ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年10月17日。ウクライナ侵攻から237日目

2022-10-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月17日。

 ベラルーシ国防省高官は今日、合同部隊に参加するためベラルーシに入るロシア軍の規模について
「兵員最大9000人、戦車約170両、装甲車最大200両、口径100ミリ以上の重火器最大100門になる。」
とツイッターで明らかにしました。
 戦車170両をロシアから運んでくるんですか。ベラルーシ軍所有の戦車をロシアへ運んでいるという情報もあるのですが。戦車の種類(威力や性能)がちがうのかもしれませんね。


 キーウ中心部で今日も、複数回の爆発がありました。キーウ市長は、自爆ドローンでの攻撃があったとしています。複数の住宅に被害が出たほか、妊娠6カ月の女性と夫を含む少なくとも8人が死亡しました。
 民間人を無差別に攻撃しているこの方法こそテロですよ。ロシア政府は、特別軍事行動でウクライナをナチスから救うという名目で侵攻を始めましたが、今はテロに対抗するための作戦に方向転換しています。みなさん、騙されてはいけません。

 ロシア国防省は今日、精密誘導兵器でウクライナの軍事目標とエネルギー関連施設を攻撃し、攻撃目標は全て命中したと発表しました。
 キーウ市内のほか、ウクライナ政府によると、攻撃により数百の集落で停電が発生しました。
 ロシアは冬に向けて暖房が効かなくなるようにする作戦のようです。
 
 
 ロシアメディアを監視する団体「ロシアン・メディア・モニター」の創設者で、米誌デイリー・ビーストのコラムニストであるジュリア・デイビスのツイッター上で、動員された予備役兵の1人が撮影したという軍のキャンプでの動画を見ることができます。
 人間扱いされていないかのようなキャンプ場ですね。
 動画に映っている兵士は全員ハンティ・マンシースクの出身だそうです。ハンティ・マンシースクは、ロシア中西部の都市でハンティ・マンシ自治管区の行政の中心地だそうですが、要するに少数民族が動員されて、劣悪な環境のキャンプ場で訓練を受け、その後前線に送られるということです。
 キャンプ場のテントの中にはストーブが一つしかなく、それも役に立たないし、盗まれると動画を撮影した匿名の人物は訴えています。
 また兵士の半分は風邪を引いてしまったと話していますが、動員された予備役兵の間でコロナが流行っているという情報も聞きました。戦闘に行く前に病気になってしまいますよ。
 経済的に裕福なロシア人は動員から逃れようと外国へ出国し、そうでない少数民族の人は、動員されてこんな扱いを受けています。
 戦争が終わった後も、動員された少数民族が支配層のロシア人に対して、恨みを持ち続けて、ロシアから独立しようとする動きが出てくるのではないかとさえ思えてきました。


 
 指名手配中の、元ロシアテレビ局のジャーナリスト、マリーナ・オフシャンニコワさんが娘とともに自宅軟禁中だった自宅から所在不明になったあと、実は数時間で出国していたと、弁護人が今日、明らかにしました。無事で良かったです。しかし暗殺される危険もあるので、今も所在不明のままです。


 ウクライナ文化情報省やヘルソン州の地元メディアによると、17日までに、ロシアが一方的に併合を宣言したヘルソン州で、地元オーケストラの首席指揮者ユーリー・ケルパテンコ氏がロシアへの協力を拒否し自宅でロシア軍に射殺されたと明らかにしました。
 ロシア側はヘルソン州での「平和的な生活の回復」を示すため、「国際音楽の日」の今月1日に地元オーケストラによるコンサートを開くことを計画しました。しかし、同氏は占領者への協力を断固拒否。その後、自宅で殺害されました。 

 
 ロシア国防省は、今日ロシア側とウクライナ側の間で別の捕虜交換が行われたと明らかにしました。
 民間の船舶の船員72人を含む110人のロシア人が対象となりました。またウクライナ軍の108人の軍人がウクライナ側に引き渡されたとしていますが、全員が女性だそうです。
 交換前、2人のウクライナ人女性は、ロシアに留まることを望んで、自発的にウクライナへの帰国を拒否したとも報道されています。
 これ、女性軍人108人ではないですね。おそらくロシア側に強制移住させられた女性のことでしょう。だから2人ぐらいは、「私はウクライナ人だけど、ロシアに親戚もいるし、ウクライナの家は完全破壊されて、仕事もないし、ロシアに残ります。」と言い出した人がいても不思議はありません。ウクライナの軍人がロシアに自発的に残るわけがないです。

 
 2022年1月から8月までの期間で、ベラルーシ人の実質所得は3.6%減少しました。またベラルーシの国内総生産は4.7%減少しました。ベラルーシ経済の行く末は・・・。
 一方、景気のいい話もあります。ロシアでは、CIS、特にベラルーシで製造された家電製品の売上が大幅に増加しています。冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ストーブなどで、言い換えればこれらの家電がロシア国内で不足気味だということです。


 ロイター通信によると、ロシアのエイスクの高層住宅地に今日、スホイ34戦闘爆撃機が墜落、炎上しました。
 同機はロシア南部軍管区の軍用飛行場から訓練飛行を行うために上昇中、エンジン一つがトラブルを起こし(火が出たそうです)運悪く住宅地に墜落したとロシア国防省は述べています。
 二人のパイロットはかろうじて脱出に成功。
 墜落したのは住宅ではなく中庭ですが、すぐのそばの9階建ての住宅の、1階から5階までが火災を起こし、ロシア当局は、周囲約2000平方メートルにわたって火の手が広がったと説明しています。
 燃料のほか、ミサイルを満載していたという情報もあります。6人が死亡したとの報道もあります。
 

2022年10月16日。ウクライナ侵攻から236日目

2022-10-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月16日。

 ベラルーシ非常事態省は、ベラルーシ国内に約5000の防空壕があることを今日、発表しました。
 個々の防空壕についてこれからチェックをして、国民にミサイル攻撃などがあった場合、最寄りの防空壕がどこにあるのか、事前に通知する作業に入るそうです。
 我が家の場合はどうでしょう。最寄り地下鉄駅構内がそうだと通知が来そうですが、とても近所の住民全員入れないです。
 結局、マンションの地下駐車場に避難することになると思います。
 ベラルーシ領内での戦争に備え、政府は着々と準備を始めています。 
 
 ベラルーシとロシアの合同部隊も形成されつつあります。15日夜から今日にかけて次々とロシア兵士が到着し、対ウクライナ国境地帯に配備されている模様です。
 ベラルーシ国防省の発表ではロシア兵士の数は最大9000人になるとのことですが、最初の話では1000人だったはず。
 どっちにせよ、ロシア軍に人員の余裕がないので、本当に9000人もベラルーシへ来るのかどうか分かりません。
(今日の時点でもうベラルーシに9000人到着したとの情報もあります。)
 ベラルーシ軍が所有していた戦車はロシアへ貨物列車に載せられどんどんロシア側に輸送されていて、合同部隊にどれぐらいの軍装備があるのかも分かりません。
 ちなみにベラルーシ国内にロシア兵士が大勢来るので、そのために兵舎を特別に建設する計画だそうです。1000人の予定が9000人になったので、宿泊施設も必要ですよね。しかしその建設が完了するのに2ヶ月はかかるようです。(あと2ヶ月は戦争は終わらないということでしょうか。)


 ウクライナ大統領がG7諸国に対し、ウクライナとベラルーシの国境に国際監視団を派遣して治安状況を監視するよう求めていますが、ベラルーシ側は、そのような監視団は必要ないとしています。
 なぜかと言うと、国際監視団のメンバーが妨害工作員であることもありえるからだと説明しています。

 今日ロシアのMIG-31 戦闘機がミンスク上空を飛行しているようすが多くの市民によって目撃されました。ロシア空軍もベラルーシに到着しているようです。
 この戦闘機は、キンジャル・ミサイルを搭載できます。(もしかしてすでに搭載済み?)


