厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

今年176冊目『「5S」によるコストダウンの進め方』

2011-09-30 17:03:44 | その他私が読んだ本
5Sによるコストダウンの進め方 5Sによるコストダウンの進め方
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-09-17

評価  (3点/5点満点)

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)については以前から、仕事をする上での基本となる動作としてその重要性が言われていますが、コストダウンとの繋がりで書かれた本はあまりなく、本書はそういう意味で価値ある1冊です。

今後は、これまでのような「形の5S」ではなく、コストダウンと顧客満足度の向上に役立つ勝ち抜くための5Sでなくてはなりません。

製造業(工場)を中心に書かれていますが、5Sの定義や推進体制、いらない書類の廃棄やファイリングなど、汎用的な内容も含まれています。

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今年175冊目『佐藤悦子の幸せ習慣』

2011-09-26 22:18:30 | おすすめビジネス書
今できることを全力で! 佐藤悦子の幸せ習慣 今できることを全力で! 佐藤悦子の幸せ習慣
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2011-06-24

評価  (3点/5点満点)

アートディレクター・佐藤可士和さんの妻で、可士和さんが設立したクリエイティブスタジオ「SAMURAI」のマネージャーを務める佐藤悦子さんが、なるべく自分のやりたいこともできて、求められる責任も果たしながらいろいろなことを両立させるために日々心がけている、ちょっとした準備や努力の数々を紹介します。

その基本は、序章にもあるとおり、常日頃から「自分がハッピーでないとダメ」だと思うことです。自分がハッピーでないと、その不機嫌な空気は知らず知らずのうちに周りにも伝染って迷惑をかけてしまうので、結果的に自分がハッピーでないと、周囲にもいい影響は与えられないと考えているのです。

一つひとつは小粒ながらも、仕事術・思考術・時間術などの汎用的なポイントがうまく網羅されており、女性だけではなく男性のビジネスパーソンにも役立つ内容です。

【my pick-up】

◎「忙しい」は嫌い

口に出して「忙しい」と言わなくても、周囲にそう感じさせてしまうとしたら、言っているのと同じこと。ですから、たとえ気持ちは焦っていたとしても、そう見えないよう気をつけようと思ってきました。

自分が言われた時や、逆に他の人にそう感じた時のことを振り返ってみると、どれもその時行っていることとは別なことに意識が向いている、「心ここにあらず」という状態がうかがわれます。

自分から「忙しい」と言わないことはもちろん、そんな印象を与えないよう、目の前のことに真摯に向き合う姿勢を忘れずにいたいと思っています。

◎人間関係における禁句と忘れてはいけないこと

他の仕事を理由に「これだけやっているんじゃないんで(忙しい/できません)」と口にしてしまったら、他の人からの信頼もモチベーションも一気に崩れてしまうでしょう。

このたった一言のセリフで場の空気が変わってしまうほど、言った本人には何の気なく、でも周囲には相当のマイナスのインパクトを瞬間的に及ぼすのを目の当たりにして、こんな怖い言葉はない、絶対に禁句だわと心に刻んだものでした。

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今年174冊目『会社は家族、社長は親』

2011-09-25 17:40:37 | おすすめビジネス書
会社は家族、社長は親 会社は家族、社長は親
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2011-09-13

評価  (3点/5点満点)

法政大学大学院教授の坂本光司さんと、アイエスエフネット代表取締役の渡邉幸義さんの共著。

坂本さんは『日本でいちばん大切にしたい会社』の著書で有名ですが、これまでの伝統的経営学を否定し、「企業経営とは、業績を高める活動でも、成長発展させるための活動でも、業界1位になるための活動でもない。企業にかかわりのあるすべての人々、とりわけ5人の人々の幸福を実現するための活動である」と定義し、その実践を提唱されています。

ちなみに、5人の人々とは、「社員とその家族」「社外(取引先等)社員とその家族」「顧客」「障がい者や高齢者等地域住民」「出資者・支援者」のことです。そして、これら5人の中で、最もその幸福を念じ追求すべきは、「社員とその家族」と言います。

渡邉さんがリーダーを務めるアイエスエフネットも、社員とその家族の幸福づくりや、障がい者等の社会的弱者の働く幸せ、働く喜びづくりに尽力している会社です。

障がいのあるメンバーは、2年教えて42年貢献してくれる。一般の社員は、2か月教えて24か月後に辞めてしまうかもしれない。つまり、投資に対するリターンが、障がいのあるメンバーは一般の社員の2倍になる可能性がある。

人にやさしい会社、正しいことをする会社を増やすことが、いかに各社、さらには日本全体の発展に必要か。そのことに改めて気づかされる1冊です。

【my pick-up】

◎自己啓発できるかどうかは30代までが勝負(渡邉)

私はシニアになっても雇用されるためには、30代が勝負だと思います。私はいま40代ですが、とくに45歳を過ぎると体力がいっきに落ちてくるのを感じます。そのときまでに自己啓発などで自分の強みを磨き、生かしていく習慣のない人間が、45歳を過ぎていきなりできるかというと、かなり厳しいでしょう。そんな状態で60歳になって、若い人と同じように働きたいと思っても難しいのです。

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今年173冊目『とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方』

2011-09-22 23:28:15 | おすすめビジネス書
とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方 (アスカビジネス) とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方 (アスカビジネス)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2011-09-14

評価  (3点/5点満点)

経営コンサルタント(組織づくり・人材育成)で30代向けの著書も多い小倉広さんが、自分の意思で動けて・考えられる社員、つまり稼げる社員とそうでない社員の分岐点を考察し、そんな稼げる社員を会社の中で量産できる組織の作り方を紹介します。

