評価 (3点/5点満点)
リモートワークを体験したことによって、そのメリットを実感したビジネスパーソンが激増しました。
本人:通勤のストレスの軽減、自分のペースでリラックスして働ける、家事・育児・介護との両立
会社:オンラインによるコミュニケーションコストの大幅な削減
今後は、多くの会社において、オフィスに出勤するリアルワークとリモートワークを組み合わせながら、「最適なワークスタイル」を模索していくことになると思います。
そんなリモートを活用してマネジメントができるようになれば、自由にフットワーク軽く動き回ることによって、社外人脈を開拓することができ、情報感度をに高められるでしょう。そこで手にした「資産」を会社やチームに還元することによって、自分自身の「人材価値」を格段に高めることができるのです。
本書ではこのような進化を「課長2.0」と呼んでいます。
リモート・マネジメントに出会ってなければ、「書家」としての人生はなかっただろう。
職場に縛り付けられる従来型の「課長1.0」のままでいたら、私は、おそらく「会社人間」として人生を終えていたに違いありません。
私は、コロナ禍によって、リモート・マネジメントが一般化しつつある現状を肯定的に捉えたい。
(はじめにより)
自分自身が「身軽」になれば、より自由に行動する「課長2.0」の状態へと移行していくことができる。
これまで課長級のマネージャーの多くは、チームを管理するために「職場」という空間に縛り付けられる傾向が強かったと思います。その結果、セレンディピティとはほど遠い環境におかれ、「思考」も「感性」も硬直化していかざるを得なかったのではないでしょうか?
(第5章より)
マネジメントの「本質」さえつかむことができれば、必ず、リモート環境にも適応することができるようになります。
「自走」できるメンバーを育てて、部下が全力で走れるようにサポートすることが重要です。主役はあくまでもメンバーですから、管理職が全面に出て頑張るのは筋が違うと思います。
【my pick-up】
◎「困っていること」を言いやすい状態をつくる
「例のプロジェクト、頑張ってくれてますね。どう?あのプロジェクトの仕事って楽しい?」
この「楽しい?」という質問はなかなか有効です。「うまくいっている?」とか「順調?」という聞き方をすると、「進捗確認」をされているように受け取れらて、メンバーの口が重くなることがありますが、「楽しい?」と聞かれたら、そのような警戒心を抱かれない確率が高いからです。
◎相手の「価値」を気づかせると大きな変化が訪れる
「定年されるまでに、○○さんがこの会社に残したいものは何ですか?それを、若手のメンバーに残していっていただけませんか?」
そして数日後、その方が培った知見を、わかりやすく資料にまとめてくださったのです。その年配社員を講師に、その知見の一部をチーム内の勉強で披露していただきました。
◎意思決定が「遅い」だけで生産性は確実に落ちる
課長クラスの管理職の決断によって、会社がつぶれるほどのことはまず起こり得ません。怖いのは、決断を遅らせることであり、決断から逃げることです。意思決定が遅いということは、現場の動きを止めることにほかならない。「遅い」というだけで、生産性は確実に落ちるのです。また、「決断しない管理職」に対して、メンバーが信頼を失う結果を招きます。そのとき一気にチームは求心力を失ってしまうのです。