 昨日のロシア・ベルゴロドで起きた志願兵訓練所での乱射事件。ロシアの独立系メディアは事件を目撃した軍人の証言として従軍を拒否したイスラム教徒の兵士と上官との言い争いが銃乱射事件のきっかけだったと報じました。
 イスラム教徒の兵士らがウクライナ侵攻は「自分たちの戦争ではない」として戦闘への参加を拒否したところ、上官は「聖戦だ」と述べ、イスラム教を侮辱する発言をしたということです。そういうことしてはいけませんよ。
 その後、射撃場でイスラム教徒の兵士たちが銃を乱射したと伝えています。イスラム教ということで、やはりタジク人だったという報道が正しいようです。
 死傷者数についてはばらつきがありますが、ロシアメディアによると、少なくとも11人が死亡、15人が負傷しました。脱走した3人目の犯人はいないようです。が、脱走に成功したことが公になると、ロシア軍の面目がつぶれるので、公表していないだけかもしれません。


 ベルゴロドでは15日、石油貯蔵施設で火災が発生。同州知事は通信アプリで、「砲撃によるものだ」と主張。
 14日には、ベルゴロド州のオクチャブリスキー村にある弾薬庫をウクライナ軍の砲撃して、死亡者が出ています。
 ロシア軍の発表ではベルゴロド、ブリャンスク、クルスク州に対するウクライナの砲撃の数が、10月の初めから大幅に増加しているとのことで、ロシアがウクライナから相当攻撃を受けていることが読み取れます。


 ドネツク市の親ロシア派幹部は今日、市中心部が今朝にウクライナ軍の砲撃を受け、親露派が本拠とする市役所庁舎が被害を受けたと明らかにしました。負傷者が2名。
 攻撃にはハイマースが使われたとされ、砲撃は市役所庁舎がある行政地区だけでなく、ドネツク市中心部の広い範囲に及んだそうです。
 
 中国外務省はウクライナに滞在する自国民に対し、安全状況の深刻化を理由にウクライナからの退避を呼び掛け、カザフスタンもキーウの同国大使館員を退避させることを決定しました。


 ベラルーシ国営メディアの報道によると、連続テロが未然に阻止され、容疑者数名が拘束されました。
 国内ベラルーシ政府がでテロ組織として認定している非公式組織(ポーランドで反政府系ベラルーシ人を支援)やベラルーシ野党(暫定政府)が関連していると政府当局は主張しています。

2022年10月15日。ウクライナ侵攻から235日目

2022-10-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月15日。

 厳しかったコロナによる日本への入国が規制が緩和され、円安の影響もあって、訪日外国人観光客が増えたと今日の日本のテレビのニュースで報道されていました。有名観光地での外国人観光客への街角インタビューで、ロシア人観光客が写っていて、マスクをしていたけれど笑顔で、「日本のアニメや漫画が好きだからよく見ていた風景があって興味深い。」『ナルト』とか『ドラゴンボール』とか・・・と話していました。
 私の心が狭いのでしょうが、見ていて気分が落ち込みました。
 理由はいろいろありますが、まずこれをウクライナ人が見たらどう思うのだろう?と考えたからです。今のウクライナ人は観光どころではありませんよ。ずっと命が危険にさらされているのに。
 次に、インタビューで答えていたロシア人は男性で、年齢は取材されているわけではないので分かりませんが、動員対象にはなっていないの? と疑問を感じました。対象外の人? もしかして在日ロシア人なのに「訪日した外国人」だとして報道されたのかと勘ぐってしまいました。 
 もう一つの理由はロシア人に日本外務省は観光ビザを出しているのに、ベラルーシ人には出していないことです。

 ウクライナ人避難民を受け入れている日本。
 ロシア人には戦争当事者なのに、観光ビザを出す日本。
 日本とロシアの外務省の間には、外交官の国外退去命令の応酬がありました。このような険悪な関係になっているけど、ロシア人には観光ビザを出すのは、それだけ経済効果のためにロシア人に日本へ旅行に来てほしいということですね。
 じゃあ、ベラルーシ人には観光ビザを出さないのはなぜ? 外交面でベラルーシと日本の間には外交官を国外に出すという事例は(今のところ)起こっていないのに、ベラルーシ人には観光ビザは出さない理由は、コロナの感染がベラルーシでは収まっていないからだそうです。ロシアは収まっている国だから観光ビザをあげられるんだそうです。
 ではベラルーシでコロナが収まっていないと判断している根拠は何? ベラルーシの病院の内部事情に日本政府は詳しいのですか。ちなみにもう3ヶ月以上、ベラルーシ政府から国内感染者数の公式発表はありません。

 今年の12月実施の日本語能力試験ですが、ウクライナは日本大使館がキーウに戻ってきたものの、9月が申込締切なので、受験者募集そのものが中止されました。ウクライナで今年は日本語能力試験は行われません。
 ベラルーシはそもそも12月は試験がなく、1年に1回、7月のみです。
 ロシアは、日本語能力試験の公式サイトを見たら、もう半年以上、12月の試験は「実施するか検討中」と表示されています。9月の過ぎてもう10月も半ばなのに、はっきり「中止」と決定しておらず、「検討中」のままです。
 ロシア人の観光客に日本のビザをあげるぐらいなら、12月にロシアでの日本語能力試験を実施してください。と国際交流基金に言いたいです。ロシアで実施されるとはっきり決まれば、ベラルーシ人もロシアへ越境受験に大勢行きますよ。ベラルーシはもう3年連続中止なんですから。
 
「(侵攻を受けた)ウクライナでは日本語能力試験は戦時下でとてもできないんですよ。それを差し置いて、(侵攻した側の)ロシアやベラルーシで試験の実施はできないでしょう。」
と言って、自分の生徒を慰めていましたが、今日、ロシア人が観光ビザをもらって、日本で楽しく旅行している姿をニュースで見て、考え方が変わりました。
 日本は侵攻した側であるロシア人が日本旅行できる可能性をあげ、ウクライナ避難民を気の毒にと国内に受け入れているのに、ベラルーシ人に日本語能力試験受験の機会すらくれないんですか?
 せめてロシアで今年12月の試験を実施してほしいです。ベラルーシ人が受験しにロシアまで行きます。
 
 
 国際原子力機関事務局長は、ザポリージャ原発の職員がロシア国営原子力企業ロスアトムとの新たな雇用契約を結ぶよう強制されていることを明らかにしました。


 ロシア軍が合同部隊に参加する名目でベラルーシ領内に入り、ゴメリ地域に集結しているそうです。
 もっとも、合同部隊に配属されるロシア兵は約1000人とされているので、全体からするとわずかです。
 ベラルーシ軍兵士のほうが多く、主流です。
 ゴメリ地域に集まっているということはこれから、ウクライナの北側の国境地帯で陣取るということですが、ここで国境を越えてウクライナに侵攻すると、非常に大きな問題となります。ベラルーシにとってです。

 ベラルーシ国内で活動する民間の軍事情報監視団体「ガユン」は昨日、ベラルーシ軍の旧ソ連製T72型戦車が14日だけで少なくとも22台、ロシア国境方向へ運ばれるのが確認されたとしています。過去1週間でロシアに向けて運ばれた同型の戦車は計67台。そんなにロシアに戦車が不足しているのでしょうか。
 それでいてロシア軍はベラルーシで合同部隊を結成しようとしていますが、兵士の頭数は揃えても、戦車はベラルーシに残っているのでしょうか。


