不況を言い訳にしない社員心得帳 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2012-05-30 |
評価 (3点/5点満点)
本書はどうしたら利益に貢献でき、給料が上がる社員になるかを具体的に示し、ビジネスパーソンとしての自己革新(セルフ・イノベーション)に役立てることを目的としています。
誰かがやってくれる。会社が何とかしてくれる。国は何もしてくれない・・・こんなことを言っていても、自分の人生は少しもよくなっていきません。
周りに期待して待っているのは時間の無駄。自分が変わらなければ何も進歩しない。改めて自分を奮い立たせてくれました。
【my pick-up】
◎「会社の数字」のイロハも知らない社員はプロとはいえない
新人であろうとベテランであろうと、仕事上で社外の人と会っているときは、〝会社の代表〟にほかなりません。ゆえに相手は、会社の基本的なことを教えてもらおうと質問するのです。
であるのに、自社の年商も資本金も知らないようでは、「この人と話をしていても仕事にならない」と、相手にされなくなってしまいます。
営業部員の場合は、新規開拓する見込客の業績を把握しておいたほうがいいのですが、自社の売上げや資本金さえ関心がないとなると、おそらく相手の会社の数字を見てもピンとこないことでしょう。
ビジネスパーソンの中には数字に弱いことを自慢しているかのように話す人もいます。「私は数字は苦手でして、ワッハッハ・・・」といった具合に。「数字に弱いことなど大した問題ではない。仕事の能力は数字じゃないよ」とでも言いたいのでしょうが、相手から見ると笑ってすまされる問題ではありません。ビジネスには数字はつきものです。数字に弱いというのは相手にとって不安材料にもなるのです。
ビジネスパーソンにとって数字に強いか弱いかの分かれ目は、数字に表れている意味を理解できるかどうかです。
◎自分の意見を自分の言葉で言える社員たれ!
会議・ミーティングの場で、上司が一人ひとりに「自分の意見」を順番に聞いていくシーンがよくあります。こういうときに「私も○○さんと同じです」ですませてしまう人がいますが、きわめて消極的な態度でほめられません。
事実、同じ意見なのかもしれませんが、仮に同じ意見であったとしても「自分の言葉」で言い直すことが大切です。「私も同じ」では存在感がありませんから、自分をアピールすることはできません。
意見(考え方)が同じでも、自分の言葉で言い直してみると案外、微妙に異なっていることに気づく場合があります。また、上司やほかの人に微妙な違いを指摘されることもあります。「同じと言ったけど、少し違うよ。佐藤くんの意見は○○で、君の意見は△△じゃないの」と。
このような指摘を受けるのは、本人にとってとてもありがたいことです。自分の意見をほかの人が〝検証〟してくれるわけですから。指摘を受けた微妙なズレが発端となって、みんなに新たな気づきが生まれ、よりよい結論が得られる場合もあります。
これが「共創的な会話をする場」のよいところなのですが、そのことによって本人の存在感が高まると同時に、考え方の修練にもつながります。