厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
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2022年25冊目『30歳からのリーダーの教科書』は、真の成功者になるための「原理原則」を身につける

2021-10-31 14:45:36 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本では、主にリーダーを目指す若い方たちに、真の成功者になるためには自分が何を磨いて、何を高めたらよいのかについて、著者が「ぜひこれだけはわかってほしい」と思うことを、情熱を込めて訴えています。

 

著者はグローバルカンパニーで社長職を3社経験し、経営やリーダーに関する書籍も多い新将命さん。

ビジネスパーソンとして成長、成功するための「原理原則」を学び身につけることが目的です。

 

本書は30代のビジネスパーソンに向けて書いたものですが、40代、50代、あるいはそれ以上のキャリア豊富な世代であっても、有益な気づきが得られると思います。文章における言葉の選び方も秀逸です。

 

【my pick-up】

◎権限委譲は人を育てるため

権限委譲は人が育ってからやるものではなく、人を育てるためにやるものである。

任せるときは目一杯任せる。任せるときは任せ過ぎと思うくらいでちょうどよい。じきに平仄が合ってくる。

うるさく報告を求めては任せたことにならない。

あくまでも答えは部下の頭で出させる。人は自分の頭で考えないと伸びない。

部下が報告をおろそかにすれば、上司は必ず不安を覚える。不安は不満と不信につながり、悪循環のもととなる。任されたということは、上司から信頼されたことの証に他ならないのだから、上司の信頼にはとことん応えるという気構えで臨むことだ。

◎戦略と戦術をはき違えてはいけない

戦略は「あれもこれも」では決して成功しない。常に「あれか、これか」なのである。うまくいっていないからと、やることを増やせば増やすほどますます成功から遠ざかる憂き目を見る。戦略の肝は優先順位である。

◎利益の正体

目標としての利益の背景を考えたことは、あまりないのではないだろうか。

目的とするのは理念や理想の実現であり、利益はそのために必要な手段。設備、人財、研究開発など、わが社の持続性を担保するための手段としての顔である。

また、利益とは正しいプロセスの結果である。正しいプロセスを経ることなく得られた利益は、不正な利益か、偶然の利益でしかない。

◎スピークアウト(積極的にものを言う)で出る杭になれ

MBAの講義では、発言の質に加えて、発言の量も評価の対象としているように、欧米人にとっては発言することに意味があるのだ。つまらない質問でも質問しないよりはましというのが、彼らの考え方である。

私が32歳のとき転職して入社した日本コカ・コーラで、当時の上司から入社の初日に受けたアドバイスがある。「この会社では会議や研修会に参加したら、最低2回はスピークアウトすること。そうしないとみんなは君を発言するだけの知識も能力も意欲もない人間と思ってしまう。自分は何も言わず他人の意見を聞くだけで、何も与えない人間は、他人の意見を盗むだけの意見泥棒である。」そもそも2回はスピークアウトしないと、会議に参加する意味がないというのだ。

出る杭は打たれるというが、出ない杭は腐る。日本の企業の中には腐った杭が、文字どおり腐るほどいる。

◎最後は結果

サラリーマンとは、会社に仕事をしに行く人である。一方ビジネスパーソンとは、会社に結果を出しに行く人だ。結果を出せればよいのだから、行き先は会社でなくてもよい。在宅でも別荘でも、結果が出せればそれでよいのである。

闇雲に努力すればよいというものではないということだ。努力するにしても「スマート」に努力すべきである。そのためには、やはり原理原則をしっかり押さえておくことが大切である。

◎1日1回は本を読もう

大局的・体系的にものを知るには、手間はかかるかれども、昔もいまも読書が最適であると私は信じている。

忙しくてとても本を読む時間がないというのは、本を読まない人の常套句だが、単なる言い訳に過ぎない。時間がないのではない。時間を創っていないのだ。

本を読まない人は伸びない。1日最低1時間、本を読む習慣を我がものにしてほしい。

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2022年24冊目『平気で他人をいじめる大人たち』は、他者に思いを馳せることができない精神構造を分析