 ロシア国防省は今日、ベルゴロド州に位置する西部軍管区の演習場でテロがあったと発表しました。犯人は独立国家共同体(CIS)のいずれかの国出身の2人とみられていますが、一部報道ではタジキスタン出身の男性二人のようです。
 ロシア国防省はこれをテロ攻撃と発表していますが、実際にはウクライナにおける特殊軍事作戦へ参加する志願兵の訓練中(火災時の消火訓練をしていたそうです)に発生しているので、無関係のタジク人がここにいたというのは考えられません。この二人も志願兵だった可能性が高いです。
 犯人2人は部隊の人員に向かって自動小銃を乱射。11人が死亡し、15人が重軽傷を負いました。ロシア軍からしたら貴重な人材ですよ・・・。
 犯人はその場で「反撃により排除」されたとしていますが、要するに射殺されたということですね。
 犯人の数は3人で、そのうち2人は射殺され、1人は逃亡中という情報もあります。
 どちらにせよ、気が狂った人の単独の犯行ではないので、予め計画していたことのように思われます。
 テロなどではなく、志願兵として訓練場まで来たものの、いざ前線へ送られたら戦死する可能性が非常に高いことに不安になり、タジク人同士で脱走しようと計画して、失敗したというのが真相のような気がします。

 
 タジキスタンと言えば、昨日タジキスタン大統領がカザフスタンで開かれたロシアと中央アジア5カ国の首脳会議で、ロシア大統領に対し、
「旧ソ連時代のように中央アジア諸国を扱わないでほしい」「旧ソ連時代、中央アジアの小国は(ソ連指導部から)関心を向けられていなかった」「ロシアはタジクを食糧面や貿易面で支援してくれているが、その半面、対等な態度も示していない」「多額の資金援助はいらない。われわれを尊重してほしい」
とロシアは旧ソ連時代のような小国軽視の政策をとるべきではないと訴えました。
 勇気があるというか、今だからこそ発言できる内容なのか。ベラルーシに住む者として胸に刺さる言葉です。

2022年10月14日。ウクライナ侵攻から234日

2022-10-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月14日。ベラルーシでは今日は母の日です。

 ベラルーシ野党リーダー、チハノフスカヤ氏はベルギーで記者団の取材に対し、
「全世界がウクライナ国民と団結している今この時に、ベラルーシ軍がこの戦争に参加するなど想像できない」
と述べました。
 というニュースを読んで、少し安心していたら、ベラルーシの独立系メディアはベラルーシ大統領が極秘に国民を動員する方針を決めたと伝えました。
 ・・・このように日本語のニュースになっている状況では全く「極秘」になっていないと思うのですが、読んだ途端、こちらの体の具合が悪くなりかけました。
 今日ベラルーシ外相は、ロシアメディアのインタビューで、
「対テロ作戦体制が国内に導入された。」
と述べました。
 導入の理由として「複数の近隣諸国がベラルーシを侵略しようとしている情報がある」などと主張。
 これは前々から繰り返しベラルーシ政府が主張していることです。本当なのかどうかは大事ではないのです。こういう発言を何のために繰り返しているのかが重要なのです。

 対テロ作戦体制が導入されると身元確認のための逮捕や盗聴、あらゆる通信の制御など幅広い権限が治安部隊に与えられるとみられます。
 確かに対テロ対策になりますが、反政府派の一般人の監視もしやすくなります。

 カザフスタン大統領は今日、首都アスタナで行われたロシアと中央アジア5カ国の首脳会議の席上で、旧ソ連圏での国境に関する問題は、
「もっぱら平和的な手段で解決されるべきだ」「友好と信頼の精神で、さらに国際法の原則と国連憲章の順守によって解決されねばならない」
と発言しました。

 アスタナでは今日、旧ソ連諸国でつくる独立国家共同体(CIS)の首脳会議も行われ、ロシア大統領は、第二次世界大戦終結から80年となる2025年に「ナチズムに対する団結」をCISが宣言するよう提案し、各国の同意を得ました。
 また「旧ソ連の諸国民がナチスから人類を救った」と主張し、ウクライナ侵略(特別軍事作戦)を「ネオナチとの戦い」だとしており、各国に軍事行動への理解を求めようとしたようです。

 クリミア大橋への爆破以降は、ナチズムというより「テロとの戦い」と方針転換しています。ある意味このほうが単純明快で国民の理解も得られやすいですね。
 ベラルーシも同様に「対テロ作戦体制が国内に導入された。」と今、外相が発言しているわけです。
 ノルドストリーム・パイプラインのガス漏れもテロだそうですし。

 ベラルーシが「ウクライナがこっちに攻めてきそうなので、国境地帯に兵を置く。」と言うと(言うだけで)ウクライナ側はベラルーシ国境地帯に軍を配置しないといけません。
 そうするとウクライナの北側にも軍を送ることになるので、東や南の兵力が弱まってしまう。それは予備兵30万を補強したロシアにとって優位になるから、ベラルーシはロシアを助けたことになる、ということだと思います。
 こういう形でもいいから、ロシアを支援するよう、ベラルーシは要請されているのかもしれません。

 ただ、私はいつも思うんですが、今はもう21世紀ですよ。冷戦時代、映画の見すぎだったのかもしれませんが、私は第3次世界大戦というのは、核兵器やその他高性能の科学技術の高い兵器で行われるようになるので、軍事技術の高い国が戦争で勝つ、そして、兵器の発射ボタンを押すのが戦争の新しい形になると思っていました。
 つまり大勢の兵士が手に銃を取って、戦車にのって移動するということはもうしなくなると思っていました。
 それなのに今でもやれ、20万人動員した、もうすぐ30万人になる、軍服が足りないなどと報道されるので、ああ、結局兵士の数で勝敗とは決まるものなのか、戦争は・・・などと驚いています。

 っもし、ベラルーシ軍がウクライナ領内にまで踏み込んで攻撃を公に始めたら、国際的な批判を浴び、NATOがぽランド経由で介入してくる可能性があります。ベラルーシは後ろから突かれているようなものなので、とてもロシアの言うとおりにウクライナに派兵することはできません。兵力、軍事力ともにロシアの助けにはならないし、NATO軍には軍事力で太刀打ち全くできません。援軍をロシアに頼んでも、ロシアはベラルーシを助ける余裕はないでしょう。ロシアは当てにならない状態で、ベラルーシが軍を積極的に動かすのは非常にリスクが高いです。
 
 ベラルーシでも予備役兵の「動員」が始まった、という噂が流れましたが、実際には、予備役兵になれる条件の男性について、徴兵所が呼び出して、有事の際にすぐに連絡できるように、住所が変更になっていないかといった確認作業にすぎませんでした。
 「赤紙」が来たと徴兵所に行って、恐る恐る「ベラルーシでも動員が始まるんですか。」と尋ねたら「ベラっルーシでは動員はない。」と説明を受けたそうです。

 前からベラルーシでは法律が決まっています。もし、動員のための徴兵を回避すると、それに対する罰は、2 年から 7 年の懲役刑。今のロシアの法律より罰則がましですね。
 また動員ではなく通常の兵役義務(18歳から27歳の男性が対象)を回避すると、罰金刑、または逮捕、あるいは 2 年間までの自由の制限、または同じ期間の懲役を規定しています。
 兵役義務を逃れるためにわざと自傷行為をする、仮病、文書の偽造などを行った場合、5 年以下の自由制限または懲役によって罰せられます。

 ロシア大統領は「(目標の)30万人のうち22万2000人が既に動員済みだ」とアスタナでの会見で述べました。
 今後2週間で30万人完了させる予定だそうです。
 さらに「追加動員は計画されていない」とも述べ、総動員を行うのではないかという予想を否定しました。

