厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2012年89冊目『朝60分で部下が変わる!』

2012-06-30 22:15:40 | おすすめビジネス書
朝60分で部下が変わる 朝60分で部下が変わる
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-06-21

評価  (3点/5点満点)

上司と部下とのコミュニケーション・ギャップというのはビジネスにおいて永遠のテーマです。その問題に対し何をするべきか・・・ベストセラー「怒らない技術」の著者・嶋津良智さんが「60分の朝会」を本書で提案しています。

毎朝仕事が始まる前に、朝食を取りながら、部下と1対1で話をする。決め事ごとはこれだけで、仕事の話でもいいし、全然関係ない趣味の話やプライベートの話でもいい。大事なのは、2人で直接話をすること、同じ時間を共有することです。

60分の朝会だけでなく、効果的な「ホウ・レン・ソウ」の方法など、上司として部下とどうコミュニケーションを取って、チームパワーを最大化させるか、そのノウハウがふんだんに盛り込まれています。

部下とコミュニケーションをするということは、上司として自分のメッセージを出していくということ。部下を育てたいという、真剣な気持ちがその土台に必要なのではないでしょうか。

【my pick-up】

◎合わない部下とどううまくやるか

普通に、ほかの部下と同じように接する。顔を合わせたら、「どうよ、最近」と声をかける。ただ、それだけです。気が合う、合わないを、相手に伝える必要はありません。

部下とコミュニケーションを取るというのは、自分に課した自分へのルールです。ルールを守ればいいだけです。なお、私の経験上、気の合わない部下とは「短くていいので接触回数を増やす」のが、うまくコミュニケーションを取るコツです。

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2012年88冊目『がんばる人ほど老化する』

2012-06-28 11:11:08 | おすすめビジネス書
がんばる人ほど老化する―ストレスをかわす技術 がんばる人ほど老化する―ストレスをかわす技術
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2011-11-15

評価  (3点/5点満点)

本書は、サイエンス作家の竹内薫さんが、現代日本人が抱えるストレスとどう付き合えばいいのか、以下の4人の方にインタビューをしたものです。

村上和雄氏(分子生物学者・筑波大学名誉教授)

 自然な笑いが病を跳ね返す-健康の遺伝子をONにする

堀江重郎氏(帝京大学医学部付属病院 泌尿器科主任教授)

 男性ホルモンが老化を防ぐ-35歳からの更年期に備える

生田哲氏(薬学博士)

 慢性ストレスを運動で分断する-脳とエクササイズの関係

名越康文氏(精神科医)

 怒りとの上手な付き合い方-負の感情を連鎖させない

ストレス解消法のいろいろな切り口が理解できます。怒りをコントロールし、笑って、ホルモンを増やして、脳科学的な見地からストレスを解消すれば、人生は大きく変わります。ストレスを解消するには、行動すること。人生が変わるとは、自然とチャンスがめぐってくるという意味です。

まずは、自分が抱えているストレスの原因に気づきましょう。そのためには、本書のようにさまざまな原因を学び、「これって自分にもあてはまるのでは・・・?」と思うところからです。

【my pick-up】

◎〝縄張り〟や〝やりがい〟を失うと男性ホルモンが減る

今、増えているのがフリーアドレスの犠牲者だという。フリーアドレスとは、社員が個々のデスクを持たず、おのおの図書館の閲覧室のように空いている席に座って仕事をするオフィス形態である。昨今、フリーアドレスを採用する企業が増えている。

自分のデスクが定められていない職場は、男性にとって〝自分のテリトリーを主張しづらい場所〟です。特に40~50代の男性管理職は、席の位置やデスクのグレードによって、自らの地位や権威を主張することができません。そこへ加齢とともにテストステロンが減少したり、体調不良が重なると最悪です。一気にバランスを崩して、病気になってしまうケースが増えています。男性は汚くてもゴミだらけでも、自分の居場所がないとダメなんです。極端な言い方をすれば、フリーアドレスは男性を殺す職場かもしれません。

