羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

日本という国

2013年04月14日 07時22分05秒 | Weblog
 時間を見つけては、一冊の本を夢中で読んだ。
 久しぶりに興奮した。
 この本の前には『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』前泊博盛著 創元社を読んで落ち込み悲嘆にくれそうになる自分だった。
 それが打って変わって、日本人は捨てたものではない。これほどの人物がいたことに驚嘆し、からだの芯から沸々と元気が湧き上がって来る。
 モデルとなった人は出光佐三。
 大八車から出光興産を作り上げた明治生まれの男の一代物語である。
『海賊と呼ばれた男』百田尚樹著 講談社

 ページを捲るごとに、戦前の歴史もだが、戦後の日本が生の感覚で読み取れる。
 たとえば自分が生を受けた昭和24年がどんな日本だったのか。
 そして物心つく時代にどのような変化をとげていたのか。
 いわゆる青史ではわからない世界を知る面白さなのだ。

 そして、つくづく思い知らされる。
「日本は戦争に負けた。石油に負けた」と。
 昭和20年、戦争に負けてアメリカの進駐軍(占領軍と言わせないところがミソ)のもとに、戦後の復興の足がかりを得て行く。
 それがそのまま、2013年、現在、今の日本のすがたを形づくっていることを知るのだ。
 憲法しかり、安全保障しかり、原発しかり、TPPしかり。

 本に話を戻そう。
《昭和二十八年、サンフランシスコ条約締結からまだ一年にも満たない時代に、日本の小さな石油小売り会社が、大英帝国と強大な国際石油メジャー(セブン・シスターズ)相手に真向から戦いを挑んだ。なぜか、歴史から消し去られた「日章丸事件」を、稀代のストーリーテラー・百田氏が発掘、ノンフィクションノベルとして甦らせた》
 本に差し込まれていた宣伝文をそのまま書かせてもらった。

 敵にまわしたのは英国だけではない。日本の石油業界も官僚も敵にまわす。しかし、どれほどの多くの敵があっても、この男の本懐をとげさせて行くことが日本の将来のためになると、援助する日本人がいた。それだけではない。アメリカ人もいた。
 政治家、銀行家、実業家。なによりも惜しみなく労働を提供する多くの人々がいたからこそ、ひとつのイデアが実現し、実体となっていくのだ。

『日本防衛論ーグローバル・リスクと国民の選択』中野剛志 角川SSC新書
『TPP亡国論』中野剛志 集英社新書
『知の逆転』ジェームス・ワトソン他 吉成真由美インタビュー・編 NHK出版新書
『日米地位協定入門』前泊博盛 創元社
 そして今読み終わったばかりの
『海賊とよばれた男』百田尚樹 講談社

 とにかく道を誤ってはいけない、と思う。

 さて、読書の方向転換を目指して、書店で村上春樹の新刊本を手に入れようと思ったが「完売」のポスターばかりに出会っている。今朝、アマゾンを検索すると4月17日入荷予定とあった。
『色彩を持たない多崎つくる』という書名に大きなクエスチョンマーク?を描いたが、本日の書評で“多崎つくる”は人名らしいことを知った。
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