ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年10月12日。ウクライナ侵攻から232日

2022-10-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月12日。

 ベラルーシ大統領はタジキスタンの公式訪問を終え、カザフスタンへ向かいました。
 タジキスタンでは、ベラルーシとの経済交流を活発化させ、ベラルーシ製品をアフガニスタンに輸出しようといった話し合いが行われた模様です。
 とにかく旧ソ連諸国の中に複数の友好国を持っておくほうが国の将来のためですね。
 仮定の話ですが、もしロシアでクーデターが起こり、ロシア大統領がモスクワからどこかへ逃亡しないといけなくなったら、やはりベラルーシへ来るでしょうか。
 

 ロシア連邦保安庁は今日、クリミア橋の爆発に関与したとして、ロシア人5人とウクライナ人2人とアルメニア人1人を拘束したと発表しました。「テロ攻撃の首謀者はウクライナ国防省の情報総局だ」と主張しています。
 これから捜査が進むでしょう。


 さらにロシア大統領は今日モスクワで開かれたエネルギー問題をテーマとする露主催の国際会議で、ロシアとヨーロッパを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の損傷について「国際テロだ」とし、「受益者は明白だ。残りのパイプラインはポーランドやウクライナを通過している。米国も自国産ガスを高値で販売できるようになった」と主張しました。
 クリミア大橋を爆破したのは「テロ攻撃だ」として、ウクライナ全土に報復の爆撃をしたロシア大統領が、パイプラインを損傷したのは「テロだ」と言っているのですよ。パイプラインを壊した欧米に報復の爆撃をするつもりなのでしょうか。

 ベラルーシのKGB議長は、ベラルーシの著名人に対するテロ計画が複数あったが、未然に阻止したと発表しました。
 著名人とは誰かといった具体的な情報はありませんでした。


 ベラルーシとウクライナを隔てる国境の両側でそれぞれベラルーシ軍とウクライナ軍が軍事演習をしています。
 またベラルーシ軍の各部隊に対する、有事に備えての点検・確認作業が続いています。即座に戦闘準備に入れるよう準備しておくということでしょう。
 一方でベラルーシ国防相は、ウクライナでの戦争に積極的に参加することを否定しており、
「リトアニア人、ポーランド人、ウクライナ人とは戦いたくない」
と述べています。
 それは国防相が平和主義だから、というより、ベラルーシ軍では人数も装備も弱いことが分かっているからではないでしょうか。
 大人同士の殴り合いの喧嘩に幼児が1人助太刀に加わるようなレベルです。
 ベラルーシ軍は予備役の兵士を足しても、10万人にも満たないレベルです。もともとの人口が少ない上に、2年前から若い世代(兵士の対象となりうる年齢)が20万人以上も国外へ出てしまったので、軍も人手不足なのです。
 人手不足で、国の周りの国境地帯に今はある程度軍を張り付かせておかないといけないので、芋掘りの手伝いに兵士も行けない。だから芋掘りも人手不足になり、それで、大統領自ら、小学生でも芋掘りをしよう、一日に5,6時間の労働は健康にもいい、と発言したわけです。
 ロシア大統領から要請を受けてもとても同意できないし、同意してベラルーシ軍がロシア軍の援軍になっても、大した戦力にならず、戦況には影響がありません。


 ウクライナの外交官で元ベラルーシ大使のロマン・ベススメルトヌイ氏が、ベラルーシの人たちを嫌わないように、独裁者が権力を握っているのは国民のせいではないとキーウに呼びかけていることをベラルーシの独立メディアが報道しています。
 確かにそうなんですが、独裁者に大きな権力を与えてしまったのには、国民にも責任があると私は思っています。
 そしてそうなってしまったのには、やはり独裁政治にも一長一短あるからではないでしょうか。日本も一歩違えば、独裁政治をそれと知らずに選ぶ国民が意外と多いように思います。

 
 ロシアに住んでいるウズベキスタン人(ロシアの国籍は持っていない)にも徴兵の令状が届いているそうです。
 ロシアには多くのベラルーシ人が住んでいるのですが、その人達も動員されてロシア軍に入れられてしまうのでしょうか。


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