厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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今週の日経ビジネスと東洋経済の特集

2012-07-31 20:27:27 | その他私が読んだ本

今週発売の日経ビジネスと週刊東洋経済に、読書に関する特集が掲載されています。その概要をご紹介します。

【日経ビジネス 2012年7月30日号】

経営者に学ぶ 「本」はこう読み込め

ある調査では会社員の月間平均読書数は2.9冊。そんな状況の中、「読書家経営者」として有名な以下の3人に、本とのつき合いを自らの肥やしとするため奥義と、お薦めの3冊を紹介してもらっています。

○キャノン電子 酒巻久社長 「血肉となるまで本と向き合う」

○ライフネット生命 出口治明社長 「本を通して世界を見る」

○ヤフー 宮坂学社長 「スキャンするように読む」

【週刊東洋経済 2012年8月4日号】

週刊 東洋経済 2012年 8/4号 [雑誌] 週刊 東洋経済 2012年 8/4号 [雑誌]
価格:¥ 690(税込)
発売日:2012-07-30

不安な時代を生き抜く「読書の技法」

以下の全160冊が紹介されています。どれも骨太で読み応え十分です。

○専門家7人が勧める15冊

 ・東洋大学教授 中北徹氏 「日本経済」

 ・埼玉大学客員教授 水野和夫氏 「世界経済・金融」

 ・早稲田大学教授 遠藤功氏 「日本企業の競争力」

 ・慶応義塾大学教授 細谷雄一氏 「国際政治」

 ・明治大学教授 野田稔氏 「人事・キャリア」

 ・中央大学教授 山田昌弘氏 「家族・無縁社会」

 ・文筆家・宗教学者 島田裕巳氏 「死に方」

○気になる経済学ガイド

 ・脱成長論を知る10冊

 ・1世紀前のデフレの教訓から学ぶ10冊

○2012年ベスト経済書20、政治書15

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2012年105冊目『戦略おべっか』

2012-07-31 09:44:01 | おすすめビジネス書
戦略おべっか どんな人でも、必ず成功する 戦略おべっか どんな人でも、必ず成功する
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2012-07-12

評価  (3点/5点満点)

『「あの人は優秀だから、きっと他の人が気づかない自分のよさに気づいてくれるだろう」などと期待するのは、仕事のできない部下の甘い幻想である。優秀な上司は、目の前に山積した大仕事に意識を集中させている。小事を見る余裕などない。そんな人間には、彼自身の助けとなる、即効性のあるサービスしか伝わらない。優秀な上司は、そうしたリアルなサービスを瞬時に行ってくれる人間しか評価しないし、優秀な部下はそのことを知っている。こうした、能力の高い人のハートに刺さる、わかりやすいリアルなサービスを、仮に「戦略おべっか」と呼ぶことにしよう。「おべっか」という言葉が嫌なら「気くばり」と言い換えてもいい。「戦略気くばり」ができる人とできない人とでは、出世や収入が違う。』

『本書は、実力ある年長者に取り入って出世し、少しでも格差社会の上に這い上がろうと考えている健全な野心家のためのノウハウ本である。本書には、相手を思いやる心構えといったありがちな抽象論も、敬語の使い方とか、挨拶の仕方といった、どのビジネス・マナー書にも書かれている当たり前のマナーも書かれていない。そうした普通のマナーしか知らない連中を出し抜き、競争に勝ち抜くための具体的な方策だけが並べられている。』

平時であれば「理」も通りますが、土壇場で人間を動かすのは「情」の方です。本書のポイントは、人間結局のところは「情」だということです。

著者はこれまで数々の流行を生み出してきたクリエイターグループのホイチョイ・プロダクションズ。本書では、数多くの電通営業マンたちにインタビューを行い、彼らの細かな気くばりが36の事例として紹介されています。ここまでやるから、電通は圧倒的な存在感を示しているんでしょう。

【my pick-up】

◎3日後に100%の答えを出すより、翌日、60%の答えを出す

仕事はスピードが第一。そもそも、仕事の出来・不出来は主観に過ぎない。だが、速さは客観だ。だから仕事は、出来のよしあしより、速さを優先すべきだ。

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2012年104冊目『すべてが見えてくる飛躍の法則』

2012-07-29 19:01:35 | おすすめビジネス書
すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。 すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、〈三人称〉で考える。
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2012-06-25