 ウクライナとの対話に「われわれは常にオープンだ」と発言しましたが、これも「ウクライナから折れて歩み寄ってきたら、停戦の話し合いをやってもいいよ」という態度です。ウクライナ大統領が、話し合いなんて無理だと頑ななたいどであるのが、よくない。(ロシアは正しい。)と言いたいのでしょう。
 またロシア大統領は「ウクライナを破壊することを(軍事作戦の)目標に掲げていない」とも主張しました。私はそんな冷血ではないというイメージづくりの発言かもしれません。
 占領してロシア領にしました、でもその地は爆撃でボロボロ、これから経済力の落ちたロシアがどうやって復興していくのでしょうか。

 ロシア大統領は記者団に対し、「今は大規模な攻撃の必要はない。今は他の仕事がある」と語りました。よかったです。これからもテロ撲滅のために、どんどんウクライナ爆弾を落としますよという発言よりずっとよいものです。
 ほかの仕事って何でしょうね。
 ロシア大統領によれば。「彼ら(ウクライナ)は徐々に終わりを迎えている」そうなので、大規模爆撃などしなくていいという考えなのかもしれません。


 イケアはロシア国内で雇用している1万2000人の従業員のうち1万人を解雇しました。
 また、フランスの食品大手ダノンは14日、乳製品と植物由来製品部門のロシアからの撤退を明らかにしました。事業は第三者に譲渡するとしていますが、相手は明らかにされていません。ベラルーシで売られているダノンのヨーグルトはロシアの工場で作られて輸入されていたので、これからベラルーシでも食べられなくなりそうです。雇用などはベラルーシには影響ありません。


 動員の後、ロシアからカザフスタンへ100万人が出国・移住したという情報がベラルーシで流れています。どれぐらいこの数字が正確なのかは分かりません。また、男性だけの数字ではありません。
 

 ロシアのベルゴロド市の変電所がウクライナ軍による攻撃を受け、火災が発生したと同州知事が発表しました。市内では大規模な停電が発生しているそうです。

2022年10月13日。ウクライナ侵攻から233日

2022-10-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月13日。

 国連総会(193カ国)は12日の緊急特別会合で、ウクライナ東・南部4州で強行された「住民投票」とロシアへの「併合」は違法だとして非難する決議を143カ国の賛成多数で採択しました。
 反対はロシア、北朝鮮、ベラルーシ、シリア、ニカラグアの5カ国にとどまり、中国やインドなど35カ国は棄権と表明。残りは投票に参加しませんでした。
 予想通りベラルーシは反対票を入れました。

 ベラルーシの今日のニュースは、国内に十分供給できる量の砂糖があるから、国民は買い占めしないように政府当局が呼びかけ。地方都市のデパートが建物ごとオークションにかけられる。ベラルーシ国内の歴史的建造物、工場などが次々と売却されています。全く売れずに値を下げて何度もオークションを繰り返す物件も。

 ロシア・ベラルーシからEU圏へポーランドとの国境を越えて向かう長距離輸送のトラックが、なかなか越境できず、ベラルーシとの国境地帯で長い行列を作っています。


 ロシア政府が併合したとするヘルソン州の知事に任命され親露派のウラジーミル・サリド氏はメッセージアプリのテレグラムに「ヘルソン州のすべての人々に、希望するならば、ミサイル攻撃から身を守るため、他の州に逃げるよう提案した」と投稿しました。
 ヘルソン州ではロケット弾攻撃が増加しており、民間施設が狙われていると主張。
「われわれヘルソン州の人々は知っている。ロシアが自国民を見捨てないことを」
とロシアに住民の避難の援助を訴えています。
 住民の避難先は2014年にロシアが併合したクリミア半島や、ロシア南部になると州民向けに説明しました。
 自分が住んでいる州を勝手にロシア領にされて、その後、危険だからロシアに非難しましょうと言われるウクライナの人たち・・・。
 知事の呼びかけにどのような判断をするか、個々に委ねられています。親露派やロシア系住民は急いでロシアへ逃げるのではないでしょうか。
 

 ウクライナ軍参謀本部は今日、全土40か所以上を、ロシア軍がミサイルなどで攻撃したと発表しました。


 ロシアのベルゴロド州知事はテレグラムに、
「ウクライナ軍がベルゴロド州を砲撃した。グブキン通りの集合住宅が被害を受けた」
と投稿しました。
 これに対してウクライナ大統領府顧問は、自国軍の関与を否定。ロシア軍がウクライナ第2の都市ハルキウを砲撃しようとしたものの、「何らかの不具合」で失敗したとの見方を示しました。
 これが本当だとすると、今までのベルゴロド州への「ウクライナ軍の」攻撃は、実はロシア軍の失敗だったのかもしれない、と考えたとたん、ため息が出ました。

 同知事によると、砲弾が着弾したのは州都ベルゴロド市近郊クラスノエにある学校の校庭付近。生徒は自宅でオンライン授業を受けており、死傷者はいなかったそうです。幸いでした。
 ベルゴロド州の子どもたちも学校へ通学できるような状態ではないのかもしれません。子どもにはコロナだからと説明しているかもしれません。
 一方で同知事は数日前にも、ウクライナ軍が電力施設を砲撃して一時停電が発生し、約2000人に影響が出たと発表していました。停電になっていたら、オンラインの授業もできないではないですか。

 
 ロシアの独立系メディア「バージニエ・イストーリー」は、ウクライナ侵攻におけるロシア軍の死者や行方不明者、戦闘不能になった負傷者らがあわせて9万人以上にのぼる可能性があると報じました。ロシアの情報機関FSB(連邦保安局)の当局者ら2人からもたらされた情報だとしています。
 2月の侵攻当初に投入されたロシア軍の規模が推定15万人だったことを考えると、半分以上です。
 こんな状態で軍を維持できているのか疑問です。予備役兵を30万人投入するようですが、計画通りうまくいくでしょうか。


 ロシアが正式発表です。チェリャビンスク州から動員された予備役兵5人が死亡しました。同州政府は、遺族に対し「必要なあらゆる支援をしていく」とし、兵士1人につき100万ルーブル(約230万円)の支払いを約束しました。
 同州の動員を監督している議員によると12日に、同州から動員された男性が、訓練所で薬物の「過剰摂取」により死亡したことを明らかにしていました。戦死ではないんですね。訓練所にどんな薬物があったのでしょう?
 今月3日の発表によると、スベルドロフスク州でも動員兵3人が死亡。うち1人は心臓発作で死亡、1人は自殺、もう1人はアルコールによる肝硬変で自宅に帰された後に死亡したとされています。もともと肝臓の病気だったのに、動員されていたのでしょうか。心臓発作が死因というのも、発作が起きる原因が訓練中にあったのか、実は戦死なのか、よく分かりません。


 ベラルーシ外務省の統計によると、今年2月末以降、亡命を求めて自発的にベラルーシに入国したウクライナ人が約58,000人に上ったそうです。

2022年10月12日。ウクライナ侵攻から232日

2022-10-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月12日。

 ベラルーシ大統領はタジキスタンの公式訪問を終え、カザフスタンへ向かいました。
 タジキスタンでは、ベラルーシとの経済交流を活発化させ、ベラルーシ製品をアフガニスタンに輸出しようといった話し合いが行われた模様です。
 とにかく旧ソ連諸国の中に複数の友好国を持っておくほうが国の将来のためですね。
 仮定の話ですが、もしロシアでクーデターが起こり、ロシア大統領がモスクワからどこかへ逃亡しないといけなくなったら、やはりベラルーシへ来るでしょうか。
 

 ロシア連邦保安庁は今日、クリミア橋の爆発に関与したとして、ロシア人5人とウクライナ人2人とアルメニア人1人を拘束したと発表しました。「テロ攻撃の首謀者はウクライナ国防省の情報総局だ」と主張しています。
 これから捜査が進むでしょう。


