評価 (3点/5点満点)
2023年1月~2024年4月にかけて、信濃毎日新聞科学面に連載された「老化と寿命の謎を探る」をまとめたものです。
当新聞編集委員の著者が、書籍・専門書や研究論文を読んだうえで、専門家の方々を訪ね歩いて文章にしたルポです。
超高齢化社会の中で「老化とは」「寿命とは」を考え、また加齢に伴う疾患を知って対応するのに役立ちます。
老化や寿命について考えることは、人生の持ち時間のなかで何に価値を置き、どこに喜びを見出すのか、すなわち生き方を考えることにもつながります。
【my pick-up】
◎オートファジー活性化のために日常で取り入れたいこと
オートファジーはカロリー制限で活性化されることから、高脂肪食は控えて腹八分目を心がけ、間食もセーブをしたい。適度な運動は、やはりポイントの一つだ。夜にしっかり眠ることも大切で、夕食は早めにして満腹状態での睡眠は避ける。
◎薬剤の服用による転倒
睡眠導入剤、降圧薬などの中には、眠気、ふらつきの副作用を持つものがあり、転倒への気配りが求められる。多剤併用が、転倒事故につながることも明らかだ。
◎50代以降の女性に多い目まい
特定の姿勢を取った時に一時的な回転性の目まいが起きる。剥がれた耳石が三半規管に入り込んで、リンパ液を浮遊することで生じる。治療は、頭や体を動かし耳石を元の位置に戻す「目まい体操」を行う。
◎眠りをそれほど必要としていない高齢者
歳を取れば、若い頃に比べて活動量も基礎代謝量も減少する。細胞などの代謝自体も減ることから、短い睡眠時間で「事足りる」と考えるのは自然であろう。高齢者では6時間を切っても健康リスクが上がらないことがわかっている。むしろ、高齢者にとって8時間以上の睡眠は、睡眠の質が低下する。8時間以上睡眠を取ろうと床で過ごすことは健康に良くない。「体調が悪いのは、よく眠れていないからだろう」との思いや、「健康には、十分な睡眠が欠かせない」といった強迫感を持っているお年寄りも目につく。
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