評価  (3点/5点満点)

テーマは「人称」によるものごとのとらえ方と思考法を理解するということです。つまり、ここで言う「人称」は思考の尺度を表しています。

本書の序章でそのポイントがまとめられていますので、ざっと紹介しましょう。

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私から見るとビジネスで成功する人には、共通した特徴があります。それは、客観的に自分を見つめる「もう一人の自分」を持っている、ということです。よく、がむしゃらに頑張っているわけではないのに、するすると昇進していく人がいますが、そういう人はたいていバランス感覚に優れているものです。そして、彼らのバランスのよさは、「客観的に自分を見る目」にあると私は考えています。

1人称(視点・思考)とは、自分中心の考え方で物事を判断している思考状態で、結果として自分は満足していますが、まわりのことはまったく考えていない状態です。まさ目先のことしか考えていないので、自分の取る行動が明日以降、どんな影響を生じるか、まったく気にしていません。

2人称視点とは、自分の取る行動に対して、それは相手はどう感じるか、そして相手から自分がどう見えているかということも含めて考えて思考できる状態ということです。

3人称視点とは、自分が誰かにしていることを行動の対象者だけでなく、まわりがどう見ているかということも含めて考え、思考できる状態を言います。

つまり、人称=【視野の広さ】+【思考する時間の長さ】であり、3人称が現場とマネジメント層を分ける境界線なのです。3人称思考が身につくとは、結局のところ、マニュアルを超えた判断ができるということです。

さらに、今の判断や行動がマーケット全体からはどう見えるかというマーケット目線(=4人称視点)や、業界から見た時にどんな影響を及ぼすかという業界目線(=5人称視点)まで、判断の基準は広がっていきます。

現場に求められる視点・・・2人称視点

現場のリーダー(主任)に求められる視点・・・3人称視点

課長に求められる視点・・・4人称視点

部長職以上に求められる視点・・・5人称視点

また、たとえ高い人称を身につけたとしてもそれで油断することなく、日頃から高い人称を維持する努力を怠ってはいけません。

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「この1冊を読んでもらえば、これまで受けてきたビジネスセミナーの多くは、受けなくてもよくなってしまうでしょう」(はじめにより)は、少し大げさかもしれませんが、「人称」というキーワードを使うことで、役職等に応じて期待されるレベルを分かりやすく社員へ説明することができると感じました。

また、客観的に自分やまわりの状況が判断できることは、感情のコントロールにおいても非常に重要です。むやみに焦ったり、怒ったりすることが激減しますよ。

【my pick-up】

◎グラフや図表、集計データそして経営指標は人称を広げるためのツール

会議の内容が営業会議から経営会議へと変わると、そこで提出される資料は単なる営業データだけではなく、決算書などの経営データも並べられます。

自社の将来をどんなふうに創造していくかという目線は、それだけ高くなければ話になりません。そういった意味では、決算書などの経営資料はまさに、人称のレベルを上げていくための重要な資料です。

経営陣が自社の決算資料をしっかりと理解できていないとすれば、経営者と同じ視野や視点に立っていないということです。しかし、こういった資料を使うことによって、思考の範囲が決定されます。決算資料は「人称」という切り口でも重要な資料なのです。

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2012年103冊目『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』

2012-07-27 17:16:41 | おすすめビジネス書
なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか? なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-06-15

評価  (3点/5点満点)

著者の田中裕輔さんは現在、靴の通販サイト「ロコンド」を運営する㈱ジェイドの代表取締役ですが、今の自分があるのは以前勤めていたマッキンゼーでの経験があるからだとして、そこでの自己変革体験が綴られています。

『僕は大学生の時、勉強にも部活にもアルバイトにも何にも打ち込まない、極めて無気力な「ダメ大学生」だった。また自分の利害だけ考えて「日本を良くするのは政治家や社長が頑張ってくれれば良い」と考える、典型的な無責任人間だった。そんな僕のことを根本から叩き直してくれたのがマッキンゼーだったのである。』(「はじめに」より)

お客様や、さらには社会にインパクト(変革)を与える「インパクト思考」が本書のキーワードです。

若手ビジネスマンやこれから社会に進出する大学生だけではなく、ある程度経験を積んだ著者以上の年齢の方にとっても、改めて自分の仕事・人生の〝軸〟を見つめ直す、いい触媒になりそうです。やる気に火をつける読み物としても面白いです。