 さらにロシア大統領は今日モスクワで開かれたエネルギー問題をテーマとする露主催の国際会議で、ロシアとヨーロッパを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の損傷について「国際テロだ」とし、「受益者は明白だ。残りのパイプラインはポーランドやウクライナを通過している。米国も自国産ガスを高値で販売できるようになった」と主張しました。
 クリミア大橋を爆破したのは「テロ攻撃だ」として、ウクライナ全土に報復の爆撃をしたロシア大統領が、パイプラインを損傷したのは「テロだ」と言っているのですよ。パイプラインを壊した欧米に報復の爆撃をするつもりなのでしょうか。

 ベラルーシのKGB議長は、ベラルーシの著名人に対するテロ計画が複数あったが、未然に阻止したと発表しました。
 著名人とは誰かといった具体的な情報はありませんでした。


 ベラルーシとウクライナを隔てる国境の両側でそれぞれベラルーシ軍とウクライナ軍が軍事演習をしています。
 またベラルーシ軍の各部隊に対する、有事に備えての点検・確認作業が続いています。即座に戦闘準備に入れるよう準備しておくということでしょう。
 一方でベラルーシ国防相は、ウクライナでの戦争に積極的に参加することを否定しており、
「リトアニア人、ポーランド人、ウクライナ人とは戦いたくない」
と述べています。
 それは国防相が平和主義だから、というより、ベラルーシ軍では人数も装備も弱いことが分かっているからではないでしょうか。
 大人同士の殴り合いの喧嘩に幼児が1人助太刀に加わるようなレベルです。
 ベラルーシ軍は予備役の兵士を足しても、10万人にも満たないレベルです。もともとの人口が少ない上に、2年前から若い世代(兵士の対象となりうる年齢)が20万人以上も国外へ出てしまったので、軍も人手不足なのです。
 人手不足で、国の周りの国境地帯に今はある程度軍を張り付かせておかないといけないので、芋掘りの手伝いに兵士も行けない。だから芋掘りも人手不足になり、それで、大統領自ら、小学生でも芋掘りをしよう、一日に5,6時間の労働は健康にもいい、と発言したわけです。
 ロシア大統領から要請を受けてもとても同意できないし、同意してベラルーシ軍がロシア軍の援軍になっても、大した戦力にならず、戦況には影響がありません。


 ウクライナの外交官で元ベラルーシ大使のロマン・ベススメルトヌイ氏が、ベラルーシの人たちを嫌わないように、独裁者が権力を握っているのは国民のせいではないとキーウに呼びかけていることをベラルーシの独立メディアが報道しています。
 確かにそうなんですが、独裁者に大きな権力を与えてしまったのには、国民にも責任があると私は思っています。
 そしてそうなってしまったのには、やはり独裁政治にも一長一短あるからではないでしょうか。日本も一歩違えば、独裁政治をそれと知らずに選ぶ国民が意外と多いように思います。

 
 ロシアに住んでいるウズベキスタン人(ロシアの国籍は持っていない)にも徴兵の令状が届いているそうです。
 ロシアには多くのベラルーシ人が住んでいるのですが、その人達も動員されてロシア軍に入れられてしまうのでしょうか。


2022年10月11日。ウクライナ侵攻から231日目

2022-10-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月11日。
 ベラルーシは今紅葉がきれいです。
 ウクライナではまた全土でロシア軍による砲撃がありました。

 ベラルーシからロシアに向けて軍装備や兵器が移送されているようです。ロシアから核兵器をベラルーシに配備すると以前話していたのに、今はベラルーシ軍所有の武器をロシアへ渡しているということは、ロシア国内で相当の武器不足が起こっているように思われます。
 もっともベラルーシとロシアでは人口も全く異なり、軍の規模も全く違います。(ベラルーシは海軍はないので海軍用の兵器はないです。)
 武器不足を補うためにベラルーシから持ってきても大した補填にはならないでしょう。
 おそらく、ロシア大統領からベラルーシからも兵士を出せと言われて、いや、ポーランドから攻めてくるのを防御しないといけないから無理ですと断ったら、じゃあ代わりに兵器を出せということになったのでしょう。
 そして、兵器が少ないとポーランドから攻撃されたときに防げない、と言ったら、じゃあロシアの兵士を貸してあげるよ、と言われて、それで合同部隊を作ってみた、というのが昨日の発表だったのではないでしょうか。
 ロシアも動員でこれだけ苦労しているので、1000人しか貸せないと突っぱねたと思います。
 ベラルーシ大統領は「西側からの脅威がある。ポーランドから攻めてくる可能性が高まりつつある。」と繰り返し主張しています。ウクライナがベラルーシに攻めてくるとも言っており、それに対してウクライナ政府は否定。ウクライナ軍にベラルーシを攻撃する余裕はないですよ。
 ともかく、ベラルーシ大統領は、西側が攻めてくる、危ない、諜報機関からの信頼できる情報だ、情報元のことは詳しく言わないけど、と危機感を強調していますが、実はベラルーシ軍がロシア軍に合流しなくてもいいように少々盛って話しているのかもしれません。でもこれで、誰かが傷つくわけでもないし、ベラルーシから軍を出さなくていいので、いい方法です。
 また国民向けには、西側が攻めてきても、絶対に私が国民を守る。そのためにベラルーシ軍がそばにいるし、ロシア兵士1000人も手伝ってくれる。安心しなさい、と頼れる大統領であることをアピールできます。


 ウクライナ大統領は「ロシアがベラルーシを戦争に引きずり込もうとしている」と発言しました。
 そう、ロシアが全て悪いのです、と言いたいのでしょう。でも、ベラルーシに住んでいる者からすると、この発言は正しく聞こえるし、またウクライナがベラルーシを攻撃することはないというメッセージも含まれているのかなと思いました。

 
 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは今日、ザポリージャ原発の副所長が昨日ロシア軍に拉致されたと発表しました。
 今月5日にはロシア大統領はザポリージャ原発をロシアの国有にすることを決定しています。
 そして今日、ロシア大統領はIAEA事務局長と会談し、同原発を巡る状況について「懸念すべきもの」という認識を示しました。


 ドイツはウクライナに、年内に送るとしていた最新鋭の防空システムを急きょ送ることにしました。
 戦況が激化しそうで憂鬱です。


 イギリスのメディアによると動員逃れのために、ロシア人男性8人がヨットに乗ってウラジオストクを出航。韓国に出国しました。
 ロシアの民間ボート会社は黒海を経てトルコに向かう船便も提供しているそうです。クリミア半島からトルコに向かう船の片道客室料金は1400ポンド(約22万5000円)。
 ちなみにクリミア大橋が爆破されたため、クリミア半島からロシア本土へ移動するためにフェリーが増発されています。
 この事故での死者は3人とされていましたが、ロシア当局の発表では1人増えて4人になっています。
 そしてウクライナへ報復の砲撃を行い、120人のウクライナ人が死亡です。
 数の上で多いとか少ないとか、それでいいとか不公平だとか言っても仕方がないのですが・・・
 ともかく今回のロシアのウクライナ侵攻がなかったら、生きていたはずの人たちです。
 

 ロシア生まれの投資家ユーリ・ミルナー氏は2014年にロシア出国後、市民権を放棄したと明らかにしました。
 これで動員されなくてすみますね。やっぱりお金があると助かる可能性が高くなるのかな・・・と思いました。絶対ではないですが。


「おりづるの旅」平和の授業 NHK名古屋

2022-10-11 |   おりづるの旅
 10月11日にNHK名古屋局のニュース番組「まるっと!」で「おりづるの旅」の作者うみのしほさんが20年間続けている平和活動について紹介されました。
 番組の中で、ベラルーシの絵画教室ハーモニーの子どもたちが描いた作品も紹介されました。
 平和教育授業の中で、うみのさんがベラルーシのことも日本の子どもたちに紹介してくださっていることが分かります。
 今まさにロシアとウクライナの戦争にベラルーシが巻き込まれ、多くのベラルーシ人も運命が狂わされようとしています。ウクライナ人はもっと苦しい時間を過ごしています。日本にも全く影響がないわけではなく、世界は離れていてもどこかでつながっているように感じます。

