評価 (3点/5点満点)
やりくりの苦心や耐乏生活をつづったビンボー自慢の本ではありません。
夫婦で月14万円という薄い年金でも、暮らし方と法的制度を使えば、なんとか楽しくやっていけるというのが本書のメッセージです。
老人の私には、もはや労働から生きる喜びは1グラムも得られない。人は楽しむために生きている。終幕くらいは、ラクして楽しく過ごしたい。(P.33)
年金にはまだ時間がある40~50代の人にも参考になると思います。
老後資金2000万円の悪夢から解放されるかもしれません。
【my pick-up】
◎「単純明快な」節税術
所得控除を積み上げるのにいちばん手頃なのは扶養控除。噂だが、税に強い税務署員は、親類縁者を扶養家族にしているという。一方、サラリーマンは扶養控除の使い方がヘタで、扶養家族にできるのに放置して、みすみす払う必要のない税金を払っている場合がある。
<扶養家族にできる条件>
・年間所得が48万円以下で16歳以上の親族
・扶養にできる範囲は「6親等内の親族」と「3親等内の姻族」で、いとこの子ども、兄弟の孫、妻の祖父母、甥や姪など驚くほど広範囲
・納税者と生計を一にしていること
・だれの扶養親族にもなっていない
・個人事業主の専従者ではない
年間所得48万円以下には、次のような人が該当する。
・給与収入が年間103万円以下の人
・65歳未満で年金が108万円以下の人
・65歳以上で年金が158万円いかの人
この条件をクリアしている年金暮らしの親は、子どもの扶養に入れる。
扶養条件の「生計を一に」とは、生活費が同じサイフであれば、同居の必要はない。親や子どもへの仕送り額には、何円以上という明確な基準はない。ポイントは、納税者が被扶養者の生活の一部を支えている実態があるかどうか。それが証明できればOKだ。