評価 (3点/5点満点)
仕事のクオリティを高めたいなら、実力をつけるより、今の実力を出し切ることに意識を向けたほうが圧倒的に近道です。なぜなら、ほとんどのビジネスパーソンは、自分の力を半分も出せていないから。
この本では、順天堂大学医学部教授で自律神経研究が専門の小林弘幸さんが、「自分のコンディションを整え、今ある実力を十分に発揮するため」に自律神経を整えるちょっとしたコツや考え方を紹介します。
そこでのキーワードは「ストレスフリー」。できるだけストレスのない状態をつくることが、結果として自律神経を整えることになるのです。
これまで自律神経というと健康という側面ばかりがクローズアップされてきましたが、本書はビジネスパーソンが今の実力を十分に発揮するために、ストレスになっていることを1つ1つ丁寧に取り除く行動パターンや意識づけに注目しています。
掲載されている方法は非常にシンプルかつ簡単なことばかりですので、積極的に取り入れてみましょう。
【my pick-up】
◎イライラしたときは「日光のサル」(見ざる、聞かざる、言わざる)になりきる
職場や飲み会で「他人の悪口」や「自分のイヤな評判」を耳にしてしまったときも、「聞かざる」の精神でスルーし、「言わざる」の精神で何も言いません。当然、私にだってイヤなことを耳にして「ちょっとは言い返したい!」と感じることはあります。でも、そこで言い返したところで、余計な言い争いを生むだけで、さらに自律神経を乱す一方。
◎本当の得意分野では「嫉み」「僻み」は生まれない
「得意分野で勝負する」というのは、突き詰めれば「自分との戦い」だと私は考えています。他人と比較して「勝った、負けた」と優越感に浸ったり、嫉んだり、僻んだりしているうちは、本当の意味での得意分野ではないと、私は思います。注意深く周囲を観察してみると、他人の悪口を言ったり、嫉んだり、僻んだりしている人というのは、自分の苦手(あるいは、それほど得意でない)分野で勝負している人ばかり。