評価 (3点/5点満点)
経営トップ、役員、各部門の長たちを動かす30~40代の有志に向けて書いた組織開発の本。
組織開発とは、経営トップから現場社員にいたる人々が対話を重ねていき、自分たちの見方や前提を見直したり探求したりすることで、一人ひとりの行動や考え方が変わることだ。(P.19)
多くの場合、組織の本質的な課題として浮上するのが「経営への信頼」だ。具体的には、上司への信頼、部門のトップである役員への信頼、そして社長への信頼である。(P.60~61)
組織開発の原則は、「各層のコンセンサス」「経営トップから始める」「当事者主体」の3つであることが分かります。
【my pick-up】
◎組織課題の本質を見極める
トップのメッセージが、事実上、役員・本部長たちによって骨抜きにされてしまっている。課長の問題の原因は課長だけにあるのではなく、部長にもある。部長の問題の原因は、役員・本部長にもある。役員・本部長の問題の原因は、社長にもある。「自分の声を経営が受け止めてくれる」という信頼が揺らいでいるから行動できないのだ。この事実を、経営トップ以下のマネジメント層が真摯に受け止め、信頼を育めるように自分を変えられるか。これが、組織課題の核心なのである。また、現場から離れている経営企画部や人事部も、現場からあまり信頼されていないケースが多くみられる。事務局自身も、この「信頼」というテーマに向き合う必要があるのだ。