 NHKのリンク先はこちらです。

 視聴できる期間に期限があるそうなので、早めにご視聴ください。

 

2022年10月10日。ウクライナ侵攻から230日目

2022-10-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月10日。今日はミンスクはいい天気でした。

 クリミア大橋が爆発したことに対する報復でしょう。今朝ウクライナ全土でロシア軍によるミサイル攻撃があり、ウクライナ非常事態庁によると、11人が死亡、64人が負傷しました。
 爆発は首都キーウの他、ドニプロ、ビンニツァ、イバノフランコフスク、ザポリージャ、ハルキウ州やスムイ州、リビウなどでも発生し、ロシア大統領は今日の安全保障会議で報復攻撃を行ったと発表しました。今までは「ウクライナのナチス」がウクライナを攻撃していると主張することが多かったのですが、今回は堂々とロシア軍が攻撃したと認めています。認めるだけでなく広く知らしめています。

 ウクライナ軍は今日、ロシア軍の攻撃について、一部はベラルーシから送られたイラン製無人機によるものだったと発表しました。
 キーウのようにベラルーシから近い地域への攻撃はそうである可能性が非常に高いので、ウクライナ軍の発表は正しいと思います。
 ウクライナ大統領はロシアはエネルギー施設を狙ったとしています。

 ウクライナのエネルギー省は、ウクライナは明日からEUに電力を輸出しないと発表しました。
 今日のロシア軍の攻撃は、火力発電所と変電所を直撃し、ウクライナは自国のエネルギーシステムを安定させるために、2022年10月11日から電力の輸出を停止せざるを得なくなった」と、フェイスブックで述べています。 
 ウクライナ国家緊急事態局によると、今回のロシア軍の攻撃により、国内の5つの地域が完全に停電し、他の地域は部分的に停電しました。

 モルドバは1今日、ウクライナを標的としたロシアの巡航ミサイルがモルドバ領空を通過したことを受け、説明を要求するためにロシア大使を呼び出したと発表しました。

 在ウクライナ米大使館は今日、ロシアによるミサイル攻撃を受け、滞在する自国民にウクライナから即時に退避するよう勧告しました。
 これは分かるのですが ポーランドの外務省はツイッターで、
「ベラルーシ領にいるポーランド市民は、商業的および私的な手段でベラルーシを去ることを勧告する。」
と述べました。
 また、現在、ポーランド人はベラルーシに渡航してはならないとも言及しています。今すぐではないですが、どうしてベラルーシから退避すべきとしているのでしょう。


 ベラルーシ大統領は今日、ロシア軍と合同部隊を編成することでロシア大統領と合意したと述べました。
 西側の国境地帯の情勢が悪化しているためとしており、非公式な経路からの情報としたうえで、
「ウクライナがベラルーシに対する攻撃を行う可能性があると警告を受けた」
と主張しています。
 すでに編成作業が2日間に渡って続いているそうです。
 緊張がさらに高まれば、1000人を超すロシア軍部隊のベラルーシ領内での展開を受け入れ、共同で対処すると述べました。
 この1000人のロシア兵というのが全体から見て、多いとは思えません。大統領も合同部隊は、基本はベラルーシ軍兵士で構成される、つまりロシア兵は補助的であり、あくまでベラルーシ軍が主体であると強調しています。

 このニュースが流れた途端、ベラルーシも参戦か? 動員が始まるのか?という憶測が流れ、国民に動揺が広がりました。特に動員対象になる年齢の男性の間で不安の声が上がっています。(大きな声ではありませんが。)
 しかし、ロシアの下院防衛委員会長は、この合同部隊はロシアの特別軍事作戦に参加する必要はないと思うと述べました。
 ポーランド軍がベラルーシの国境近くに「要塞」を次々と設置しているため、その動きに対応するための合同部隊であるにすぎないそうです。

 ベラルーシ大統領は軍幹部との会合で、
「ベラルーシの過激派に国内で破壊工作やテロ攻撃を行わせ、軍事的反乱を組織させるための訓練がポーランド、リトアニア、ウクライナで行われており、直接的な脅威になっている。」
と発言しました。
 また、アメリカやEUがベラルーシからの出国者(反政府派)を政治勢力にするために保護しており、破壊分子への支援を大幅に増やし、西側国境での状況を悪化させてベラルーシ国境に第二戦線を開くことを計画していると主張しました。


2022年10月9日。ウクライナ侵攻から229日目

2022-10-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月9日。

 昨日爆破されたクリミア大橋についてウクライナ側は爆発したトラックがロシア側から入っていたため、ロシア側の関与を示唆しました。

 ロシア政府当局は爆発の責任はウクライナ側にあると断定するには至っていません。しかしクリミア半島の当局者はウクライナの破壊者によるものだと発言。そして今夜、ロシア大統領もウクライナの特別工作員によるテロ攻撃だと厳しく非難しました。


 ザポリージャ市では今日、9階建ての集合住宅などにロシア側から相次いでミサイル攻撃があり、少なくとも13人が死亡、子供10人を含む87人がけがをしました。行方不明者もいるようです。
 クリミア大橋が爆破されたことへの報復でしょう。

 動員逃れのためにロシアを出国した男性のうち、キルギスへ逃れてきた人が増えているそうです。

 キルギスタン国防省は、CSTO平和維持軍との演習をキャンセルしました。
 ロシア離れの傾向であると言えるかもしれません。金曜日のロシア大統領誕生日に合わせたCIS非公式サミットにキルギス大統領は出席していませんでした。
 しかし、ロシア大統領報道官によると、ロシア大統領とキルギス大統領は、なぜかカザフスタンのアスタナで11月に首脳会談を行うことに合意しました。

2022年10月8日。ウクライナ侵攻から228日目

2022-10-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月8日。 
 午前6時ごろクリミア半島東部とロシア本土を結ぶクリミア大橋の上で爆発が起きました。
 ロシアメディアによるとクリミア大橋の上でトラックが爆発し、燃料タンクを積んだ貨物列車へと引火して火が広がったということです。
 ロシア側の地元当局は爆発は「ウクライナの破壊者」が引き起こしたものだとしています。
 ロシア大統領は原因を調査するよう指示したと報じています。
 ウクライナ側はポドリャク大統領府顧問がツイッターで、爆発は「始まり」にすぎないと投稿。ウクライナが関与したかどうかには直接言及しませんでした。
 しかし「違法なものはすべて破壊されなければならず、盗まれたものはすべてウクライナに返されなくてはならない。」
と述べました。ウクライナ側としてはこう発言するだろうなあと思いました。

 死亡した人は3人で、爆発したトラックの近くにいた車の乗客とみられています。海中から遺体が発見されました。
 爆発したトラックはロシアのクラスノダール州の住人所有のトラックだったそうです。

 ロシア運輸省は今日の午後7時前には、クリミア大橋の車道のうち片方の車線で車両の通行は復旧したとメディアで報道されました。
 大した損害は受けていないということでしょうか。


 クリミア半島にある療養所「ベラルシヤ」には現在200人のベラルーシ人が滞在していますが、クリミア大橋が大きく損傷したため、帰国できなくなってしまいました。
 クリミア自治共和国のセルゲイ・アクショーノフ長官は、クリミア半島にいるすべての観光客は、ホテルでの滞在を1日無料で延長されると述べました。ロストツーリズムはまた、クリミアのホテルで滞在中の観光客は、滞在を無料で延長できるようホテル業界に要請しました。
 今、滞在期間が終わっても、クリミア大橋を使っての帰国はできないので、当然の対応策です。
 ベラルシヤでもそのように対処するそうで、滞在中のベラルーシ人は文句も言わずおとなしくしているそうです。文句を言っても橋が直るわけでもありません。
 このうちすでに滞在期間が終わった24人のグループは12日にバスで移動し、フェリーに乗ってクリミア半島を離れてロシアへ。そこからベラルーシへ帰国する予定だそうです。