【my pick-up】

◎マッキンゼーが変えてくれたこと

「寄らば大樹の陰」の思考を捨てること。そして自らがリーダーシップを発揮して日本や世界に対してインパクト(変革)を与えること。これこそが僕がマッキンゼーの中で学んだ価値観である。

◎士官訓練校マッキンゼー

コンサルティング・ファームにはトヨタやソニーのような素晴らしい製品もなければ、特殊なデータの宝庫があるわけでもない。提供できるものはただ1つ、「人」しかないのである。その人材の価値が下がれば、会社が提供できるものの価値も下がる。だからこそ、各自が成長と向き合わなければならないのである。

◎インパクトが出るまで帰れない

僕は今の日本にとって大事なのは、この「お金をもらっている以上、その金額以上のバリューを提供する」というプロフェッショナル精神だと思う。これは経営コンサルタントに限らない。例えば一般事務職の場合でも、1日の仕事を終えた時に「もし自分が経営者だったら、この業務に対して幾ら支払うか」を考えてみて欲しい。今の時代、あらゆる職種をアウトソース(外部委託)やオフショア(海外委託)することができる。そしてそれらに委託した場合、自分の業務に幾らの価値があるのかは容易にわかることである。自分が費用対効果に合っているかを自己評価し、合っていないのであれば、サービス残業をしてでもアウトプットの量を増やすか、質を高めていく。こんなプロフェッショナル精神がなければ、クビを切られても文句は言えない。

◎マッキンゼーを卒業

コンサルタントとして生きたいか、経営者として生きたいか。僕にとってはこの答えは明確で、間違いなく経営者である。僕はたとえプロ野球の超一流選手並みの給与をもらえるとしても、参謀として一生を終えたくない。実行の主体者となりたい。そう考えると、30歳という脂の乗っている期間を「経営者スキルとは無関係なこと」に使うのはもったいないように思えた。そしてこの評価は「今こそが卒業する時」と僕の背中を押してくれているような気がした。

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2012年102冊目『一歩先を行く 集中力』

2012-07-24 21:28:15 | その他私が読んだ本
一歩先を行く 集中力 (アスカビジネス) 一歩先を行く 集中力 (アスカビジネス)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2012-07-12

評価  (2点/5点満点)

集中力に関しては、既にたくさんの本が出版されています。その多くは、有名なスポーツマンや棋士あるいは優れた業績を上げた学者などが自分の集中力について体験的に語っているもの、あるいは、集中力の大切さを説く啓蒙書だったりしています。

これらに対し本書では、集中力を伸ばす教室を実際に開校し、指導してきた著者が書いたという点で、一線を画しているとしています。つまり、集中力がない、あるいは普通だと思っている人を、「私は集中力がある」と自認できる人に変えていく具体的な方法を説いています。

集中するということは自分の心の内部の働きに基づいた行為であり、詳細な仕組みは分からなくても、その良否をはっきり感じることのできる働きです。無意識的であるとしても、自分で感じ取ることができるならば、そのコントロールを強化し、自分を集中力のある人間に変えることはできるはずです。

集中力を改善するための要点として、次の3つを挙げています。

1.体力・健康力の強化

2.右脳の活性化

3.潜在意識に働きかける

本書では、これらの要点を踏まえて、日常の仕事や生活の中で実行できる集中力の改善法や強化法を紹介しています。どれも実践的な方法です。

社会の複雑化に伴い、私たちが集中力を発揮するのを妨げる要因もまた、格段に増えました。ですから、私たちが持つ本来の能力を発揮するために、「何が集中力を阻害しているのか」「集中力をコントロールするための知恵とは」を身につけましょう。

【my pick-up】

◎仕事の集中力は、毎日の読書で養われる

毎日30分でも、読書し続けたなら、あなたの集中力や仕事力は大きく伸びること、間違いありません。

しかし、ビジネスの世界で大成功を収めようと思ったら、もう1つの条件があります。一定期間にある冊数の本を読みこなすことです。

本当の集中力、仕事力を身につけるために、まずは、1日1冊を3年間、つまりおよそ1000冊を目安に読み進めたいところです。

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