評価 (3点/5点満点)
ベストセラー『人は見た目が9割』の著者・竹内一郎さんが伝授する「私」を演出する技術です。
「残念な人」は、多くの場合、非言語情報が原因です。実は、「残念な人」の中には「言っていること」はまっとうな人も多い。言葉だけなら、反感を持たれるはずはない。問題は、自分がどんなタイミングで、どんな表情で、どんな言い方で言ったか、です。
この本での提案は2つです。
・社会の中では自分が果たすべき「役割」を演じる必要がある。(部長には部長の、社長には社長の、総理には総理の役柄に相応しい情報を発すれば受け手の満足度は上がる)
・非言語情報によって、相手に誤解されていること、相手を不快にしていることがあり、それを極力減らす必要がある。(情報伝達には、必ず相手が受け止めたくなる状況になっていなくてはならない。ちょっとした「演出」でその軋轢は減らせる)
本書を読むと、自分をちょっと演出できれば誰でも印象は変えられるんだなと分かります。
私は本書で「自分をちょっとだけ演出すれば、誤解や人間関係のストレスは大幅に減らせる」という提案をしたい。読者に「今までそんなこと考えもしなかった」ということに一つでも気づいてもらって、自分流に工夫できるメソッドを提案したいのである。(序章より)
私たちの目には、人間の行動のすべてが映っています。「誤解を極力減らす術」「私を演出する技術」は、すべて自分の目の前に教材が揃っているのです。
自分の目で見て、よいと思ったことを、自分で身につけて学ぶ。知識を身につける本ではなく、実践できるようになるための1冊です。
【my pick-up】
◎褒め上手は考え方が偏りがち
「良いところを褒める」だけの人が出てくる。まったく叱らないのである。しかしその人は、実は相手のことは爪の垢ほども考えていない。自分の保身のことしか頭にないのである。軋轢を回避しているだけの人だから、結果は芳しくないことが多い。褒めるときは褒める、叱るときはきちんと叱る。そういう姿を見せている人を、周囲は「責任感のある人」と見る。