厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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今年37冊目『シゴトの渋滞、解消します!』

2010-02-28 20:17:26 | おすすめビジネス書
シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則 シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2010-02-19

評価  (3点/5点満点)

著者は東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕さんで、「渋滞学」という新しい研究領域を開拓された方です。

渋滞学とは、数学や物理の理論を活かしながら、道路交通の渋滞をはじめ社会に無数に生まれている様々な「流れの詰まり(渋滞)」を解決するというもので、本書では会社の仕事における流れの詰まりを解消するためのコツをまとめています。

個人・部内・社内の渋滞を解消する方法だけでなく、これまでの経済成長幻想から抜け出し、右肩あがりではない社会を構築していかなければならないこと、またそのためには従来の枠に囚われない分野横断的な知識による課題解決が必要であることも提唱されています。

【my pick-up】

◎「前日の準備(外ダンドリ)」を丁寧にやりましょう

5分もあれば仕上げができてしまうという状態で今日の仕事をやめておいたら、明日には、仕事の始めになかなか能率があがらないなんてこともないまま、スッと仕事を進められて「慣性の効果」を期待できる。要するに「流れ」がよくなるわけです。

私は、風邪を引いてしまっていても、雑務に忙殺されていても、かならずどこかで「些細な一歩」でいいから仕事を進めておくことにしています。この「毎日、何はともあれ進んでいるという感覚」が私にとっては精神的な「慣性の効果」をもたらしてくれているというわけなのです。

◎スタッフのそれぞれの「流れ」を大切にしてあげてください

個人のワクを超えて、部内や課内における集団作業の仕事の渋滞を解消するためには、管理する人間は何を意識したらいいのか、それは、「部内や課内のスタッフがどこまで自分でモチベーションをあげて仕事に向かえるのか」に尽きるのではないでしょうか。

つまり、研究にイヤイヤ向かっている人がいるのなら、本人だけではなく周囲も含めた「流れ」が悪くなるのです。

◎最高の渋滞解消法は、「会話をすること」「命令しないこと」

ものごとの「流れ」の最も注目する「渋滞学」の視点から捉えるのであれば、「命令は絶対に他人の背中を押すことにはならない」と強く感じています。

◎交代で利益を得ることが集団全体の利益を最大にしてくれます

「うれしい結果が出たときと同じ行動を次回は取らないようにする」という戦略をたくさんの人が実践する、つまり「譲りあう社会」こそが集団全体の利益を最大にしてくれます。

これは、説教や道徳ではありません。数学的に証明されていることなのです。

◎組織の理想は「0.9+0.9+0.9=5」なのです

私としてはそもそも個人の能力を「1」と最大限出さないほうがいいのではないだろうかと考えています。組織全体において、個人の発揮する能力の最大限度は、せいぜい「0.9」ぐらいでいいのです。

個人の全力は「組織全体にとっては迷惑」とさえ言えるのかもしれません。自分の全力というのは、「個人のパフォーマンスを最大にすると同時に、自分のエゴも最大限に発露させてしまう」というところもあると想像できるのです。

社会に参加するためのコストは、「0.1」でいいのです。あなたが会社の社員なのだとしたら、所属している会社に対しては「会社に参加するためのコスト」を支払って、会社のなかの他の人たち協力していかなければならない。個人は、「所属している社会、会社、集団」に対して、自己主張をおさえて、他人のことも考えて譲り合わなければならないのではないでしょうか?

会社の全員にとってプラスになるような、その「0.1だけ譲ること」は、なかなか、「能力を自覚している個人」ほど、できないものなのです。

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今年36冊目『結果を出す人のこころの習慣』

2010-02-27 00:04:59 | おすすめビジネス書
結果を出す人のこころの習慣 結果を出す人のこころの習慣
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2010-02-02

評価  (3点/5点満点)

スポーツ心理学を専門とする東海大学教授・高妻容一さんが、スポーツで勝つために必要とされている①やる気、②セルフコントロール、③イメージの活用、④集中力、⑤プラス思考、⑥セルフトーク、⑦コミュニケーション、⑧徹底した成功への準備が、ビジネスなどの日常でも結果を出すためには必要だとして、そのノウハウを公開しています。

