昨日に比べて僅かだが湿度が低いようだ。
早朝からほとんど全ての窓を開けた。
そんなわけで、風が満遍なく抜けていくのを感じながら、坐ることができた。
昔から、日本の家は梅雨時の湿気、夏の暑さを考えて設計するように、と言われている。
その他、いくつかの条件もある。
玄関や門は巽(たつみ)の方角、つまり東南に設えるように。
西はできるだけ塞いでおくが、小さな窓はつけておくように。
ご不浄は北側に・・・・等々、今ではほとんとかなわない条件かもしれない。
我が家では門から玄関までの短いアプローチに、鉢植えを置いてある。その中の松と藤の鉢には、巽(たつみ)の方角に、陶器の蛙をのせている。
二つとも父が癌の闘病で入院中に、ご近所の方からいただいたものだ。家に無事カエルにかける祈りである。
さて、今年はホームセンターで意外なものが売れているそうだ。
コロナ禍で、換気の重要性が言われるようになったことの影響で、網戸の需要が増えている、という。
驚くことに、玄関用の網戸まで需要が伸びたそうだ。
実は、玄関から出ていく空気、入ってくる空気の量。玄関は換気にはいちばん良い場所だという。
先日、試してみた。
それからというもの、雨が降らない日には、玄関の扉を開け放ってそこで朝刊を読むことにしている。
すると家中からお蔵スタジオ内までも、短い時間で空気が入れ替わるのを感じる。
それに関連してくるかもしれないが、今朝、NHKニュース7時台で、建築家の隈研吾さんのインタビューが放送された。
コロナ禍で変わる建築がテーマだった。
体調を崩されて散歩を始められ、今まで歩いたことがない道や路地に、新しい発見をしておられるという。
これまで信じてやってきた「箱」をつくる建築設計理念に対して、根本からの見直しが迫られている。
そして、今、いちばんの関心は、京都の町屋ということだった。
いろいろが変化していく。
都市も変わる。
道も変わる。
人も変わる。
暮らしも変わる。すでに変わっている。
そんなことを思いめぐらしながら、100回を超えて坐り続けた。
吹き抜ける風は、なんとも心地よい。