 ベラルーシの国営メディアは、ロシア軍がザポリージャ州でウクライナ軍外国人部隊160人を殺害したと報道しています。

 
 ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは今日、ロシア軍に占拠されているザポリージャ原発が砲撃の再開を受け、外部電源が喪失したと明らかにしました。原子炉の冷却などのため非常用のディーゼル発電機が起動しているということです。


 ウクライナ侵攻に反対を表明し、イスラエルへ出国したロシアの国民的歌手、アーラ・プガチョワの孫が所在不明になっています。
 プガチョワには子どもが5人おり、長女は歌手のクリスティーナ・オルバカイテ。数週間前、オルバカイテは夫ともにロシアからアメリカに出国しました。
 オルバカイテは3回結婚しており、それぞれ1人ずつ子どもが生まれています。
 1回目の結婚相手は歌手のウラジーミル・プレスニャコフで、生まれた長男ニキータ・プレスニャコフはアーティストで31歳。今回の動員の対象となっており、決まっていた出演予定だった劇場でのオファーを全てキャンセル。所在不明になっていましたが、アメリカへ妻と一緒に出国していたことが昨日分かりました。
 オルバカイテの二人目の夫との間に生まれたのが、次男デニー・バイサロフで24歳。兄と同様に動員の対象となりました。このデニーは、イギリスで教育を受けていたのですが、ロシアに帰国。16歳でチェチェン共和国の士官候補生用の軍事訓練校で学んでいました。動員の対象になるのは当然ですね。祖母は戦争に反対していますが。ただ父親はチェチェン共和国出身のビジネスマンです。
 デニーは一ヶ月前にSNS上での交流や投稿を停止。現在所在不明となっています。この人は祖母や母のように外国に出国した可能性より、徴兵された可能性のほうが高そうです。
 さらにオルバカイテの3人目の夫との間に娘が生まれていますが、おそらくこの3人家族はそろってアメリカへ出国したはずです。
 戦争に反対しているプガチョワ自身も、夫も子どももすでにロシアには住んでおらず(子どものうち2人は夫に引き取られてロシア在住。)、孫のうち、男の孫二人は所在不明です。



2022年10月7日。ウクライナ侵攻から227日目

2022-10-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月7日。
 
 今年のノーベル平和賞はウクライナ・ロシア・ベラルーシの3か国で活動してきた2団体・1個人への共同での授賞となりました。
 ベラルーシ人授賞者は、人権擁護団体で「ビャスナ」代表のアレシ・ビャリャツキー氏。
 同センターは、1999年にベラルーシで登録されました。2001 年の大統領選挙中に活動の違反があったとされ、ベラルーシ最高裁判所の決定により2003年10月登録が取り消されました。
 その後も再登録しようとしたもののベラルーシ司法省は、登録を拒否。その結果ベラルーシの人権擁護団体なのに、海外で登録されました。2011年、代表のビャリャツキー氏は拘留され、税法違反の有罪判決が出ました。 その後2014年に仮釈放されました。
 そして2020年8月のベラルーシ大統領選挙。同じ年の11 月、同センターのWebサイトはブロックされました。反政府活動をして逮捕された人たちの人権を擁護したためです。革命を起こそうとしたとして逮捕、有罪判決が出た日本人男性についてもこのセンターのサイトで紹介されています。
 2021年7月にビャリャツキー氏は再び拘留されました。公序良俗に著しく違反するグループ行動の組織と資金提供および脱税の罪で今年中に裁かれる予定です。
 とこのような状況下でのノーベル賞受賞です。ご本人は知っているのでしょうか。
 弁護士が伝えてくれるのでしょうか。
 ノーベル賞を受賞しても、それで裁判が中止するわけでもなく、授賞式には出席できそうにありません。


 ロシアも人権団体「メモリアル」、ウクライナも人権団体「市民自由センター(CCL)」と、三国の人権団体と個人がそろって平和賞をに受賞しました。

 一方でウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターで「ノーベル賞委員会は『平和』という言葉に興味深い理解を有している」と皮肉り、「ロシアやベラルーシの組織は戦争に抵抗できない。今年の賞はむちゃくちゃだ」と感想を述べました。自分の国に攻め入った国でも受賞者がいるのが気に入らないのでしょう。
 ノーベル賞の選考委員会でも、このような反発が出るのは予想済みで、決定したと思います。

 ウクライナの市民自由センターの代表はフェイスブックに「うれしい」と書き込み、共同受賞についても前向きな姿勢を示しています。


 ロシア大統領は今日が70歳の誕生日。ノーベル賞のニュースに今の所沈黙していますが、ベラルーシの大統領も沈黙しています。
 ちなみにベラルーシ大統領は誕生日プレゼントに商品券をロシア大統領にあげました。

 ベラルーシ外務省の報道官は今日、
「近年のノーベル賞委員会の決定の多くは政治化されている。(創設者の)ノーベルはこの決定に墓で背を向けているだろう」
と批判しました。


 ロシアは今日、ロシアによるウクライナ侵攻を「大惨事であり犯罪」だと非難した人気のラップ歌手オクシミロンさんを「外国のエージェント」つまりスパイに指定しました。現在は国外に逃れているそうです。

 ロシアの人気SF作家で、小説「メトロ2033」が有名なドミトリー・グルホフスキー氏も「外国の代理人」に指定されました。「戦争をやめろ!」といったウクライナ侵攻を批判する声明を繰り返し発表し、ロシア軍の「信用を傷つけた」としてすでに今年6月逮捕状が出されています。現在、外国に滞在中で、逮捕されていません。


 昨日、ロシア人2名が徴兵を逃れてボートでアメリカのアラスカ州に渡り、難民申請を行ったことが明らかになりました。

 ロシアで動員され、訓練地あるいはウクライナ前線に送られた予備役兵の間でコロナが流行っているという情報もあります。

 ショイグ国防相の出身地であるトゥワ共和国では、動員された男性の家族に対し、石炭や生きた羊の支給が始まりました。
 サハリン州では与党、統一ロシアの地方幹部が、動員された男性の家族に5~6キロの魚を支給すると明らかにしました。 

2022年10月6日。ウクライナ侵攻から226日目

2022-10-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月6日。
 ベラルーシはやや気温が上がりました。しかし曇り空で天気がずっと悪いような感覚です。

 ベラルーシ大統領は今日、つまり10月6日から、ベラルーシ国内の物価の引き上げを禁止しました。
 明日からではなく、いきなり今日からです。インフレ対策と思われます。
 このようにベラルーシではもともと国が価格統制を行っており、大統領の鶴の一声で1秒で物価が決定されます。
 一応今月20日までに、政府の担当局が集まって試算をするそうですが、大統領は価格を抑える(価格凍結)どころが下げるよう指示しています。どうなることか。あくまで私の予想ですが、今までも、ベラルーシでは実際の価格と乖離した価格の2種類が存在していました・・・という状況があったので、それを考慮に入れると、おそらくベラルーシには闇市場、もう一つの市場で出回る商品と通常の市場の2つができ、企業は二重会計をし、あるいは、ある日突然「いや実はこれが本当の価格なんですよ。」と真実を明らかにする、つまり一気にハイパーインフレが起こり、正しい価格に追いつく(社会はとても混乱する。)ということになりそうです。現実に戻されたときの反動が心配です。


 ベラルーシで8000人を越える受刑者が大統領から恩赦を受ける可能性が出てきました。2020年の大統領選挙後、反政府活動のため逮捕、有罪判決を受けた人も対象だそうです。