本書の内容は、分かりやすく説明するために敢えて記載されていませんが、スポーツ心理学としての科学的裏づけがあるものです。メンタルトレーニングは、まさしく一流の人たちが行っている考え方をまねして鍛えれば、自分自身で使いこなすことができます。

【my pick-up】

◎結果を出す人は笑顔を絶やさない

笑うとプラス思考になれるーこれがメンタルトレーニングの考え方です。どうすればプラス思考になれるのか?じつは、いちばんてっとり早いのが〝笑うこと〟なのです。笑顔というのは心をコントロールするテクニックのひとつであり、道具でもあるわけです。

負けているときこそ、マイナス思考におちいった頭を笑顔でプラス思考に切りかえる必要があります。結果を出す人は、そうやって気持ちをコントロールするために笑顔を利用しているのではないでしょうか。マイナス思考になってしまったときには、とりあえず大きな声で笑ってみましょう。

◎結果を出す人は朝食を欠かさない

朝食は疲労回復にも大きく影響することが栄養学的にわかっています。朝食をとると血糖値が上がり、それにより前日の体の疲れがとれやすくなるのだそうです。

◎結果を出す人は心がぶれない

イチロー選手はチームメイトが飲みに行っても自分は同行せず、毎日の課題をもくもくとこなすそうです。それは自分の生活のリズムを崩さないためであり、なおかつ結果を出すため。

「おい、飲みに行こうぜ」友人にそう声をかけられると、今夜は自主トレをしようと思っていても、ごく普通の選手ならぐらりと心が揺れてしまいます。でも、結果を出す人は1年後、5年後、10年後のことを考え、いまやるべきことを把握して行動しているから迷いがない。心がぶれないのです。そのあとは飲みに行こうが遊びに行こうがかまわないのです。

◎結果を出す人は楽しく始めて楽しく終わる

選手をどなりつけて威圧し、罰を与えてビシビシしごくというひと昔前の特訓方法はもう古い。そうではなくて、選手たちがそのスポーツを心から好きになれるよう、ほめて育てるというのがいまのコーチングの主流となっています。

おすすめしたいのが、いいところをほめながら、その合間に欠点を指摘してアドバイスし、またいいところをほめてやるという方法です。

◎結果を出す人はオンとオフをはっきりさせる

オンとオフの区別ができていないと、疲れてしまいます。オンとオフをはっきりさせたほうが、健全な心を維持できるということです。

◎結果を出す人はスランプを経験している

スランプというのは〝次の段階へ上がるためにはいまのやり方を変えたほうがいいよ〟という合図なんだ。

◎結果を出す人は反省だけで終わらせない

反省するだけで終わってしまったり、欠点を指摘されるところでストップしてしまうと、頭の中にマイナスのイメージだけが残ってしまう。ほんとうはそれをプラスのイメージに転換してから終わらせないといけません。

◎結果を出す人は成功体験にこだわる

結果を出す人は失敗したことを反省してそこから何かを学ぶよりも、成功した体験を思い返して、そのときと同じようにやってみようと考えます。失敗の分析が大切なように、成功体験の分析も大事なこと。仕事のミスを反省するのも大事ですが、成功体験にこだわるのはもっと重要なことです。

◎結果を出す人は人と違う「楽しみ方」をする

私は一流の人と二流、三流の人では「楽しみ方」に大きな違いがあると考えています。

一流の人は自分にチャレンジすることや自分を追い込むことが楽しい。二流の人は結果に楽しみを求める。三流の人は、監督や上司の目を盗んでサボることに楽しみを覚えます。

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今年35冊目『できコツ』

2010-02-25 22:26:05 | おすすめビジネス書
できコツ “凡人”が“できるヤツ”と思い込まれる50の行動戦略 できコツ “凡人”が“できるヤツ”と思い込まれる50の行動戦略
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2010-02-20

評価  (3点/5点満点)

