評価 (3点/5点満点)
20代で外資系教育企業でセールスを経験し、世界142か国で第2位の成績を収めることができた著者、和田裕美さんが、世の中の多くの成功している人が使っている能力「本番力」について紹介します。
本番にさえ強くなれば、能力以上の成果を手にできる。
努力が120%報われる。
圧倒的に評価が上がる。
信用を勝ち取ることができる。
チャンスをつかめる。
和田さんご自身も、「世界2位」というたった1回の大成果のおかげで本を出すことができ、この肩書きのおかげで食べていけると言います。ただし、本番力を発揮して成果を上げるまでには、いろいろな苦労や経験があった様子が本書からうかがえます。
コミットして前のめりになって、あなたの人生の本番で成果を見せてください。
ちなみに本書は、もともとの当初の予定では、2011年に出版された『本番力~本番に強い人が必ずやっている26の習慣』という本を新書にするということでしたが、原稿の3分の2を新しく入れ替え、まったく新しい単行本として生まれ変わったとのことです。
【my pick-up】
◎人に会わないときこそ「本番力」が必要なわけ
会社の会議であれば、後ろのほうに座って上司と目が合わないようにしていればよかったかもしれませんが、Zoomの場合は全員の顔がパソコン画面いっぱいにずらっと並んでしまいます。それも新入社員であろうと役職者であろうと同じように並ぶので、とても比較されやすいのです。つまりはリアルな会議より顔を見られることになります。
各個人が目立ってしまうからこそ、余計に積極的に手をあげて発言するほうが前向きなイメージを持ってもらえるし、そもそも他の人と「同じ階層」で顔出ししているので、手をあげる人とそうでない人は並んで比較されてしまいます。周りに人がいなくても手をたたき、うなずき、笑ったりして、できる限りのリアクションをすること。こういう動きのある表現も本番力のひとつです。このオンラインという機会を利用して、今まで以上に発言し、ちいさな声の人はあと少しだけ声のボリュームをあげることが必要になります。
家にいる時間が長くなればなるほど、コミュニケーションの取り方がわからなくなって、どんどん人前に出るのが怖くなり苦手意識をもつようになってしまいます。今はだからこそ、一歩前に出るときなのです!
◎とにかく「手をあげる人」になると決める
ここはもうつべこべ言わずに、さっさと手をあげる人になるしかない。より一層おどろくほど人生への影響は大きいです。朝礼でひるんでしまっていては、人前で話すことなんて、月に到着するくらいの彼方になってしまいます。とにかくやる。やるんです!そうしないと、「やっぱり今日はいいや」と勝手に自分で自分との約束をやぶってしまいかねないのです。
実際にやってみたら、みんな聞いてくれるし、ときに拍手ももらえるし、褒めてもらえたり、注目を浴びたりとネガティブな妄想とは真逆のことが起きて、なんだ怖くないんだと気づけます。
◎すべては「先取り」でいく
すべては「先取り」でいく。とにかく待ち合わせ場所、会議室などは一番にいくことで緊張度合いが低くなります。あとからくる人に自分から「おつかれさまです!」と元気よく挨拶したらもう、その場を自分のホームにできていることになります。遅れていくとアウェイ。先にいくとホーム。こんなことだけで本番に備えることができるのです。
ぜったいに受け身になって声をかけてもらうのを待たない。すべて自分からです。相手が上司でも部下でもどっちが先にするべきとかはどうでもいいのです。
◎緊張するのは「圧倒的な受け身」だから
人前で極度に緊張してしまう人にある共通点は、「圧倒的な受け身」です。「見られている」「聞かれている」「声をかけられる」「褒めてもらえる」という立場から「見ている」などという立場に変えていくのです。
よく考えたら、「見られている」と思う受け身の心理って、とっても自意識過剰ではありませんか?そこであなたに、「思うほどあなたのことを見てないよっ」って言ってあげるので、安心して「見る側」になってください(笑)。