評価
(3点/5点満点)
いよいよ今年200冊目の紹介です。
元トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長の吉越浩一郎さんが、ご自身のリーダー論の集大成として、一流の上司と二流の上司の姿を、具体的に浮き彫りにします。
一流の上司と、二流の上司を分けるものは何か。
それは「実行力」、そして「徹底度」であると述べています。
そのためにもまずは、上司としての役割を理解する必要があると思います。「早朝会議」「がんばるタイム」「ノー残業」など、トリンプ社長時代に次々と実行してきた施策に裏打ちされた、あるべき上司の本質・心得が分かりやすく書かれています。
【my pick-up】
◎上司は、仕事の〝根本治療〟ができるドクターたれ
一流の上司が仕事で起こる問題を次々と解決していけるのは、物事を「単純化」できるからだ。一方、二流の上司は「細部」にばかりこだわり、どうしても問題を複雑にとらえがちだ。だから打つべき手が見えずに、判断するのが遅れて対応が後手に回ることになる。
現場の最前線にいる人間は、根本の問題を解決するよりも、目の前の個別の小さな問題の解決を優先してしまいがちだ。そんなときこそ、リーダーの出番である。
◎「体力を削って働く」のは、二流がやること
「体力」がすり減っている人間は、「気力」に欠ける。「気力」に欠けた人間は、十分に「能力」を発揮することができないのだ。
体力が万全であれば、朝の8時に出社して、いままで1日かかっていた仕事を午前中に終わらせることだって不可能ではない。残業や休日労働をやめたほうが、よっぽど仕事は効率よく回せる。
◎「感情」ではなく「ロジック」こそが会社を救う
上司にとっての「武器」とは何か。一言でいえば、「ロジック」がすべてではないだろうか。
ロジックが曖昧だと、たとえば何か問題が起きたとき、毎回毎回、対処する方法が異なってしまう。そのブレは、組織を迷走させる。ロジックがブレなければ、上司の解答は「規範」「模範」となり、何か問題が起こったときでも、組織が一丸となってそれに対処することができるのだ。