凡人である自分を有能なビジネスマンに見せかけるコツ集です。ただし小手先のテクニックではなく、継続して実践すれば本当にデキるビジネスマンになることができます。

著者の野崎大輔さんは1976年生まれの34歳。現在は独立して人事労務管理事務所の代表として活躍されていますが、大学卒業後、3社をすべて1年以内に辞め、4社目でやっと自分のやりたいことが見つかったと言います。そのような経歴から会得した本書のコツは、特に20代のビジネスマンに身につけてほしい内容です。

【my pick-up】

◎ランチタイムは「自分だけの時間」でもある

私の場合、基本的には、ランチタイムは一人で過ごしていたことが多かったです。私は大勢で行くことで時間、それも特に癒しの時間を失いたくなかったのです。

凡人は「孤独になる勇気」を持つことを心がけましょう。多くの人は、安心を求めて群れることを好みます。しかし、貴重な「自分だけの時間」を持ちたければ、一人で行動できなければいけません。

◎「できるヤツ」は風邪をひかない!

実際、できるヤツは日頃からしっかり体調管理をしています。彼らは疲労がたまってきたら早く帰り、休養してリフレッシュすると、またバリバリと働くのです。

◎ブランド品を所有すると感じる意外な「隠れ効果」

ブランド品を所有することが、どのように自分の成長にプラスに働くのでしょうか。私は「信頼度アップ」「自信アップ」「話題性アップ」という3つの面が挙げられると思います。

◎高級店の常連になると「チョイ大物」に見られる

どのようにして常連になるのか、基本的には次の3つです。その1、週に1~2回は行くこと、その2、オーダーの時にさりげなく会話、挨拶をすること。その3、同じメニューを頼むこと。やはり印象付けるのが大事だと思います。

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今年34冊目『リーダーシップの旅』

2010-02-24 23:44:20 | おすすめビジネス書
リーダーシップの旅  見えないものを見る (光文社新書) リーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)
価格:¥ 819(税込)
発売日:2007-02-16

評価  (3点/5点満点)

上司から紹介された本です。刊行から3年経っていますが、丸善本店では平積みになっており、コンスタントに売れているか、現在販売に力を入れているか、ある程度注目されているようです。

NPO法人理事長・野田智義さんと神戸大学大学院教授・金井壽宏さんが、実践と学問双方からのアプローチでリーダーシップについて考察しています。

・リーダーシップが生まれつきだったら、学んでも仕方がない。リーダーは生まれつきというより、プロセスをへて、結果において共振現象として徐々に姿を現すものだ。

・リーダーシップが一部の特別の人だけのものだったら、それは簡単に偉人伝に陥ってしまう。「あの人リードする人、私はフォローする人」と割り切っていいのだろうか。リーダーシップは見方を変えればだれもの問題でもあるはずだ。

・リーダーになることを、管理職(ポジションとしてのマネジャー)になることと勘違いしている人がいる。だが、管理とは人を鋳型にはめたりすること、組織に安定や秩序をもたらすことであり、肩書きだけでリーダーシップは生まれない。実はかなり大勢の人が深いレベルでは、マネジメントとは別個のリーダーシップに気づきつつ、その世界を生きていない。

この本ではリーダーシップを「旅」にたとえながら話を進めています。それは、結果ではなくプロセスの視点を重視するためです。

【my pick-up】

◎プロセスからリーダーシップを解き明かす

この本で協調したいのは、リーダーを目指してリーダーになった人はいないということだ。社長になろうと思ってなった人はいるが、リーダーになろうと思ってなった人の例を私は聞いたことがない。この世界に生まれ、すべての人が見るのと同じ景色を見て暮らしながら、多くの人とは違う何かを感じ取って行動を起こした人が、行動を続けるプロセスでリーダーと呼ばれるようになるのではないだろうか。

リーダーとフォロワーが、実現したい何かに向かって、ともに旅という時間と空間を過ごすプロセスで、お互いの間には一種の共振関係が生じる。

リーダーは、リーダーになろうと思ってなったわけではなく、「結果として」リーダーに「なる」のだ。そう考えてみると、リーダーシップは一部の限られた人の問題ではなくなる。リーダーシップの要素のうち、多くは後天的に身につくものであり、リーダーは環境によって成長して、リーダーになる。

