評価 (3点/5点満点)
著者は、現役のビジネスパーソンと、コミュニケーションコンサルタントのお二人です。
そういう意味で、本書はテレワーク対応の再現性・即効性のあるノウハウを実務面からアドバイスするとともに、オンラインでのマナーにおける注意点・解決策も盛り込まれています。
テレワーク時代にどう振る舞ったらよいか、今後もどんどんやり方が更新されていくと思いますが、〝現時点での最善〟として十分活用できる1冊です。
【my pick-up】
◎テレワークの話し方-マイクはどれを選べばいい?
専門家の間でも特に評価が高いのは、iPhoneの付属マイク付きステレオイヤフォンです。iPhoneを買うとついてくる白いマイクです(iPhone12からはオプション扱い)。正確には「イヤーポッズ」が商品名です。ほとんどのパソコンで使用できます。付属品、悪く言えばオマケですから、甘く見てしまいがちですが、実は高性能。リモコンのところに内蔵された小型マイクが、室内の反響音など雑音に左右されず、きれいに声を拾うので、画面越しの相手には大変よい音質で届きます。設定も、パソコンのイヤホンジャックに差し込むだけ。
◎局アナも使う魅力ある声や話し方を作る練習法-話している自分の声を録音して聴き直す
誰にでも簡単にできて、どんな人でも声や話し方の質が向上する即効性のある練習法は「話している自分の声を録音して、聴き直す」こと。目的は、自分の声や話し方が相手にどんな風に聴こえているかを知り、欠点やクセを修正するため。
◎オンライン会議の効率化-Web会議は10分前に入室しておく
自分がホストなら、遅刻厳禁。重要な会議であればあるほど早めの会議室オープンを心がけておきたいものです。最低でも10分前には「今、この瞬間から会議を行っても大丈夫」という状態にしておくことが必要です。接続不良があったり、PCなどのデバイスの不調も考えられます。開催予定時間ちょうどからミーティングを始められるという言葉の中には、あらゆるアクシデントを予測して、準備を整えたうえで席につくという意味が含まれています。
◎発言の終わりは「以上です」で締める
発言の終わりに「以上です」と付け加えて、自分の発言が終わったことをハッキリと参加者に知らせることも大切です。話し終えたのか不明瞭だと、次の発言者も話を始めづらいし、司会進行役も次の議題に進めていいのか判断に迷います。
◎メールは「気づかい」が9割-「本文なし」を活用する
私が勤めている会社では、伝えたい用件がとても短い場合、件名に用件を入れてしまってよいと決めています。たとえば【田中課長送別会3月12日開催場所未定、本文なし】といった感じです。重要なのは、件名の最後にある「本文なし」のひと言を加えることです。これがあれば、受け取った側が本文のないメールをわざわざ開くという時間のムダが発生しません。