厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2020年75冊目『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』

2020-02-29 19:04:11 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

「考えること」の楽しさに気づかされる1冊です。

著者の廣津留すみれさんは、生まれ育った大分市の公立高校からハーバード大学に現役合格し、「首席」で卒業。その後、進学した米ジュリアード音楽院も首席で卒業して、現在はニューヨークを拠点にバイオリニストとして活動されています。また、ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業し、CEOも務めています。

ハーバードでいちばん驚かされたのは、仲間たちの「知的好奇心」「思考力」の高さ。
それに廣津留さんも触発されて、「チャレンジすれば自分の得意分野にたどり着く」ことと「チャレンジするのにtoo late(遅すぎること)はない」という思いに至ったそうです。

1つのトピックについて突っ込んで熟考するなど、世界のトップ1%の考え方や行動は、私たちの仕事にも役立てられるでしょう。
 
【my pick-up】

◎2つのルールだけ守って論理的に文章を書いてみよう

日本では、国語の授業や夏休みの課題で、作文や読書感想文を書かされることはあっても、作文の書き方は教えてくれません。子どもに書かせるだけ書かせておいて、先生は評価するだけ。どう書けばいいのかの指導がないのは不思議な話です。一方、アメリカでは、自分の考えを誰にでもわかるように、論理的に説明する能力を高めるため、誰でも小学生の頃から英作文の書き方を教えられます。それが「5パラグラフ(段落)エッセイ」、つまり5つの段落からなる小論文です。5パラグラフエッセイの構成には、完成されたテンプレートがあります。1つ目のルールは「1パラグラフ・1アイデア」。1つの段落には、1つの考えや主張しか入れないというシンプルなルールです。2つ目のルールは、5つの段落が「イントロダクション(導入)⇒ボディ1(本論)⇒ボディ2⇒ボディ3⇒コンクルージョン(結論)」という順番で展開していることです。本論は必ずしも3つ必要なわけではないのですが、説得力を高めるために通常は1つや2つではなく、3つの根拠を展開するのが慣例になっています。

◎「二兎を追う者は一兎をも得ず」ではなく「二兎追って三兎得る」ようにしよう

ハーバード生はむしろ「二兎追って三兎得る」というスタイルです。若いうちはあえて焦点を絞らず、興味のあるものを好きなだけ追求するのです。だからハーバード生たちは、スケジュール帳が真っ黒になるくらいのマルチタスクで、TODOリストをクリアしようと頑張ります。何か1つの分野を突き詰めてスペシャリストになることは大切ですが、突き詰める分野をどん欲に増やす姿勢は、これからはビジネスパーソンにも欠かせないと思います。

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2020年74冊目『SUPER MTG(スーパー・ミーティング)』

2020-02-29 18:56:05 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者のスティーヴン・G・ロゲルバーグ(ノースカロライナ大学シャーロット校教授)は15年以上にわたり、ミーティングについての研究・調査を行っています。その成果は、ミーティングの有効性を上げ、生産性を高める具体的な方法をいくつも生み出してきたとのこと。
この本では、各章ごとにミーティングにありがちな問題を取り上げ、科学的なエビデンスに基づく解決策を提案します。
また、グーグルやアマゾンなど最先端の企業のやり方も参照しています。
 
ミーティングはとにかく時間を食う割に、たいしたリターンは得られていない。それはミーティング自体に問題があるわけではなく、「悪いミーティング」「不必要なミーティング」が存在することが問題なのです。
 
本書をもとに、効果的なミーティングのスキルを身につけましょう。
 
【my pick-up】

◎開始が10分遅れると「非協力的」になる
開始が10分遅れると、お互いの発言をよく聞かず、口を挟んで妨害する傾向が高まることがわかった。この結果を見れば、遅れて始まったミーティングに、高い生産性を期待できないことがよくわかるだろう。ミーティングの時間を5分から10分短くすれば、次のミーティングに影響が出ることはない。グーグルでは「50/25ルール」が導入された。これは、1時間のミーティングを50分に、30分のミーティングを25分にそれぞれ短縮するという意味だ。

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2020年73冊目『キャッシュレス生活、1年やってみた』

2020-02-23 18:21:49 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、著者・美崎栄一郎さんが2019年1月~12月の1年間、現金を使わないキャッシュレス生活を実践した結果の体験談とともに、これからの日本のビジネスの方向や現状のビジネスモデルの仕組みについても解説します。