◎トップの落とし穴

部下は、組織の中でトップと呼ばれる人に「喜んで」「自発的に」ついてきているのでは必ずしもない。一般的な会社や組織において、部下がトップについていくのは、トップがリーダーシップを発揮した結果によってではなく、ヒエラルキーによってだ。ヒエラルキーの中では、リーダーシップではなくマネジメントが日常的に機能する。

◎リーダが挑むものとは

リーダーは創造と変革を扱う。組織の安定性や持続性を維持するためにマネジメントは機能するが、組織の変化を生み出すためにリーダーシップは機能する。

◎ナメクジの道を振り返る

中年がある時期、立ち止まり、自らの来し方を振り返ることには意味がある。30代半ばから40代は、「人生の正午」に当たる。学校を出て働き始めて20年近くが過ぎ、定年を迎えるまではまだ20年少しを残している。十分に経験を積み、現実もそんなに甘くないことは分かっている。そのぐらいの年齢で、自分は本当は何を実現したかったのかを考え直す意味は非常に大きいのではないだろうか。

◎あえてリーダーシップを要素分解すれば

リーダーに求められる資質をあえて要素分解するならば、「構想力」「実現力」「意志力」「基軸力」の4つの力だと私は考える。中でも重要なのは意志力と基軸力であり、普段はこの2つをまとめて(広義の)基軸力と呼んでいる。

基軸力はぶれない、逃げない姿勢の礎となるもので、トレードオフを伴う決断の積み重ねによって磨かれる。

◎利己と利他のシンクロナイズ

旅のスタートが高邁な理想である必要はない。ただし、旅を歩む人(結果としてリーダーになる人)の利己が利己でとどまる限り、旅はより大きな挑戦につながっていかないし、いつの間にか脇道にそれたり、停滞したり、失速してしまう。この点が何より重要だと思う。

いつ振り返っても自発的に人がついてきてくれているのか、そうでないのか。その分かれ目にあるのが、利己と利他のせめぎ合いなのだと私は考える。

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今年33冊目『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』

2010-02-23 21:46:46 | おすすめビジネス書
勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい (光文社新書) 勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい (光文社新書)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2010-02-17

評価  (3点/5点満点)

「遠い将来のことばかり考えないで、目の前の仕事をコツコツやりなさい」

「社会人にとって挨拶は大切です」

「日々の仕事に一生懸命な人間が、結局はかわいがられる」

「先輩や上司と飲みに行って、腹を割って話し合いなさい」

効率重視、短期の個人成果重視の今の職場において、誰も言わなくなってきたセリフですが、先輩や上司は20代の若手にそれを求めています。

この本は、㈱リクルートで「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」等の編集長を歴任後、人材育成コンサル会社を起業した前川孝雄さんが、自己実現やキャリアアップを考える前に、会社組織のなかで会社員として働く意味を、若いうちから正しく理解してほしいという主旨で書かれたものです。

入社して最初の10年間は、自ら敢えて幅を狭めずに与えられた仕事を貪欲にこなすことです。そうすることなしに、本当に自分のやりたいこと、向いていることを見つけるのは不可能です。

【my pick-up】

◎「かわいげ力」を身につける

もう少し自分自身に対して甘えることを許してみてもいいのではないかと思います。真面目で責任感が強いのは、言うまでもなく良いことです。でも大人から見ると、それが意固地でかわいげがないように映る。

◎読書を通じて主人公たちの喜怒哀楽を疑似体験する

ユニクロを展開するファーストリテイリング社長・柳井正氏の『一勝九敗』『成功は一日で捨て去れ』など、ビジネスマンで物事を成し遂げた人の話も必読です。

重要なのは、ひとりの人間が仕事や組織、人生のなかで高みを目指して葛藤する姿、孤独のなかで苦しみ抜く姿などを、読書を通じて自分のこととして血肉化することなのです。

読書の効用とはそういうところにあるのだと私は思っています。

◎「安定」は変わり続けることで得られる

安定するためには、ぼんやりとでいいから目的を常に意識して、それでいて手段はどんどん変えていきなさい。

モチベーションの消失は、手段と目的の区別がついていないから起きるのです。

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