母の施設から、毎年のこと、この時期に『「急変時及び終末期についての意思確認書」記入のお願い』が届く。
今年もすでに届いている。
いつものように書かれている項目に、次々、スラスラとチェックを入れた。
ところが看取りの場所に関する問いの項目で、手が止まった。
施設
自宅
病院
昨年までは、躊躇いなくチェックを入れて即投函。
今年は、迷う。
はじめて、迷っている。
コロナ禍で、メメント・モリ! 母の死も自分の死も 一つ一つの死場所のイメージが、急に具体的な様相を帯びて迫ってきた。
自分の場合はともかく、母にとってどこがいいのかは、その時の状況によるのだが、理屈では割り切れなくなっている。
人の気持ちは変わる。
自分の気持ちですら、わからないことが多い。
2月19日以来、母に会えないことも影響している。
たとえ会えたとしても、母の気持ちを確かめようがない。
今は、終末期について考えたくないのかもしれない。
答えを出して、一枚の意思確認書を投函するのは、週を跨ぎそうな気がしている。