かれていた一部である。
「心肺蘇生を施すのにAEDを使う場合、女性のブラジャーをはずして衆人観衆の目に触れた、として後から訴えられたらどうしましょう」
「そうした場合は、人垣を女性を取り囲むように後ろ向きになってつくってもらい、まわりから見えないようにしてください。日本にはよきサマリア人法はありませんが、大丈夫です」
 このページを教えられた。

 およそ3時間、(公益法人)東京防災救急協会の方が、わかりやすくユーモアたっぷりのお話や実技指導、加えて池袋消防署の2名の方の見守りで「応急手当」の方法を教えてもらった。

主な内容:
*応急手当の重要性
*救命処置 心肺蘇生(胸骨圧迫、人工呼吸、小児や乳児の場合)等々
*AED(自動体外式除細動器)の使い方 心肺蘇生
*気道異物除去法
*応急手当(止血法、血液感染防止)

 結構な力を使うが、こうした体験ができたことは、とても勉強になった。
 
 最近では置かれている所が非常に増えた「AED」は、心臓を動かす道具ではなく、心臓を一旦止めてリセットした後に“正常な動きを取り戻させる”ものだと知った。
 また、電極パットを装着してから、傷病者に触れないこと・離れるのは、AEDが自動解析してショックが必要かどうかを判断するために余分な情報を与えないためだとも知った。

 その他、細かな注意事項や小児や乳児の場合のさまざまな注意点を丁寧に説明されたことは、なるほどと思えることばかりだった。
 大事なこと。
 胸骨圧迫の場合に、骨が折れても命を守ることが優先。
 目から鱗ならぬ、耳から鱗のことは「あッ、もう、ダメかもしれない」とか「すごい血が出てる」という言葉は御法度。つい口にしそうな言葉だ。
 つまり傷病者に意識がないように見えても聞こえている場合がある。そして心身ともにダメージを受けているので、こうした言葉でも苦痛を与えてしまうことになる。
「大丈夫ですか。頑張ってください」とか「すぐに救急車がきます」等々、できるだけ苦痛を軽減させる励ましの言葉をかけるように、とのこと。これは応急手当の場合だけでなく、さまざまな場面でついやってしまう言葉掛けの注意だと思った。

 実際にこうした場面に遭遇しないにこしたことはない、しかし知っている意味は大きい、と思う。
 出来るか、と問えばあまり自信はないが、まず落ち着いて思い出すことしかなさそうだ。

 今週の土曜日・朝日カルチャー「野口体操講座」に、テキストといただいた「マウスピース(これが優れもの)」を持っていこうと思っている。 
 詳しくはその時に、ご報告します。
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2 コメント

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患者を勇気づける言葉 (サジ)
2014-04-09 21:50:27
私の場合も、救急車に乗せられ、病院に着き即手術へと、慌ただしい中で、寄り添った方々が常に明るく前向きな言葉をかけて頂きとても勇気づけられました。
返信する
Unknown (羽鳥)
2014-04-10 07:30:28
サジさん、よかったですね。
これにかぎらず、前向きで明るい言葉をかけるのが大事です、と心しておきます。
返信する

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