ベラルーシの部屋ブログ

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2022年10月7日。ウクライナ侵攻から227日目

2022-10-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年10月7日。
 
 今年のノーベル平和賞はウクライナ・ロシア・ベラルーシの3か国で活動してきた2団体・1個人への共同での授賞となりました。
 ベラルーシ人授賞者は、人権擁護団体で「ビャスナ」代表のアレシ・ビャリャツキー氏。
 同センターは、1999年にベラルーシで登録されました。2001 年の大統領選挙中に活動の違反があったとされ、ベラルーシ最高裁判所の決定により2003年10月登録が取り消されました。
 その後も再登録しようとしたもののベラルーシ司法省は、登録を拒否。その結果ベラルーシの人権擁護団体なのに、海外で登録されました。2011年、代表のビャリャツキー氏は拘留され、税法違反の有罪判決が出ました。 その後2014年に仮釈放されました。
 そして2020年8月のベラルーシ大統領選挙。同じ年の11 月、同センターのWebサイトはブロックされました。反政府活動をして逮捕された人たちの人権を擁護したためです。革命を起こそうとしたとして逮捕、有罪判決が出た日本人男性についてもこのセンターのサイトで紹介されています。
 2021年7月にビャリャツキー氏は再び拘留されました。公序良俗に著しく違反するグループ行動の組織と資金提供および脱税の罪で今年中に裁かれる予定です。
 とこのような状況下でのノーベル賞受賞です。ご本人は知っているのでしょうか。
 弁護士が伝えてくれるのでしょうか。
 ノーベル賞を受賞しても、それで裁判が中止するわけでもなく、授賞式には出席できそうにありません。


 ロシアも人権団体「メモリアル」、ウクライナも人権団体「市民自由センター(CCL)」と、三国の人権団体と個人がそろって平和賞をに受賞しました。

 一方でウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターで「ノーベル賞委員会は『平和』という言葉に興味深い理解を有している」と皮肉り、「ロシアやベラルーシの組織は戦争に抵抗できない。今年の賞はむちゃくちゃだ」と感想を述べました。自分の国に攻め入った国でも受賞者がいるのが気に入らないのでしょう。
 ノーベル賞の選考委員会でも、このような反発が出るのは予想済みで、決定したと思います。

 ウクライナの市民自由センターの代表はフェイスブックに「うれしい」と書き込み、共同受賞についても前向きな姿勢を示しています。


 ロシア大統領は今日が70歳の誕生日。ノーベル賞のニュースに今の所沈黙していますが、ベラルーシの大統領も沈黙しています。
 ちなみにベラルーシ大統領は誕生日プレゼントに商品券をロシア大統領にあげました。

 ベラルーシ外務省の報道官は今日、
「近年のノーベル賞委員会の決定の多くは政治化されている。(創設者の)ノーベルはこの決定に墓で背を向けているだろう」
と批判しました。


 ロシアは今日、ロシアによるウクライナ侵攻を「大惨事であり犯罪」だと非難した人気のラップ歌手オクシミロンさんを「外国のエージェント」つまりスパイに指定しました。現在は国外に逃れているそうです。

 ロシアの人気SF作家で、小説「メトロ2033」が有名なドミトリー・グルホフスキー氏も「外国の代理人」に指定されました。「戦争をやめろ!」といったウクライナ侵攻を批判する声明を繰り返し発表し、ロシア軍の「信用を傷つけた」としてすでに今年6月逮捕状が出されています。現在、外国に滞在中で、逮捕されていません。


 昨日、ロシア人2名が徴兵を逃れてボートでアメリカのアラスカ州に渡り、難民申請を行ったことが明らかになりました。

 ロシアで動員され、訓練地あるいはウクライナ前線に送られた予備役兵の間でコロナが流行っているという情報もあります。

 ショイグ国防相の出身地であるトゥワ共和国では、動員された男性の家族に対し、石炭や生きた羊の支給が始まりました。
 サハリン州では与党、統一ロシアの地方幹部が、動員された男性の家族に5~6キロの魚を支給すると明らかにしました。 

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