2018年12月にペイペイが「100億円あげちゃうキャンペーン」を開催しました。キャンペーンの予定期間は4か月間でしたが、実際にはわずか10日で100億円分が配布され、あっという間に終了となりました。キャンペーンの10日間で、489万人の新規ユーザーを獲得し、キャンペーン終了日には駆け込み需要で471万人がペイペイのアプリを起動とのこと。たった10日間で、知名度でペイペイが一番になりました。


このペイペイの祭りのあと、2019年は現金を使わないでキャッシュレスで生活してみようと美崎さんは決意したそうです。
 
・インバウンド需要に対応するべく起こったのがペイブームの要因の一つ。
・アリババに先行投資していたソフトバンクは潤沢な資金を持つことができ、その結果グループ企業のペイペイで大規模な100億円還元という奥の手を出し、後発ながら一気に日本での認知度を1位にまで押し上げた。
・年末にラインペイが悲鳴を上げ、LINEがソフトバンクグループ傘下に入った。最大の失策は、ペイペイと同じような大幅還元という実弾投入をしたために赤字決算に陥り、逆に市場からの撤退スピードを早めてしまいそうな状況になっていった。
・世界中の人口が集中している地域で、QRコード決済という方法は一般になりつつある。その決済手段を取り込んでいたほうが得策だろうと、どの企業も考えて競争が行われている。残すところは、観光地周辺の施設。
・欧米では、クレジットカード決済のインフラが無線規格の非接触に移行している。
・予想では、通信系のIT会社が生き残るだろう。現状抜けているのは、ソフトバンク率いるペイペイとドコモのiD、d払い。次に強いのが楽天グループだが、形勢がはっきりするのは、2020年春から始まるスイカとの提携が具体化されてからになる。
・この3陣営の三国志時代が、新札の発行される2024年まで続く。第4の勢力として、2019年冬に登場した大企業トヨタと銀行の連合の出方と実力はまだ未知数。
 
少子化で労働人口の減っている日本で、無駄な仕事をさせている余裕はないですよね。キャッシュレスという手段を駆使することで、同じ体験や消費をよりスムーズに行うことができるはずです。
 
ちなみに、美崎さんのキャッシュレス生活の結果は、1回現金を使うと1敗として2019年は17敗。キャッシュレスは確実に浸透してきたものの、地方と公共施設はまだまだのようです。
 
【my pick-up】
◎どのペイが結局得なのか、1年やってみた結論
ただ1つだけ入れるQRコード決済を選ぶとしたら、ペイペイです。加盟店を増やす活動も地道にやっているため、日本全国で一番使える店が多い。ソフトバンクの資金力で還元率も高く、早く使わないと損です。
なんでも20%引きというようなキャンペーンは減るはずです。還元率は現在のクレジットカード程度のポイント還元率に落ち着くはずです。つまりは、早く始めるべきなのです。
次にお得なのが、ドコモ系のd払いやiD、楽天グループの楽天ペイや楽天ポイントです。イオンやセブンイレブンのような流通系より通信系のほうが販促費を多く充てています。
通信系だと使う店を選ばないという利点があります。○○ペイは通信系が有利でお得です。

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2020年72冊目『リード・ザ・ジブン』

2020-02-23 18:01:14 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

「リード・ザ・ジブン」は、
〝過去最高の自分を育て、仲間を育て、最強チームをつくる〟
つまり、自分を向上させ、かつ周囲、チームをも向上させることを目的にした人と組織の変革方法です。
 
<過去最高の自分を育て>
1.高い志をもつ
2.試練を通じて脱皮させる
3.自分という呪縛を解く
4.自問自答しながら、常に自分を磨き続ける
<仲間を育て>
5.全身全霊100%で向き合う
6.心に火をつける
7.教育=実践
<最強のチームをつくる>
8.自分の志を込めた組織のビジョンを掲げ、勝ちたいと誰よりも思う
9.一人ひとりを主役にした全員経営の実践
10.「教え教えられる」ことを通じて後継者を育てる
 
自分事化を通じて、日本固有の呪縛から〝自律自走人材〟として脱皮しながら、DNAとしてもつ組織・チームワークの強みに磨きをかける。
そんな一人ひとりの変革の集積により、日本企業が再び世界で輝くことの原動力になることを願います。
若手だけでなく、40代・50代が会社人生の後半戦で、リード・ザ・ジブンを行うことにより、自分の人生の目的・意味を再発見することも可能だと思います。


