厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2021年137冊目『テレワーク時代の新・ビジネスマナー』は、テレワークのノウハウ&オンラインでのマナーの両面を身につける

2021-05-30 14:38:03 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者は、現役のビジネスパーソンと、コミュニケーションコンサルタントのお二人です。

そういう意味で、本書はテレワーク対応の再現性・即効性のあるノウハウを実務面からアドバイスするとともに、オンラインでのマナーにおける注意点・解決策も盛り込まれています。

テレワーク時代にどう振る舞ったらよいか、今後もどんどんやり方が更新されていくと思いますが、〝現時点での最善〟として十分活用できる1冊です。

 

【my pick-up】

◎テレワークの話し方-マイクはどれを選べばいい?

専門家の間でも特に評価が高いのは、iPhoneの付属マイク付きステレオイヤフォンです。iPhoneを買うとついてくる白いマイクです(iPhone12からはオプション扱い)。正確には「イヤーポッズ」が商品名です。ほとんどのパソコンで使用できます。付属品、悪く言えばオマケですから、甘く見てしまいがちですが、実は高性能。リモコンのところに内蔵された小型マイクが、室内の反響音など雑音に左右されず、きれいに声を拾うので、画面越しの相手には大変よい音質で届きます。設定も、パソコンのイヤホンジャックに差し込むだけ。

◎局アナも使う魅力ある声や話し方を作る練習法-話している自分の声を録音して聴き直す

誰にでも簡単にできて、どんな人でも声や話し方の質が向上する即効性のある練習法は「話している自分の声を録音して、聴き直す」こと。目的は、自分の声や話し方が相手にどんな風に聴こえているかを知り、欠点やクセを修正するため。

◎オンライン会議の効率化-Web会議は10分前に入室しておく

自分がホストなら、遅刻厳禁。重要な会議であればあるほど早めの会議室オープンを心がけておきたいものです。最低でも10分前には「今、この瞬間から会議を行っても大丈夫」という状態にしておくことが必要です。接続不良があったり、PCなどのデバイスの不調も考えられます。開催予定時間ちょうどからミーティングを始められるという言葉の中には、あらゆるアクシデントを予測して、準備を整えたうえで席につくという意味が含まれています。

◎発言の終わりは「以上です」で締める

発言の終わりに「以上です」と付け加えて、自分の発言が終わったことをハッキリと参加者に知らせることも大切です。話し終えたのか不明瞭だと、次の発言者も話を始めづらいし、司会進行役も次の議題に進めていいのか判断に迷います。

◎メールは「気づかい」が9割-「本文なし」を活用する

私が勤めている会社では、伝えたい用件がとても短い場合、件名に用件を入れてしまってよいと決めています。たとえば【田中課長送別会3月12日開催場所未定、本文なし】といった感じです。重要なのは、件名の最後にある「本文なし」のひと言を加えることです。これがあれば、受け取った側が本文のないメールをわざわざ開くという時間のムダが発生しません。

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2021年136冊目『管理職はいらない』は、AIを活用してクリエイティブな業務にシフトできる管理職が生き残る

2021-05-30 14:21:46 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

AIなどの新興技術が2024年までに、管理職のルーティンワークのほぼ69%を代行するようになる。

(2020年1月、リサーチ会社大手の米ガートナーの見通し)

 

タイトル「管理職はいらない」とはどういうことか。

それは「AIを怖がる管理職はいらない」ということで、AIを恐れ、AIを自ら学ぼうとしない管理職は時代に取り残されてしまう意味です。

 

本書のキーメッセージは「AI時代の管理職としてアップデートし、新しいキャリア(シン・キャリア)を創ろう」です。

会社の経営方針や戦略を踏まえながら部下や業務のマネジメントを行う管理職は、本来はクリエイティブです。

AIを活用してルーティンワークを最小化し、クリエイティブな業務にシフトしていくという管理職が目指すべき方向性が見えてきます。

 

また、具体的にビジネスの現場にAIを取り込む上では、その有用性について上司や経営層などを説得し、周囲も巻き込みながら理解を得ていくなど、泥臭いプロセスも求められます。このプロセスを粘り強く進めていけるかどうかは、「実行力」に代表される「ビジネス力」が問われることになるでしょう。

 

【my pick-up】

◎AIを知らない管理職は生産性を下げる

「いや、AIのことはよくわからなくて・・・」といつまでも頭をかいているようでは、今座っている管理職の椅子を20代の「AIネイティブKIDS」に譲らなければならない日も来るかもしれないのです。

◎テレワークは管理職の意識変革の試金石

テレワークに順応している管理職と、そうでない管理職の「格差」が顕在化しつつあるのです。

「出勤していれば部下の様子は目に入る。誰かしらが相談や報告にやってくるし会議も多い。主体的に動かなくても1日が終わる。受け身の姿勢が染みついた管理職は、テレワーク環境で機能停止していた。」(2020年9月14日日本経済新聞)

