厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2022年121冊目『人生の経営』は、出井流・会社にも定年にもしばられないキャリア論

2022-04-29 14:02:24 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

元ソニーCEOで、84歳の今も現役経営者である出井伸之さんが、会社にも定年にもしばられず、自分の人生を〝経営〟するキャリア論について語ります。

 

・よく経営を退いたあとにも同じ会社に顧問や相談役という形で籍をおいて、財界活動などに勤しむ方がいますが、僕はそんなのはつまらないと思いました。翌年、自分が創業者となって社員10人ぐらいの小さな会社をつくりました。

 

・なぜ一律に年齢という基準だけでリタイアする時期を決められなければいけないのでしょうか。会社から必要とされなくなったときに、辞めればいいだけの話です。

 

・仮に会社を辞めても、働いて輝くことは可能です。その可能性から目を背けて「定年後」や「余生」にばかり目を向けるのはあまりにもったいない。

 

自分ができないことは周りの力を借りて、またあなたが得意なことはその力を周りの人にために使う。

いくつになっても自身が自分の人生のCEOであることを忘れないようにしたいですね。

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2022年120冊目『会社員50歳からの生き残り戦略』は、人を育てること、周りを助けることをまずは実践する

2022-04-29 13:50:33 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は「50代社員に関する意識調査」の結果を紹介し、まずは50代のビジネスパーソンの現実をしっかりと受け止めます。

そのうえで、50代の強みやコミュニケーション、転職や独立しても困らない年収を維持・向上する力、50代以降のキャリアビジョンに関するアドバイスなどをお伝えします。

 

「もう俺には無理だから」とか「今さらやっても」と開き直った態度は、いちばん嫌われます。

50代になっても、ダメな点は努力したり、サポートしてくれる人に感謝し、真摯に成長していこうとすれば、まだまだ幸せに楽しくやっていくことができると思います。

 

【my pick-up】

◎役職なし、それが何だ?

担当部長や副部長、次長など、組織の長ではない役職は、おそらく今後はなくなっていきます。単に名誉として、会社が気を使ってくれているだけの肩書きです。組織の長でないのであれば、役職のない人と大した違いはないのです。部長でありながら、部長としての役割を果たしていない人も少なくありません。大事なのは、肩書きではなく、会社に求められている役割をきちんと果たすことです。

では、50代で役職のない人は、組織の中でどのような役割が求められているのかというと、そのひとつは人を育てることです。自分の仕事を体系化して、マニュアルをつくり、部署や会社に残すこともできます。そうすれば、自分の知識やスキルを後輩に継承し、人材育成に貢献できます。「なぜそれを行っているのか」など、仕事の「やり方」だけでなく、その背景にある「考え方」もまとめました。その仕事を初めてやる人が見てもわかるようなものをつくれば、会社の財産になります。

もうひとつは、困っている人がいたら助けること。アドバイスをするだけでなく、一緒にやってあげる、悩みを聞いてあげるなど、役職に関係なくできることはあります。

◎年収800万円を維持するコンピテンシー

課長と部長の最大の違いは「戦略策定」と「変革力」です。

「戦略策定」とは、ビジョン(会社や組織の3年後・5年後のあるべき姿)に向かう戦略を策定し、具体的な方針を示すことです。戦略とは、「やるべきこと」と「やらないこと」を明確に示すこと。戦略を策定し実行すれば、他の選択肢は捨てることになります。部長になるには、事業戦略、組織戦略、人事戦略、財務戦略のいずれかに長けていることが重要な条件となり、高度な勉強が必要となります。

「変革力」とは、会社や組織に重要な影響を与える新たな取り組みや大きな変革を実現することです。伝統や慣習にしばられている、過去をひきずっている、現状に満足し、危機意識がない。常識的な発想しかできない。反対されるようなことを言わない。長いものに巻かれる。こうした言動はNGです。一回、現状や過去を一切否定し、誰も考えつかないような発想をしてみる。反対されても貫き通すだけの現状を打破する改革案になっているかを検討してみる。「変革力」にはこうしたスキルが必要となります。

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2022年119冊目『東大金融研究会のお金超講義』は、お金に留まらない「自分の頭で考える」人生戦略を学ぶ

2022-04-29 13:37:00 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

東大金融研究会とは、東大生を中心とする金融・ビジネス系研究会です。

20年近くにわたりヘッジファンドに在籍していた著者が、東大の株式投資サークルから「投資について教えてほしい」という依頼を受けたことが発足のきっかけとのことです。

 

この本では、東大金融研究会で学ぶことができる「お金の教養と人生戦略」がまとめられています。

 

ただし、お金を増やすためのテクニック・ノウハウには、ほとんど触れていません

何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開する。そんな「自分の頭で考える」習慣を身につけることが主眼となっています。