【my pick-up】
◎大法螺吹きになってください-3倍の法則
ユニクロには「3倍の法則」といわれているものがあります。ある目標の達成が見えてきたら、次はその3倍のあり得ないほどの高い目標を掲げると、現状の延長線上の発想では到底達成できないのでそこにイノベーションが起こるという考え方です。柳井社長はこれを能書きではなく、売上高が100億円のときに300億円を目指し、300億円のときには1000億円を目指し、1000億円のときには3000億円を目指し、3000億円のときには1兆円を目指し、現在2.3兆円・グローバルナンバーツーのポジションにまで来たのです。


◎柳井社長に怒られる
「過去最高の自分を育てる」上で、根源的に効いているなと筆者が思っていることは、柳井社長の怒るパワーです。筆者がユニクロに入って一番衝撃を受けたのが、柳井社長に怒られまくることです。グローバルナンバーワンを実現するという柳井社長の強烈な思い・志があるからこそ、決して妥協は許さずに怒られているんだということがわかりました。あれだけ怒り続けることができるエネルギーには畏敬の念を覚えます。


◎めんどくさい上司になる
とにかく〝めんどくさい〟上司なんです。毎週読んだよい本を推薦し、部下が感想文を書いてきたらコメントをしたり、部下の仕事の優先度を重要性×緊急性のマトリックスに整理させ、毎朝どう仕事を進めていくかのアドバイスを行う等、まさに100%部下と向き合っていました。〝仲間を育てる〟上で、まず一番重要なのは上司のマインドセット・姿勢なのです。めんどくさい上司とパワハラ上司は根本的に違います。部下を真剣に育成したいという愛情とコミットメントがないとめんどくさい上司にはなれません。

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2020年71冊目『シンプルで合理的な意思決定をするために「ファイナンス」から考える!超入門』

2020-02-23 17:51:02 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は、ファイナンスについての知識を掘り下げて学ぶのではなく、専門家以外のビジネスパーソンが、ファイナンスの考え方を身につけて、仕事や人生のあらゆる意思決定に使うための本です。
「ファイナンスから考える」とは、将来にわたる影響のすべてをお金に換算して把握し、想定される案を比較して、最も望ましい案を選ぶ思考法です。


具体的には、以下の4つのステップを踏んでいきます。
STEP1:「コスト」を正確に見積もる
STEP2:時間のズレをとらえて、数字にする
STEP3:差を比較することで意思決定の精度を上げる
STEP4:分解することで意思決定した内容を円滑に実行する


また、会計とファイナンスの違いで言うと、会計はコミュニケーションツールであるのに対し、ファイナンスは意思決定のツールです。
つまり、会計は人に報告するためのもの、つまり「他人のため」のものですが、ファイナンスは自分の生活や仕事をより良くするためのもの、つまり「自分のため」のものと言えるでしょう。
そういう意味では、もっと仕事や生活にファイナンスの視点を取り入れれば、より合理的な判断が素早くできるようになると思います。


【my pick-up】
◎「レターパック」導入を検討する
STEP1:コスト
・レターパックは、定形外の郵便物を送る場合には、節約できる切手代、封筒代、人件費を考えると実は割安
・活用で郵送コストの節約にも
・定形外の場合、作業(計測・採寸、金額特定、切手貼り)は煩雑ゆえ、総務の人件費が多くかかる(機会コスト)
STEP2:時間
・多種類の切手の在庫は、初期投資として資金が固定化される
・切手は換金性が高く、盗難や横領のリスクに備え、金庫などの設備投資も必要
STEP3:比較
・通信費同士で比較せず、機会コストや資金の固定化も含むコストをモレなく見る
・各事業部門など会社全体の手数に目を向ける
STEP4:分解
・「やってられないよ・・・」に目を向け、業務プロセスのどこで手数がかかっているかを見つける(人件費コスト)
・レターパックに置き換わる数量を予測する


◎製薬メーカーがインドで治療薬を無償提供する活動をファイナンスではどう見るか?
STEP1:コスト
・「管理会計(ファイナンス)」のうえで黒字化
・人材定着効果による採用など人件費関連コストの削減
STEP2:時間
・まずは顧客になってもらい、市場をとる戦略(Evernoteなどと同様)
・無償配布期間のコストは、性質的には「戦略的」に行った初期投資
・製薬業は製造原価が低いため、初期投資にあたる額を抑えられる
STEP3:比較
・製造コストは、人件費や広告宣伝費を代替
・社会的評価も判断基準のひとつ

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