 ロシアに編入されたばかりのザポリージャがロシア軍の攻撃を受け、少なくとも2人が死亡、5人が行方不明になりました。
 ザポリージャ州知事はロシア軍が攻撃したとしていますが、そうすると「ロシア領になった町にロシアが攻撃するのはおかしいでしょ? 当然ウクライナ軍の攻撃ですよ。」とロシア軍は否定するでしょう。

 
 今朝、ロシアのTu-22 M3戦略機4機がベラルーシ領空からウクライナのクメルヌィツキー州のシェペティフカ地区へ攻撃しました。2発のうち1発はインフラ施設の近くに落下。もう1発は荒れ地へ。損傷は軽微で、死傷者の報告もありません。このような形で確かにベラルーシはロシアの特別軍事作戦に参加していますね。


 ベラルーシ大統領は明日サンクトペテルブルグへ向かいます。明日はロシア大統領の70歳の誕生日。積極的な戦闘参加を求められるのかもしれません。

 
 
 

2022年10月5日。ウクライナ侵攻から225日目

2022-10-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月5日。ミンスクは雨が上がりました。

 ロシア大統領が署名をしてウクライナ東・南部4州を併合する全ての手続きを完了させました。一方で境界線(国境)は確定していません。
 すぐにウクライナ大統領はロシア大統領との交渉を「不可能」とする法令が施行されたと明らかにしました。

 ロシアのジャーナリストらが国営テレビの番組に出演して、ロシア軍が苦戦していると報道し始めました。政府お抱えジャーナリストがほとんどの国で、このような事態にまでなっているとは深刻です。

 ロシアの下院国防委員会の委員長を務めるカルタポロフ氏も、国営テレビ局の司会者に対し、
「われわれはうそをつくのをやめなければならない」
と発言しました。他にも
「ロシア国防省の報告は変わらない。だが国民は知っている。われわれの国民はばかではない」「(政府や軍は)信用を失うことにもなりかねない」
と述べました。
 第2次世界対戦中に日本のマスコミが、あちこちで日本軍が勝利しているという報道をし続けていたのとは対照的にロシアでは、いよいよ国営テレビで、自国軍の非を認めるところまできています。

 自宅軟禁中、脱走して行方不明になった元ロシア国営テレビ職員のオフシャンニコワさんが、自らのSNSに動画を投降。
「尊敬する連邦刑務所の皆様、このブレスレット(足の電子監視)をプーチンにつけてください。ウクライナ国民の大量虐殺と(部分的動員による)ロシア人男性を大量に殺りくする罪で、私ではなく彼を起訴すべきです。」
と発言しています。
 自宅軟禁されると、ただ閉じ込められるだけではなく、こんな機械を足首に装着させられるんですね・・・。
 そしてこんな物を付けられているのに、自宅から逃げ出したことに気づかないロシアの警察・・・。
 SNSに動画投稿していますが、今のところまだ所在不明のままのようです。


 昨日の投稿で、ザポリージャ原発の所長がロシア軍に連行されて所在不明になったけれえど、家族の元に戻ったことが確認できてよかった・・・と書き込みましたが、どうやら、拘束されていたときに、所長がウクライナの情報機関と関係を持ち、原発の破壊工作に関わっていたことを「自白した」ことになっていますね。
 この所長は「責任をとって」退任することを意向しています。
 
 ロシア大統領は今日、ザポリージャ原発をロシアの国有資産と位置づける大統領令に署名しました。ザポリージャ州がすでにロシア領に併合されましたから、当然このように考え出すでしょう。


 チェチェン共和国首長のカディロフ氏が大佐に昇進しました。10代の息子三人を前線に送って戦わせると表明したのがよかったのでしょうか。これからロシア軍で、ますます発言力を増しそうです。10代の息子三人を前線に送って戦わせると表明したのがよかったのでしょうか。
 

 ウラジオストクで日本領事が拘束され、国外追放になったのを受けて、日本外務省も札幌のロシア領事館員1人に国外退去を命じましたが、ロシアではリトアニア臨時代理大使が国外追放されました。


 動員を避けるため、ベラルーシへ逃げたロシア人も急増しており、ベラルーシの賃貸アパートの家賃が3割ほど高くなっているそうです。
 もっともベラルーシからどこか第三国を目指すロシア人のほうが多いようです。
 ロシアの隣接した国へ逃れたロシア人も第三国を目指しており、最近はインドへ移動したロシア人が増えているらしいです。でもその後またどこかへ行くかもしれないし、これではさまよえるロシア人です。
 出国したロシア人の数は20万人とも70万人とも言われています。
 そしてウクライナ南部のクリミア半島から、トルコへ逃れるウクライナ人住民が増えています。

 ロシアはベラルーシ国内にある2つの軍事基地を継続して使用することでベラルーシ側と合意しました。これから25年間の使用期間が定められました。
 今、ロシアがこの軍事基地を手放すわけがありません。それに対して、「ああ、いいですよ。」と対応しているベラルーシが今回の特別軍事作戦に参加していると認めているのは当然なのかもしれません。

 
 国際ボクシング協会が、ほとんどの試合で出場停止となっているロシアとベラルーシの選手の試合復帰を訴えました。
 それが認められても、ロシアの男性選手は動員対象になっていますよね。

2022年10月4日。ウクライナ侵攻から224日目

2022-10-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月4日。今日もミンスクは午後から雨です。

 ベラルーシ大統領は今日、ロシアによるウクライナ侵攻にベラルーシは参加していると認める発言をしました。このタイミングで認めたのはなぜでしょう。
 一方で「誰も殺していないし、どこにも兵士を送っていない」とも述べています。
 ロシアから、ベラルーシからも兵を出すようしつこく要請されているのでは・・・と思います。
 さらにベラルーシから動員はしないと改めて強調。国民の間で動揺が広がらないように配慮しています。
 ベラルーシ兵士は確かにウクライナ領内に侵入していません。ただ、ロシアで動員されたロシア兵2万人がベラルーシ領内の軍事基地で訓練を受けているという噂が流れています。そういう意味ではベラルーシも参加していると言えます。訓練そのものでなくても、ロシア兵士のための食事の調達や寝る所の提供をしているわけですから。

 またベラルーシ大統領は、
「私たちの参加は、ベラルーシ領内での紛争の拡大を防ぎ、ポーランド、リトアニア、ラトビアからのベラルーシへの攻撃を防ぐためのものだ。ベラルーシ領からロシアを背後を撃つ者は誰もいない。」
と発言。ロシアを外敵から守っているという立場を強調しています。

 ベラルーシ大統領は「動員はしません。」と繰り返していましたが、いつでも徴兵できるのか確認すると発言しました。
 部分的動員を行ったロシアのケースをよく参考にし、学ぶべきところは学ぶよう徴兵責任者に指示しました。
 つまり、動員はしないといながらも、もし動員を行うとなったら、迅速に徴兵できるよう、今から準備しておくように指示したということです。
 またベラルーシ大統領は、ロシアの今回の部分的動員について、起こった問題についてはあれこれ言わず、実際に起こった事実だけを吟味して、ベラルーシ軍の教訓とすべきと話しました。
 ロシアで起こった問題について、召集令状が届いたとき、動員対象者は、ロシアからどこかへ出国していたり、病気になったり、死んでいたりした。これらを事実として、ベラルーシでどのように動員するか、参考にすべきということです。


 ロシア国防相は今日、部分動員令発出後「本日までに20万人以上が軍に加わった」と述べました。あと10万人ですね。


 ロシア軍によりどこかへ連行されて所在不明だったザポリージャ原発の所長が開放されて、家族の元に戻ったとIAEAが発表しました。良かったです。


 徴兵対象年齢に当たる男性は全員出国できないウクライナ。そのうち4州がロシア領に編入されたので、出国できるようになりました。
 その代わり、ロシアの部分的動員の対象になり、今すぐ徴兵される可能性が出てきたので、さらに第3国へ出国する動きが出ています。