しかし、フリーアドレスでも自分の定位置(縄張り)を確保することは可能だ。いつも同じデスクを占有して仕事をすればいいのである。もちろんそのためには、誰よりも早く出社してデスクを確保する必要があるだろう。

◎仕事あるいはプライベートで縄張りを確保しよう

1日のサイクルのなかでは、朝のうちは男性ホルモンが多く、夕方から夜にかけて男性ホルモンは減少するという。朝だったら会社で叱られても、気を取り直してがんばることが可能だが、夕方や夜に叱られると、気力が萎えてしまう。

したがって、会社のストレスは朝のうちに済ませるに越したことはない。当然、部下を叱るのも朝にすべきだ。ちなみに、男性ホルモンは〝褒められる〟と増えることも分かっているというから、叱られる(叱る)のは朝のうち、退社前には褒められる(褒める)ように努力することも一つの手である。

◎エクササイズがストレスを分断する

ストレスを分断する方法はいろいろ考えられるが、オススメは「運動」である。エクササイズの良いところは、運動している最中にイヤなことを忘れさせてくれることです。エクササイズに没頭すればするほど、ネガティブなことを考えなくなります。それはストレスから一時的に引き離されることを意味しますから、ストレスを分断するのに極めて効果的ですね。

ひとくちにエクササイズと言っても、方法は無数にある。大きな筋肉を動かすエクササイズがベストだ。大きい筋肉とは、胸やお腹、背中、ふとももといった部位である。たとえば、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などです。どれも大きな筋肉を使う運動ですから、このなかから自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

◎日本人がキレやすくなっている理由

日本中に〝不機嫌な人〟が増えているように思う。今の社会には怒りっぽくなったりキレやすくなったりする要素が、十分すぎるほど存在するという。

経済原理を追求してきた弊害として、日本人のなかに〝他人より少しでも得をしたい〟と考える人が増えていると思います。言い換えれば、昨今の日本人は日常のささいな出来事にさえ、〝損得勘定〟を働かせるようになっている。現代の日本では、いわゆる〝お互い様〟という感覚が少なくなった。

今は、人と社会との関わりがごく短期的になっている。そんな状態では、自分が得する番を待っている時間なんてないんです。

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2012年87冊目『ただのノートが100万冊売れた理由』

2012-06-27 13:32:24 | おすすめビジネス書

評価  (3点/5点満点)

本書で紹介されている会社は、キングジムという文具メーカーで、今やオフィスでは大定番の「キングファイル」や「テプラ」、最近では「ポメラ」をはじめとする電子文具や雑貨などを生み出しています。ご存知の方も多いでしょう。

同社の商品で今、最も話題となっているヒット商品が「ショットノート」。一見するとただのノートやメモパッドですが、ちょっとした機能が付加されており、一般的なノートの倍以上の価格にも関わらず、発売から1年で、累計販売冊数が100万冊を突破しています。

では〝ただのノート〟が、100万冊も飛ぶように売れたのは、いったいなぜなのか?それが本書のタイトルです。

キングジムが今まで世に送り出した、代表的なヒット商品を例にとりながら、商品開発の裏側やこだわりについて開発者に話を聞き、実際に各商品を使い込むことで、その理由を導き出します。同時に、次々とヒット商品を生むための秘訣、言い換えればキングジムの〝ヒット脳〟を解き明かします。

著者は、2009年刊行のベストセラー『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』の美崎栄一郎さん。当時はまだ花王に勤務されていましたが、現在は独立して商品開発コンサルタントとして活躍中です。

美崎さんがキングジムについて取り上げようと思ったのはなぜか。それは、ほかの文具メーカーとか異なり、〝電子文具〟という電源を必要とする文房具と「キングファイル」に代表される、ごく普通の文房具の両方で、ヒット商品を出していること。また、ヒットを〝連発している〟ことです。

ヒットを連発するということは、そこに確かな仕組みがあるはずです。美崎さんの仕事術を随所に織り込みながら、ヒットの秘密に迫っています。キングジムの場合、ヒットするかどうかは、その商品にお客様が〝グッとくる〟かどうか。つまり、心をつかまれ無性に欲しくなる、ということだと指摘します。先ほどの「ショットノート」では、アナログノートなのにスマートフォンと簡単に連携できるところが、ユーザにグッとくるのです。

開発秘話でけでなく、著者がどう使っているのかという〝文具術〟や〝デジタルツール活用術〟も織り交ぜて、企業の仕組みだけを解明した本とも、仕事術の本とも異なるユニークな仕上がりになっています。

美崎さんには今後も、新たなジャンルのビジネス書を期待します!