小倉さんはリクルート勤務時代等を振り返ってみて、人材育成においてたくさんの間違いを繰り返してきたと言います。

・分身を十分に育てることもないままに事業部を任せてしまい、組織がめちゃくちゃになったこともあった。

・業績の急成長に伴い、早すぎるタイミングで必要以上の人数を採用し、組織が水ぶくれを起こしたこともあった。

・プロとしての厳しさが組織に根付く前に、楽しさや優しさばかりを組織に導入し、甘ちゃんばかりの、ずぶずぶな組織にしてしまったこともあった。

このような経験を踏まえ、人と組織に関する本音ベースの厳しい主張が並んでいます。

部下の育成を本気で考え、本書のような視点で取り組めば、稼げる社員を継続してつくるのは決して不可能ではないと思います。

【my pick-up】

◎全員を育ててはいけない

組織文化をつくるのは先輩社員たちである。では、いったい、その先輩社員をどうつくるのか?

その答えは「広く薄く」ではなく「狭く濃く」。つまり全員を育てるのではなく、一部の可能性ある社員をセレクトし、上司が「狭く濃く」関わるのです。僕はこれを「えこひいき」と呼んでいます。

ここで言う「えこひいき」とは、決して甘やかすことではなく、他メンバーの10倍厳しく求めること。そして厳しさに対する見返りは「期待」と「愛情」です。つまり「厳しさ」も「優しさ」も10倍にする。まさに「狭く濃く」関わることでリーダーの「分身」を育て上げるのです。

◎部下の質問に答えない

「この件、どうしましょうか?」そうたずねられた時に、僕たちリーダーはどう答えればいいのでしょうか?

そんな時、僕は質問には答えません。部下からの質問に、こちらも質問で返すのです。「君はどうしたいの?」「どうしたらいいと思う?」このようにおうむ返しで部下に考えさせるのです。

部下が指示待ちなのは、上司が答えを教えるから。部下だけが悪いのではありません。僕たち上司が答えを教えずにじっとガマンする。そして彼らが自分の頭と自分の意思でものごとを考え進むように支援する。それが大切なのです。

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今年172冊目『問題解決の教科書』

2011-09-19 18:40:39 | おすすめビジネス書

問題解決の教科書 問題解決の教科書
価格:¥ 1,155(税込)
発売日:2011-09-15

評価  (3点/5点満点)

経営コンサルタント・小宮一慶さんの最新刊は、リーダーとしての問題解決力がテーマです。

「もし自分が○○(総理大臣、経営者などなど)だったら・・・」という仮定は、社会を生き抜く上で絶対に必要なシミュレーション能力であり、それができない人は、自分の立場からの視点しか持っていないということです。与えられた仕事だけを完璧にやればいいと思ってしまっている。しかしそれではいつまで経っても、今のポジションから上に異動することはないでしょうし、本当の完璧ではないのです。

産業の空洞化やエネルギー問題、防衛問題、少子高齢化問題や失業率など、日本が震災前から潜在的に抱えてきたもの、それでも「まだもう少しもつだろう」と楽観視してきた問題が、今回の震災をきっかけに前倒しの形で顕在化してきたように思います。

また、日本の個人金融資産は多いといっても1人当たり1100万円程度であり、そんなものにいくら頼っても内需拡大が実現する日は来ません。

問題解決のためには、問題の把握や決断力、シミュレーションなどの能力の他に素直さなどの資質も必要です。本書では、小宮さんの他の本でも登場する問題解決のための視点やフレームワーク、日経新聞の景気指標、財務諸表の読み方以外に、東日本大震災を教訓に危機の際のリーダーの取るべき行動やリーダーとしての心構えが冒頭述べられており、そこは特に読み応えがありました。

「大変」は「大きく変わる」チャンス。何事も捉え方次第で、自分の成長の材料になりますよ。

【my pick-up】

◎危機の際のリーダーの問題解決力

彼ら(東日本大震災の際の菅首相、東京電力の社長)を見ていると「地位は人をつくらない」ということがよく分かります。世渡りだけで地位についても真のリーダーシップなど身につかないのです。しかるべき勉強と修練を経ていないと、地位を得てもリーダーシップは身につかないのです。

◎「数字」で自社に関心を持たせる

多くの従業員は、「自分の給料が上がること」は望んでいますが、「自社の利益が上がること」までは考えが及んでいません。「自分の給料」の出所が「自社の利益」だとは本当には気づいていないのです。それを理解させるきっかけが財務諸表です。

「自社の数字が気にならない」という従業員は、言い換えれば「自社に関心のない」人です。そういう人ばかりが集まっている会社が飛躍的に伸びていくことはありません。でもそれは自社の数字に関心を持たない社員を雇い、育ててきた経営者が悪いのです。

リーダーはもちろんのこと、すべての従業員が、自社の「数字」に関心を持つ癖を持たないことには、会社の発展は難しいと考えてください。また、自社の財務諸表に関心のないビジネスマンは、ビジネスマンとしての成功はなかなか難しいでしょう。

◎「数字」の読み解き方

会計は規則です。その規則をいったん覚えてしまえば、実はそこから先というのはほとんどないのです。もともと会計とは、奥の深い学問ではありません。そこが経済学と根本的に異なる部分です。

その読み方を理解するために必要なのは、基本だけなら2、3時間程度の勉強時間に過ぎません。若干の規則を数時間かけて覚えれば、ほぼ一生役立つという知識が会計なのです。

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