 

【my pick-up】

◎勝率60%を10年続けてトップ2%になる

株式投資の世界でTOPIXに勝てる確率は五分五分。私は、運用のプロであるファンドマネージャーたちは、この「しょせん五分五分」の世界で勝率を60%にする作業をやり続ける人たちだと考えています。この60%の壁こそが周囲から抜け出るために超えるべきものなのです。株式投資だけではなく人生全般において、「勝つ」ということは「どうすればあと10%、勝率を上げられるか」なのです。「勝率60%」を1年だけクリアすればよいのであれば、そう難しくはありません。問題は、永続的に利益を残せるかどうか。勝率60%を「10年続けて維持できれば」トップ2%に入れるのです。

◎「どれだけの人を巻き込んだか」が、仕事の価値を測る重要な軸

人を巻き込まない「仕事量=ゼロ」の仕事は、「仕事」ではなく「作業」です。私は、「仕事をしている」という感覚と「作業しかしていない」という感覚のギャップは、これからの時代にはどんどん広がっていくのではないかと思っています。

◎副業(社内副業も含む)のメリット

「人生100年時代」は長い戦いになります。そこで大事なのは、なるべく多くのオプション(選択肢)を自分でつくり出すことです。「毎日忙しいから」「今の業務が大変だから」と言いながらオプションをつくり出すことを放棄している人は、人生の勝負で負けてしまう可能性を意識すべきでしょう。

◎「ミッション・ビジョン・バリュー」と業績目標

「ミッション・ビジョン・バリュー」の怖いところは、会社がかかげる目的と一体化することが心地よく、本来は企業として必須であるはずの業績目標の達成を軽視する人が現れかねないことにあるといえます。エリアB(ミッション・ビジョン・バリューへの共感は強いが、業績目標は達成していない)の人に違和感を覚えない組織は、いびつです。ですから会社としては、エリアBに長くとどまっている人にこそ注意が必要だと思いますし、なるべく早くエリアA(ミッション・ビジョン・バリューへの共感が強く、業績目標を達成している)に移れるような施策を考えるべきなのです。

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2022年118冊目『THE HOPE 50歳はどこへ消えた?』は、人生のターニングポイントで改めて「半径3メートルの小さな環境」を良くすることを考える

2022-04-28 15:49:28 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

肉体的にも、精神的にも、社会的にも、豊かで幸せな人生を手に入れる方法をお伝えるのがこの本の目的です。

 

著者が研究している健康社会学は、人と環境の関わり方に注目し、人の幸福感や生きる力を研究する学問です。「人は環境で作られ、人は環境を変えることもできる」ことを前提にします。

 

一例として、自分という個人を取り囲む「半径3メートルの小さな環境」で共に暮らす人々といい関係が構築できれば、どんなに生きづらい世の中であっても、どんなに険しい壁にぶち当たっても、それを乗り越えられると言います。

 

<心理的ウェルビーイングの6つの思考>

1.自己受容

自分と共存する

2.人格的成長

自分の可能性を信じる

3.自律性

自分の行動や考え方を自己決定できる

4.人生の目的

どんな人生を送りたいかはっきりしている

5.環境制御力

どんな環境でもやっていけるという確信

6.積極的な他者関係

温かく信頼できる人間関係を築いているという確信

 

また、本書では著者も通ってきた50歳にフォーカスしています。

若手でもない、かといって高齢者でもない。実に宙ぶらりんで、地に足がつかない、ふわふわした居心地の悪さに曖昧な不安が募った。そうして訪れた50歳。(P.139)

 

若い頃、思い描いた50歳はどこに消えた?人生のターニングポイントを過ぎれば、余裕ある人生を送れると信じていたのに、何かにつけてお荷物扱いされてまう50代。

年齢を重ね、50歳にもなると「自分の弱みを見せるのは恥ずかしい」「人に頼るなんて弱い奴がやることだ」などと思いがちです。しかし、しんどい時はためらうことなく、他人の傘にすがればいいのです。

 

もし、50代の皆さんがする仕事が、会社という組織の業績に直結しないものでも、人間らしい行いをすれば、それは人生の素晴らしい業績になります。

自分を信じて一歩前に踏み出す、その日々の一歩一歩にこそ価値があると実感する内容です。

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2022年117冊目『起業家の思考法』は、正解のない現代に必要な「別解力」を身につける

2022-04-28 15:37:11 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

素直で優秀な人ほど他人も認める正攻法で、真面目に仕事に向き合っています。しかしそのせいで、「正解がない」と言われる現代では、頑張ってもなかなか結果に表れないのです。

 