テレワークがもたらすワークスタイルの変化によって、「なんとなく管理しているつもりになっていた管理職」の実態が露呈した。テレワークを導入した企業の中でも、「このコロナ禍を組織変革のチャンスと捉えよう」とポジティブな意義を見出している管理職と、「出勤の削減要請が出ているから・・・」と消極的に対応している管理職とに分かれている印象があります。テレワークは企業の組織変革、そして管理職の意識変革の試金石という見方もできそうです。

◎「AIに解決させるべき課題」は管理職が決める

AI時代の管理職が重要性を増すスキルがあることをお伝えしておきます。それは、適切な業務課題を発見し、設定する「課題設定力」です。「AIの導入」を目的化するのではなく、課題や目標を明確にすることで、はじめて採用すべきAIツールの種類や、人とAIの最適な配置が決まってきます。時代の変化の大きなうねりの中で、「AIに解決させるべき課題は何なのか?」を定義する力がいっそう求められるようになります。

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2021年135冊目『ドイツではそんなに働かない』は、ドイツ人の働き方・生き方の意識から生産性を考える

2021-05-29 15:35:41 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

本書は、2017年に『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ』として刊行された単行本を加筆・再編集したものですが、今回新たに「コロナ時代の働き方」についての新章が加えられています。

 

ドイツの企業の中から見た「生産性の高いドイツの働き方・会社」のリアルをお伝えします。

 

要は「いつも100点を目指す」のではなく、「場合によっては70点でも良い」-そのメリハリこそが、効率化につながる。これが、ドイツが日本に比べて生産性が高い理由とも言えます。

日本人がドイツの働き方を参考にするとしたら、もっとも注目すべきは、個人個人が持っている意識の部分でしょう。

(はじめにより)

 

ドイツ流の働き方は、コロナという新たな危機的な時代状況においてより重要性を増しており、「家族との時間を大切にする」「明確な職務」「同調圧力からの解放」など、日本のビジネスパーソンが参考にすべき部分は多いと感じます。

 

【my pick-up】

◎「残業をしたら評価が下がる」と考える

要は「ダラダラ仕事をする」ことがほとんどない。これが残業を生み出さない大きな理由の一つであると私は思いました。徹底して仕事に集中するのは、定時で終えて家に帰ってプライベートの時間を楽しみたいからでしょう。

まず、今日は17時、あるいは18時に帰ると決める。これを実践してみると、仕事のスピードが上がるのではないでしょうか。残業している限り仕事ができる人間にはなれないのだと思い、ノー残業を目指してみてください。

◎ドイツ流、仕事の優先順位のつけ方

「それはもっと早くに必要になることがわかっていたのに、なぜ今の段階で言い出すのか。それは自分の問題ではない、マネジメントが悪いあなたの問題だ」という考えになるのです。

明日締め切りの仕事であっても最優先させず、既に抱えている仕事を最優先させる。上司の緊急の依頼よりも、自分の今の業務を優先させる。これはドイツ人独特の優先順位のつけ方かもしれません。しかし、「他の仕事を割り込ませない」という方法は、労働時間を減らし、生産性を上げるもっともシンプルな方法でもあります。

どんなに気を付けていても突発的な仕事は発生しますが、たいていはもっと早い段階で対処できるはずです。それに気づけるのが、生産性を上げる第一歩なのです。

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2021年134冊目『トヨタの会議は30分』は、「A3一枚」などテクニックが先行しているトヨタのコミュニケーションの本質を知る

2021-05-29 15:09:32 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、トヨタ自動車で実践されていた〝骨太、かつギガ速な〟コミュニケーションスタイルのエッセンスが凝縮されています。

トヨタを紹介した書籍はたくさん出回っていますが、まだあまり世に知られていない、会議術や部下指導法も含めたビジネスコミュニケーションのノウハウが、本書の中心となっています。

 

仕事の生産性を上げるのに必要なギガ速なコミュニケーション能力とは?

1.時短に役立つ仕事術(会議、打ち合わせなど)

2.確実に相手を射抜く・仕留めるコミュニケーション術(資料作成、プレゼン、メールなど)

3.本質思考(効率的な仕事の前提となる心構え、スピリットなど)

4.後進に伝える力・教育力(OJT、学ぶ心構えなど)

5.良好な人間関係の構築能力(コンフリクト・マネジメントなど)

6.人としてのあり方(人間力、生き方、ポリシーなど)

 

何かと悩み多き社会人生活5年以内の方々の力になればという思いが込められた1冊です。

 

【my pick-up】

◎任せないから部下が自立しない

トヨタでは、原則として上司は部下の会議に同席しないので、強制的にマネジメントの仕事に専念させられます。その間は別の仕事に取り組めるのです。みなさんの会社でも、上司と部下が会議にセットで参加するのは、みっともないからもうやめませんか?彼氏・彼女じゃないんですから。いつまでも任せないから、部下が成長しないのです。もし会議報告がしっかりできないようであれば、そのときにきっちり叱ればよいだけの話。そうやって育成を試みる方法も、今後はアリではないかと思います。

