ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年10月10日。ウクライナ侵攻から230日目

2022-10-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月10日。今日はミンスクはいい天気でした。

 クリミア大橋が爆発したことに対する報復でしょう。今朝ウクライナ全土でロシア軍によるミサイル攻撃があり、ウクライナ非常事態庁によると、11人が死亡、64人が負傷しました。
 爆発は首都キーウの他、ドニプロ、ビンニツァ、イバノフランコフスク、ザポリージャ、ハルキウ州やスムイ州、リビウなどでも発生し、ロシア大統領は今日の安全保障会議で報復攻撃を行ったと発表しました。今までは「ウクライナのナチス」がウクライナを攻撃していると主張することが多かったのですが、今回は堂々とロシア軍が攻撃したと認めています。認めるだけでなく広く知らしめています。

 ウクライナ軍は今日、ロシア軍の攻撃について、一部はベラルーシから送られたイラン製無人機によるものだったと発表しました。
 キーウのようにベラルーシから近い地域への攻撃はそうである可能性が非常に高いので、ウクライナ軍の発表は正しいと思います。
 ウクライナ大統領はロシアはエネルギー施設を狙ったとしています。

 ウクライナのエネルギー省は、ウクライナは明日からEUに電力を輸出しないと発表しました。
 今日のロシア軍の攻撃は、火力発電所と変電所を直撃し、ウクライナは自国のエネルギーシステムを安定させるために、2022年10月11日から電力の輸出を停止せざるを得なくなった」と、フェイスブックで述べています。 
 ウクライナ国家緊急事態局によると、今回のロシア軍の攻撃により、国内の5つの地域が完全に停電し、他の地域は部分的に停電しました。

 モルドバは1今日、ウクライナを標的としたロシアの巡航ミサイルがモルドバ領空を通過したことを受け、説明を要求するためにロシア大使を呼び出したと発表しました。

 在ウクライナ米大使館は今日、ロシアによるミサイル攻撃を受け、滞在する自国民にウクライナから即時に退避するよう勧告しました。
 これは分かるのですが ポーランドの外務省はツイッターで、
「ベラルーシ領にいるポーランド市民は、商業的および私的な手段でベラルーシを去ることを勧告する。」
と述べました。
 また、現在、ポーランド人はベラルーシに渡航してはならないとも言及しています。今すぐではないですが、どうしてベラルーシから退避すべきとしているのでしょう。


 ベラルーシ大統領は今日、ロシア軍と合同部隊を編成することでロシア大統領と合意したと述べました。
 西側の国境地帯の情勢が悪化しているためとしており、非公式な経路からの情報としたうえで、
「ウクライナがベラルーシに対する攻撃を行う可能性があると警告を受けた」
と主張しています。
 すでに編成作業が2日間に渡って続いているそうです。
 緊張がさらに高まれば、1000人を超すロシア軍部隊のベラルーシ領内での展開を受け入れ、共同で対処すると述べました。
 この1000人のロシア兵というのが全体から見て、多いとは思えません。大統領も合同部隊は、基本はベラルーシ軍兵士で構成される、つまりロシア兵は補助的であり、あくまでベラルーシ軍が主体であると強調しています。

 このニュースが流れた途端、ベラルーシも参戦か? 動員が始まるのか?という憶測が流れ、国民に動揺が広がりました。特に動員対象になる年齢の男性の間で不安の声が上がっています。(大きな声ではありませんが。)
 しかし、ロシアの下院防衛委員会長は、この合同部隊はロシアの特別軍事作戦に参加する必要はないと思うと述べました。
 ポーランド軍がベラルーシの国境近くに「要塞」を次々と設置しているため、その動きに対応するための合同部隊であるにすぎないそうです。

 ベラルーシ大統領は軍幹部との会合で、
「ベラルーシの過激派に国内で破壊工作やテロ攻撃を行わせ、軍事的反乱を組織させるための訓練がポーランド、リトアニア、ウクライナで行われており、直接的な脅威になっている。」
と発言しました。
 また、アメリカやEUがベラルーシからの出国者(反政府派)を政治勢力にするために保護しており、破壊分子への支援を大幅に増やし、西側国境での状況を悪化させてベラルーシ国境に第二戦線を開くことを計画していると主張しました。


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