一方で、正解がない時代に圧倒的成果を上げているのが「起業家」です。

そんな「起業家の思考法」を身につけて、自分の頭で考え、圧倒的な成果を出す、これが本書の狙いです。

 

起業家の思考法は次の5つの力で成り立っています。

1.発見力

目標を達成するために、解くべき問題を「発見」する力

2.別解力

「自分らしく」「優れた」「別の」やり方を組み合わせ、他の誰も思いつかない「別解」を生む力

3.実現力

別解を絵に描いた餅に終わらせず、「実現」する力

4.失敗力

「失敗」を最小限に抑え、糧にする力

5.成長力

ビジネスパーソンとして自らを鍛え「成長」し続ける力

 

この中で最も重要なのは、2番目の「別解力」だとしています。

課題に対し「他の人が思いつく方法(=正解)」を仮定したうえで、それを上回る「自分だけの打ち手(=別解)」を考える力です。

 

起業家の優れた能力は他の人と違う打ち手を実行できる点ではないでしょうか。その能力を起業家以外の人も使えるようになれば、世の中に数多くのイノベーションが生まれると思います。

優れたやり方ばかりを選択し、正解を出して誰かの真似をしているだけでは大きなホームランは打てませんよね。人と違った個性、つまり正解ではなく別解が求められているのです。

 

別解力を核とした起業家の思考法は、過去の効率や生産性重視のフレームワークによって生み出される無味乾燥な問題解決の方法ではありません。

楽しみながら自分の頭で思考し、行動し、習慣化することで成果が上がる思考法です。

 

【my pick-up】

◎視座を高めて問題を発見する

誰かに投げられた問題や課題をこなすだけではトップに立つことを実現できないと思い、自分から仕事を取りにいったり、課題を提言したりしていました。「リクルートにはこの部分が足りません」「紙の会社だから、インターネットが遅れています」「江副さん(創業経営者)のころから何も変わっていないじゃないですか」生意気なことを言ったと思います。しかし、問題を発見する力があれば、上司や先輩より問題の本質に近づくことができます。それを解決すれば、会社にとって価値の高い問題解決になり、評価は高まります。

◎かつて問題を解いた人の情報を収集する

世の中に存在する問題は、99%過去問、あるいは過去問の相似形でしかありません。だとしたら、事前に過去問に当たる作業は絶対にやるべきです。過去問に当たったうえで、その先の1%の問題の本質に対する準備に集中する。そうすれば、問題を解決し、高い成果を上げられるようになると思います。

ここで重要なのは、過去の強い人に会っていろいろ教えてもらったからといって、その人と同じようにやろうと考えないことです。真似をすることに、競争優位性はありません。むしろ、過去の問題を解き方を含めて把握したうえで、それとは別の自分独自のやり方を考えることに意味があります。

◎「自分らしいやり方」

誰かに評価してもらえたり、客観的な結果が出る機会を体験しなければ、いつまで経っても自分らしさを把握することはできません。まずは、アウトプットの場に立つことで自分らしさを見つけ、それを活かした自分ならではのやり方を確立していくことが必要です。

◎「別のやり方」

「優れたやり方」と違って定量化できないために相対的な評価ができず、インパクトが強くなります。新しいこと、誰もやっていないことをやると、自分だけが違うことをやるために価値以上に評価されます。みんながマルに飛び込んで失敗しているときに、ひとりだけバツに飛び込むと、ひとりだけ未来が見えているように見られ、より差を生むことができます。すると、必要以上の価値が生まれているように錯覚され、差分が圧倒的になるのです。

◎別解力の障壁を取り払う

誰かの期待に応えられる優秀な人たちが、世の中を変えてきたわけではありません。反面、誰かの下で働く能力は高い。つまり、優等生案を実行できる人は世の中に数多くいるので、替えがきく存在になってしまうのです。

言葉は悪いですが「ヘンな人」「変わっている人」と言われることに対する耐性がなければ、別解を出し続けることはできません。むしろ私は、ヘンな人しか天才はいないと思ってリスペクトしています。だから私も、周囲から「あいつはおかしいんじゃないか」と思われても迎合せず、自分のスタイルを貫いてきました。そうしてきたことで、結果が出せていると信じています。

◎人と違うことをして、ひとりで行動する

成長して強くなるには、他人と同じことをしても意味がないと思うことが重要です。世の中には解決しなければならない問題が無数にあります。他人と同じことをやらないと思えるメンタリティを持っている人は、急激なスピードで成長していくでしょう。日本は、個性を出せと言いながら、個性を認めない社会です。それでも個性を出せるかどうか。それが別解力につながり、成長につながるのです。

個性を発揮する勇気を持つというより、個性を発揮できなければつまらないというメンタリティに変えてみてはいかがでしょうか。それは、同調圧力に負けずひとりで行動することから始まります。

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