◎A3一枚にまとめるのは昇進試験のときだけ

実際に私がトヨタに在籍していた頃に経験した範囲内では、A3一枚にまとめるのは昇格試験のときなど限られた状況だけで、通常の業務ではデータや議事録などをA3一枚にまとめる作業はほとんどなかったというのがファクトです。A3一枚にまとめることが本質ではなく、その1枚に要約するための「問題解決の型」にこそ価値があります。もし、日々起こる問題や課題一つひとつに対してA3一枚の書類にまとめて報告していたら、「お前は暇人か!」などと上司から確実に突っ込まれる雰囲気の組織でした。

◎本当に忙しい人には「結論を先に」でも不親切

まず結論から書くのではなく、「何の話か」から書いてください。この資料のお題は何か?ということです。よく「資料は結論から書け」と言われますが、本当に忙しい相手はあなたの考える結論よりも、どの案件に関する話なのかを最初に知りたがるものです。よって、その情報を最優先で提示してあげます。

◎返信がこないときは自分と相手の上司もCCに入れて催促メールを出す

上司が「ここぞというときには、相手や自分の上司もCCに入れて催促メールを出したら、すぐに返信してくるよ」という、特効薬とも言うべき解決法をこともなげに教えてくれました。自分の上司や関係先の上司にもやり取りをチェックされているとなると、相手も放置することはできません。ほぼ百発百中で相手から返答がきますし、さらに二度と相手はこちらを待たせなくなるというメリットもあります。

◎空気を読まない覚悟を持て

関係が悪くなるかもしれないからといって自分の意見や感覚を否定したり、無駄に相手に同調したりしてはダメなのです。相手に同調することではなく、人とは違う気づきやアイデアをどんどん提案して、上書きし合っていくことが「仕事」だと私は思います。「ちょっと、それは違うんじゃないかな・・・」と感じるのであれば、あえて空気を読まず、むしろ空気をぶち壊しに行く姿勢が大切です。本質的な仕事をするには、実行しなければならないことです。

◎嫌われることを恐れたら若手は育たない

いま部下をひとりでも持っている人は、トヨタのオヤジさんたちの「嫌われてナンボ」のマインドを実践されてはいかがでしょうか?嫌われたり、人間関係が少しピリついたりするくらい、会社や若手、さらには自分自身の成長の前には大したことではありません。また部下がいない人でも、同僚あるいは取引先に対して本気で仕事に取り組む姿勢を見せること、その際に多少感情的になることを恐れすぎる必要はありません。

◎相手の言動が失礼すぎたり理不尽すぎたりする場合は一切無視するのがお互いのため

「『こんなの、相手をするまでもないな』と少しでも感じるのなら、それ以降は一切際手にするな。無視していい」「アホを相手にしている時間があるなら、その時間でとっとと仕事をせぇ」

失礼すぎる相手には、業務上必要な最低限の対応だけして、枝葉のネガティブな言葉には一切反応せず無視していい。

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2021年133冊目『「疑う」からはじめる。』は、新たな価値をつくっていくためには従来の「あまりまえ」を疑う思考力が必要と主張する

2021-05-22 16:51:31 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

本書でのメッセージはこれです。

常識に縛られたら、思考は停止する。

 

・「出勤」という「あたりまえ」を疑う。仕事の本質を理解せずに、ただ会社に行って与えられた作業をこなすことを仕事だと勘違いしていた人たちは、コロナ禍のもと、「出勤」できない状態を強いられたとき、「いままで自分は何もしていなかった」と身をもって体験した。

 

・「仕事ができる人」とは、「抽象」と「具体」を行き来できる人。ものごとを抽象化するというのは「本質を抽出する」こと。いま目の前にある仕事の本質を考えること。

 

この本は2018年に発刊された『あたりまえを疑え。』がベースになっていますが、新型コロナの出現で仕事の前提条件が変わり、私たちはこれまで以上に「あたりまえ」を疑い、新たな価値をつくっていく必要があります。

 

【my pick-up】

◎僕は同僚とは食事をしなかった

僕の場合、夜はなるべく妻と食べるようにしています。そして、仕事上の関係が近い同僚のような存在とはあまり食事や飲みには行きませんでした。なぜなら、昼間に人間関係を構築する時間がたっぷりあるので、夜まで一緒にいると新しい出会いの機会が失われるからです。

僕は同じ部門の同僚ともほとんどランチをしませんでした。あえて4人テーブルでぼっち飯。つまり、誰が同席してもいい状態にしておくわけです。毎日のランチをいつもとはちがう人と情報を交換し合う場として活用すると、多忙ななかでも充実した自己投資を続けることが可能となります。

◎会社で働くことだけが人生のすべてではない

心にとどめておいてほしいことがあります。会社はそれほどあなたのことを考えていないかもしれない。

あなたが求められてきた仕事が、ある日なくなるかもしれません。事業自体がなくなるかもしれないし、急に異動になることだってあるでしょう。そもそも、会社ですらずっと続くものでもありません。「いまの会社や仕事に依存するのはリスキーかもしれない」。そう思える感性が必要なのだと思います。

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