羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

『光圀伝』

2012年09月26日 19時38分27秒 | Weblog
 冲方丁著『天地明察』を読んだとき、凄い作家が誕生しているのだ、と思った。
 そしてこの『光圀伝』、はじめは最後までたどり着けるか、と思うくらいの本の厚さで途中挫折するかもしれないという不安がよぎった。
 ところが、いやはや、グイグイ引込まれて、最後の章に近づくにつれて心が急いた。「渾身の1500枚!」と帯にあったが、大河エンタテイメントという言葉に嘘はなかった。
 
「なぜ、あの男を殺めなかればならなかったか」という答えは書かずにおく。
 読み終えた時、からだの芯から興奮の渦が巻き起こって、震える手足をどうにもできなかった。
 力が抜けない。
 それでも階段を降りかけた。しかし、思わず足を止めた。
 しばらく呼吸が整うのを待って、手すりにつかまってゆっくり足を運んだ。

 実に、小説の醍醐味を味わわせてもらった。
「江戸期を知る」ということもあったが、人間の生き様を、すぐ目の前、手の届くところで映し出してもらった!
 実は、まだ、ここに感想を書ける状態ではない。が、とにかく読み終えたことだけは、記しておきたかった。

 素晴らしい!
 
コメント
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