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2012年86冊目『実践!事務所の「5S」』

2012-06-25 11:49:18 | おすすめビジネス書
実践!  事務所の5S  -オフィスのムダをなくして業務効率アップ!  (DO BOOKS) 実践! 事務所の5S -オフィスのムダをなくして業務効率アップ! (DO BOOKS)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-04-28

評価  (3点/5点満点)

「5S」とは、「整理・整頓・清潔・清掃・しつけ」を表し、改善・改革活動の第一歩と言われていることは、すでにご存知の方も多いと思います。

本書では、著者が15年間100社以上にわたるコンサルティングを通じて、企業の方々と一緒に生み出した5Sのテクニックや具体的な進め方、維持定着化のポイントなどを解説しています。

5Sの導入や推進には、業務とは違った難しさがありますが、「どうしたら5Sを円滑に導入・推進できるか、その留意点・ポイントは何か」「5Sを維持定着させ、企業の発展に寄与できるようにするためには何が必要か」を知り、経営革新の礎となる活動としての5Sを積極的に展開していきましょう。5Sは工場のみならず、事務所等においても必要です。

・個人への配布書類をワンロケーション管理

・複合機を中心とした共有ワークエリア

・幹部による5S点検

・社内5S見学ツアー、他者事例の取り込み、5Sコンクール

など、今すぐにでも始められる具体的なノウハウが満載です。

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2012年85冊目『働く大人の教養課程』

2012-06-24 19:52:21 | おすすめビジネス書
働く大人の教養課程 働く大人の教養課程
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-05-29

評価  (4点/5点満点)

著者は専修大学法学部教授で政治学が専攻の岡田憲治さん。

仕事がデキるということの土台は何なのかを理解して、その土台から導き出されるいくつかの「絶対にできなければいけないこと」を実践するのが本書の目的です。

仕事がデキる人とは、きちんと仕事の節目で評価ができる人です。具体的には、現実を前にしてそれを自分に与えられた条件として受け止め、借り物ではない己の価値観に信頼を置き、自分を世界に投げ込む勇気を持って「現実はこうなっている」「我々に必要な物は○○である」「この決断は我々に○○をもたらすのだ」と考え、そして「これが私の評価だ」と宣明することのできる人間が、デキる人です。

「頭がいい」には4種類ある(知識のストックが多い、知識の処理が速い、知識の前後左右にあるものに気づく、わかろうとしない力)ことや、「わからない」にも4種類ある(言葉の意味と背景知識がわからない、どうしてそういう理屈になるのかがわからない、言っていることの意図や目的がわからない、選べなくてどう評価してよいのかがわからない)ことなど、普段何気に使っている言葉の意味を深く考える機会にもなりました。

人の言いなりとなって、いつも上司からの指示を待つだけの職業人生ではなく、時として自分が仕事を仕切れるようになることや、ともに働く者たちの立ち位置を評価できること。つまり、リーダーシップを発揮できるようになることが、この本で紹介されている、仕事の土台となる知的技法の最終形だと思います。

【my pick-up】

◎デキる人の質問作法

大人の世界で働く基本意志を持った人間の発する質問で、チームの仲間の頭とハートと肉体をムーヴさせるきっかけとなる言葉はただ1つです。

「ここまではやったのですが、この先が苦しいのです。教えてください」

多忙なデキる人は、この基本を身につけていない者の言葉には何ら反応を示しませんし、肉体も動きません。世界を評価することのできる人には、「○○の答えを教えてください」という丸投げ的な態度が理解できないからです。

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