羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

2012年 今年よかったこと-4-銀座で独楽

2012年12月28日 08時51分03秒 | Weblog
 時系列をかまわずに、今年、よかったと感じたことを書いている。

 12月30日(日)まで、銀座三越 8F 催事場で、江戸独楽作家・福島保さんが出店しておられる。
 最近は、年末のこの時期に一年に一回のお目もじをかなえている。毎年のこと、年野最後に、縁起独楽を手に入れている。
 来年の干支は「巳」。
「蛇は、独楽に仕立てるのが難しい」
 そう伺うのは二回目。
 思い返せば、福島さんにはじめてお目にかかってから12×3=36年には届かないが、三十年は優に超えている。その間に、はじめて銀座だ。
 そしてここには、ろくろ持参しているので、その場で独楽を作ってもらえることが嬉しい。
 
「これ、何ですか』
「皆さん、ウリ坊?って聞かれるんですけど、ナメクジなの」
「確かにナメクジってこんなにふっくらしてたの」
「家のナメクジを観察して、この形にしたのよ」
「あ~、そう。三すくみってわけね」
「なかなか気がのらなくてね」
「それはこっちの台詞よ。でも縁起物だから二個いただくわ」
 三すくみ「巳年干支独楽」だった。
「えーと、ナメクジは蛙に食べられ、蛙は蛇に食べられ、蛇はナメクジに溶かされる」
「正確には、蛇はナメクジを恐れ、ナメクジは蛙を恐れ、蛙は蛇を恐れる、と国語辞典にはあるんですよ」

 ロゴスの世界は二分法、二項対立、善か悪かの価値観だが、東洋の知恵は「三」で、割り切れないところに意味があって、絶対の価値観ではなく相対的に時と場合に応じて価値が游動して、結果として粋な勝敗が生まれる。
 で、干支の独楽は、蛇と蛙とナメクジが、新年を寿ぐ!ということになる。

 お客さんが立ち寄ると途切れるが、小一時間、断続的に話をする。
「独楽は形あるものとして残るから」
「いや~、だから、独楽は独楽でしかないですよ。でも、野口体操は、形じゃないから変幻自在に、いろいろに展開していく可能性があるじゃないですか。それがいいんです」
 福島さんの弁。
 含蓄のあるお話を「干支独楽」といっしょにゲット!
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