評価
(4点/5点満点)
本書では、景気に左右されない力を身につけ、面白い仕事、自由な時間、望む報酬を得るために、世の中の見方を変える30個のルールが登場します。
この本が主に対象とするのは、自分の現在と将来について必死にもがいている20代、30代のビジネスパーソンとのことですが、個々人としての資本主義経済の生き方のルールとして新たな視点をいろいろと与えてくれ、より幅広い層に有用だと思われる1冊です。
【my pick-up】
◎基礎編(ゲームのルールを知る)
1.一次式の労働集約の世界に生きるか、利益逓増の世界に生きるか決めよ
2.優秀と有能を履き違えるな。いつまでも同じ土俵で偏差値競争をすると精神的・体調的・報酬的な不安定さが伴う
3.マクロで生きるのかミクロで生きるのか、決めよ。大きな仕事がしたい、という呪文に惑わされるな
4.仕事をフローとストックに分類せよ。フローには明日はあるが、1年後はない
5.ナイーブな知的好奇心を振り回すな。利潤を生む情報の非対称性を追求せよ
6.ブランドがないなら手数料の世界で生きるな。価格の世界で生きよ
7.会社があるから自分がいるのか、自分がいるから会社があるのか、順序を間違えるな
8.可処分所得と可処分金額の違いを知れ。国が用意したゲームのルールを習得せよ
9.全体平均と層別平均を分離せよ。無駄なリスクと無理な成功を見積もるな
10.知力だけに偏るな。胆力こそ若いうちに身につけよ
◎仕事編(実際の仕事の場面に落とし込む)
11.一次式の世界から脱しようとして、すぐにサヤ抜きをするな。本気で一次式の世界を脱したいなら本気で勉強すべし。それが中長期的な安定と成功をもたらす
12.空気を読むという小さな差別性で生きるな。小さな差別性はすぐに崩壊してしまう
13.資本主義にばかり詳しくなって、原体験を忘れるな。原体験なきキャリアは迷いに繋がる
14.国家はフローに課税し、ストックには投資している。このルールを活かせ
15.成長という甘い言葉に騙されるな。自分にとって成長とは何かを厳密に定義しなければ無為な時間を過ごしてしまう
16.虚栄心に支配されるな。虚栄心は自らの人生と経営を複雑にし、人生の柔軟性を欠如させる
17.会社があるからできる自己表現は、自分の価値を自分で下げていることに気づけ。価値のない社員の人生は景気に左右されてしまう
18.ゴールのない戦いをするな。自分の人生目標額を今すぐ算出し、そのゴールに到達するのに必要なだけのリスクを取れ
19.数字を見る5鉄則を今すぐ勉強せよ。数字に騙される人には明日も1年後も10年後も豊かさは訪れない
20.マネジャーかリーダーかどちらを目指すのかはっきりせよ。その意思決定が大きな差を生む
◎日常生活編(基礎編・仕事編の実践を確実化する)
21.朝から新聞を読むような生活から優位性は築けない。自ら設定したテーマを往復の電車できわめよ
22.勉強会に群れて同じようなレベルの人々と傷をなめ合うな。勝負のためのストックは勉強会から得られない
23.誰も見ていない所でゴミを拾える人物になれ。いつも美意識を持って自分と他人と社会と向き合え
24.成功したければ、たばこを今すぐにやめろ
25.OnとOffとを分けて考えるのは人生と仕事に対する甘えの構造があるからだ。常日頃からとことん悩み抜け
26.無目的に物事を少しかじって楽しむ消費者になるな。消費者時間が長ければ長いほど、豊かさから遠のいてしまう。生産者としての時間をより多く過ごせ
27.人生山あり谷ありという思考停止にはまるな。物事にひそむ必然性を常に洞察する癖を身につけろ
28.衣服という記号をないがしろにするな。安い靴を履いている間は成功しない
29.本気で話さない人はどれだけコミュニケーションスキルを習得しても意味がない
30.自分の根本を変える必要はない。劣っていることも認めれば強みになる。変えなければいけないのはルールの知識の充足度であり、自分の根本ではない
◎たばこを吸ったら仕事をするな
嫌煙家もいるということをまったく想像できずに、自分たちの都合だけで仕事をするという、その思考回路に問題があるのです。
当の喫煙者は、喫煙は喫煙室でしているということで罪悪感がないようですが、まったく本質から外れてしまっています。
どれだけ会議で立派なことを言っても、どれだけ勉強しても、朝から晩まで働いても、喫煙者はいますぐにたばこをやめないと、その努力を自らふいにしているようなものです。
◎誰とでも本気で話せ
コミュニケーションで悩んでいる人に共通的な傾向があります。それは本気で話していない、ということです。
コミュニケーションの問題のほとんどはこの本気で話しているかどうかにあります。