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(4点/5点満点)
素直で優秀な人ほど他人も認める正攻法で、真面目に仕事に向き合っています。しかしそのせいで、「正解がない」と言われる現代では、頑張ってもなかなか結果に表れないのです。
一方で、正解がない時代に圧倒的成果を上げているのが「起業家」です。
そんな「起業家の思考法」を身につけて、自分の頭で考え、圧倒的な成果を出す、これが本書の狙いです。
起業家の思考法は次の5つの力で成り立っています。
1.発見力
目標を達成するために、解くべき問題を「発見」する力
2.別解力
「自分らしく」「優れた」「別の」やり方を組み合わせ、他の誰も思いつかない「別解」を生む力
3.実現力
別解を絵に描いた餅に終わらせず、「実現」する力
4.失敗力
「失敗」を最小限に抑え、糧にする力
5.成長力
ビジネスパーソンとして自らを鍛え「成長」し続ける力
この中で最も重要なのは、2番目の「別解力」だとしています。
課題に対し「他の人が思いつく方法(=正解)」を仮定したうえで、それを上回る「自分だけの打ち手(=別解)」を考える力です。
起業家の優れた能力は他の人と違う打ち手を実行できる点ではないでしょうか。その能力を起業家以外の人も使えるようになれば、世の中に数多くのイノベーションが生まれると思います。
優れたやり方ばかりを選択し、正解を出して誰かの真似をしているだけでは大きなホームランは打てませんよね。人と違った個性、つまり正解ではなく別解が求められているのです。
別解力を核とした起業家の思考法は、過去の効率や生産性重視のフレームワークによって生み出される無味乾燥な問題解決の方法ではありません。
楽しみながら自分の頭で思考し、行動し、習慣化することで成果が上がる思考法です。
【my pick-up】
◎視座を高めて問題を発見する
誰かに投げられた問題や課題をこなすだけではトップに立つことを実現できないと思い、自分から仕事を取りにいったり、課題を提言したりしていました。「リクルートにはこの部分が足りません」「紙の会社だから、インターネットが遅れています」「江副さん(創業経営者)のころから何も変わっていないじゃないですか」生意気なことを言ったと思います。しかし、問題を発見する力があれば、上司や先輩より問題の本質に近づくことができます。それを解決すれば、会社にとって価値の高い問題解決になり、評価は高まります。
◎かつて問題を解いた人の情報を収集する
世の中に存在する問題は、99%過去問、あるいは過去問の相似形でしかありません。だとしたら、事前に過去問に当たる作業は絶対にやるべきです。過去問に当たったうえで、その先の1%の問題の本質に対する準備に集中する。そうすれば、問題を解決し、高い成果を上げられるようになると思います。
ここで重要なのは、過去の強い人に会っていろいろ教えてもらったからといって、その人と同じようにやろうと考えないことです。真似をすることに、競争優位性はありません。むしろ、過去の問題を解き方を含めて把握したうえで、それとは別の自分独自のやり方を考えることに意味があります。
◎「自分らしいやり方」
誰かに評価してもらえたり、客観的な結果が出る機会を体験しなければ、いつまで経っても自分らしさを把握することはできません。まずは、アウトプットの場に立つことで自分らしさを見つけ、それを活かした自分ならではのやり方を確立していくことが必要です。
◎「別のやり方」
「優れたやり方」と違って定量化できないために相対的な評価ができず、インパクトが強くなります。新しいこと、誰もやっていないことをやると、自分だけが違うことをやるために価値以上に評価されます。みんながマルに飛び込んで失敗しているときに、ひとりだけバツに飛び込むと、ひとりだけ未来が見えているように見られ、より差を生むことができます。すると、必要以上の価値が生まれているように錯覚され、差分が圧倒的になるのです。
◎別解力の障壁を取り払う
誰かの期待に応えられる優秀な人たちが、世の中を変えてきたわけではありません。反面、誰かの下で働く能力は高い。つまり、優等生案を実行できる人は世の中に数多くいるので、替えがきく存在になってしまうのです。
言葉は悪いですが「ヘンな人」「変わっている人」と言われることに対する耐性がなければ、別解を出し続けることはできません。むしろ私は、ヘンな人しか天才はいないと思ってリスペクトしています。だから私も、周囲から「あいつはおかしいんじゃないか」と思われても迎合せず、自分のスタイルを貫いてきました。そうしてきたことで、結果が出せていると信じています。
◎人と違うことをして、ひとりで行動する
成長して強くなるには、他人と同じことをしても意味がないと思うことが重要です。世の中には解決しなければならない問題が無数にあります。他人と同じことをやらないと思えるメンタリティを持っている人は、急激なスピードで成長していくでしょう。日本は、個性を出せと言いながら、個性を認めない社会です。それでも個性を出せるかどうか。それが別解力につながり、成長につながるのです。
個性を発揮する勇気を持つというより、個性を発揮できなければつまらないというメンタリティに変えてみてはいかがでしょうか。それは、同調圧力に負けずひとりで行動することから始まります。