評価 (3点/5点満点)
ナマケモノという動物は、木の葉や木の実を1日に8グラムくらいしか食べないそうです。8グラムといったら、葉っぱ数枚です。
なぜ、ナマケモノがわずかな食事だけで生きられるかというと、1日中ずっと、木の上で過ごして、ほとんど動かないからです。
これからの時代、そんなナマケモノみたいに、できるだけラクに、楽しく生きていくにはどうしたらいいのか。そのための時間の捉え方、扱い方を、2ちゃんねるやニコニコ動画の開設者であるひろゆきさんがお話していきます。
世間の常識とか上司に言われたとか、あなたの人生にはなんの責任も持たない人の意見を重視しちゃってる人はけっこう多い気がします。
せっかくの時間、自分が幸せになるための使うほうがいいですよね。
一般的な「時間」の概念にがんじがらめになっている人には、本書を通して新たな捉え方が得られ、時間を楽しく有効に活用できるかもしれません。
【my pick-up】
◎「ある程度バカ」がうまくいく
仕事に頭を使いすぎると、成果物がマニアックになりすぎる。やっぱり頭は使いすぎないほうが仕事は成功しやすい。だから、使える時間全体の2割くらいに留めたほうが仕事で成果は出やすい気がします。あまり頭を使わないで受け止める人の感覚になって取り組んだほうが、世間で広く受け入れられるものができるに違いないと思っているのです。そうすれば、「仕事後は疲れ果てていて、遊ぶ時間なんて作れない」という悩みも、ついでに解決できそうですよね。
◎同じ時間なら、「視点」をずらしたほうの勝ち
僕は映画やマンガやゲームには相当な時間を使っていますが、YouTube動画は、ものすごく時間を割いて、膨大な量を見ているわけではありません。ここは「見方」が問題です。多くの人はちゃんと見ていないから、少し分析的な見方をするだけで相手が勝手に「YouTubeにめちゃくちゃ詳しい人」と勘違いしてくれて、価値を見出してくれたりするのです。
◎嫌いな人とつるむ「謎の文化」
欧米では「ここが気に入らなければ、別のところに行けばいい」という価値観が普通なのです。また仕事後は「完全にプライベートな時間」という意識が強い。フランスでは「プライベートの時間に、会社のやつに会いたくない」とかって平気で言います。一方日本では、帰国中に居酒屋とかに行くと、なんでこんなに会社員グループが多いんだろうと思います。日本人って、なぜか嫌いな人とでも長い時間を一緒に過ごしている気がします。
欧米の人たちにも帰属意識はあります。ただ、それは家族や地域社会や国への帰属意識であって、会社への帰属意識はほとんどないように見えます。なぜかと言えば、仕事は生活の糧を得る手段に過ぎないからです。手段ならば、帰属意識なんて大して必要ありませんよね。会社はあくまでお金を得る場所であって、友だちを作る場所ではない。だから言いたいことはハッキリ言うし、嫌いな人がいても、たいていは割り切って仕事をします。もちろん、ときには人間関係のトラブルも起こりますが、割とさっぱりしている印象です。そして、会社は生活するための手段である以上、合理的で効率的なほうがいい。自分に対して、より合理的で効率的な条件を提示してくれる組織があれば、躊躇なく移るし、それの何がいけないわけ?という感じなのです。「社員はみな家族」みたいな会社のあり方は、それはそれで、ポジティブに機能する場合もあるのかもしれません。でもそれ以上に、社員を組織に縛りつける窮屈なものに僕には見えてしまうのです。