2021-10-31 14:34:37 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では「大人のいじめ」の具体例、いじめる人の精神構造、そして対応策を解説します。

 

ポイントは次の3点です。

・職場においていじめをする人がだいたい1割程度いる。

・いじめの実例を「感情型」「自己愛型」「他者利用型」の3つのタイプに分類。

・傾聴を行うことで、いじめの辛さを軽減する。

 

いじめを行う人たちに共通しているのは、「他者に対して思いを馳せることができない」ことです。

他者の気持ちを理解しようという気持ちや思いやりよりも、自分の気持ちを優先させているのです。

 

他人への思いやりを大切にする人が増えていけば、職場だけでなく、SNSでの誹謗中傷、ママ友、趣味のサークルなどでのいじめも減少し、日本社会そのものが変わっていくと思います。

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2022年23冊目『ガチ速仕事術』は、脳の無意識に焦点を当てて「すべての仕事を1/2で終わらせる」

2021-10-31 14:24:14 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

非対面ならではの時短ビジネスコミュニケーションのコツも含めた、新時代の時短仕事術を公開します。

 

本書の特徴は、「脳の無意識」に焦点を当てている点です。

自分だけでなく、他人の無意識さえも活用することで、一気に仕事のスピードを高め、発想やアイデアのクオリティを上げていくことを目指します。

 

今まで、私たちはあまりにも不毛なビジネスコミュニケーションで消耗してきてしまったのではないでしょうか。

無駄だらけの日本特有の文化に区切りをつけ、私たちはニューノーマルの時代に突入すべきなのです。

「すべての仕事を2分の1で終わらせる」という意識を持つのも、可能な時代になったと思います。

 

【my pick-up】

◎朝の1時間は夜の4時間分に匹敵「1時間前出社」で差をつける

膨大な作業をこなさなければならない部署にいながら「定時退社」を実現できたのは、私が毎朝1時間早く出社していたからにほかなりません。この朝の1時間は、おそろしく仕事がはかどるのです。月100時間の残業をしている人が毎日1時間だけ早く出社し、1時間×20日=20時間の「朝残業」をすることで定時退社が可能になれば、月80時間も労働時間を短縮できたことになります。定時に帰ると「怠けている」と思われがちな職場でも、「朝早く来たので早く帰ります」と言えば、ほとんどの人は納得してくれるでしょう。

◎デスクトップはつねに空にすべし!脳の無意識スタミナ浪費を防ぐ

中には、デスクトップ一面をファイルが埋め尽くしているような人も散見されます。デスクトップ画面を見るたびに雑多な情報が飛び込んでくるというのは、脳にとっては相当なストレスです。デスクトップに置くのは「現在進行中の案件だけ」と決めて、それ以外のデータは「過去の仕事フォルダ」や「保留中の仕事フォルダ」にまとめて収納しておいてください。さらに進行中のデータについても、ファイルをそのまま置くのではなく、必ずフォルダに分類して収納する。これを守れば、デスクトップに並ぶアイコンは多くても2列以内におさまるはずです。

また、デスクまわりをスッキリと保つには「ペーパレス」を意識することも大事です。何でもかんでもプリントアウトせず、可能な限りデータのままで取り扱うようにしてください。取引先の中には「従来どおり紙でやり取りしたい」と思っている方もいるはずですが、最初に「どうしても請求書や契約書の郵送が必要ならおっしゃってください」と伝えると「だったらクラウドでいいよ」という流れになるケースがほとんどです。

◎オンライン会議こそ「内職」を!見えない手元で仕事をするべし

オンライン会議の場合は、存分に手元で内職をしてしまいましょう。あなたが効率的に働くことは、巡り巡って会社の利益になるのだから、罪悪感を覚える必要はありません。とはいえ、話題が変わったり、いきなり「〇〇さんはどう思う?」などと話を振られる可能性もあるので、意識の3分の1くらいは会議に向けておかなければなりません。オススメは数値入力などの単純な事務作業や、別の案件の資料のチェック、頭を使わずに手先だけでできるメールの返信といったところです。

◎「1日5分」の運動が、脳の無意識を活性化させる

近年の脳科学研究の発展により、運動をすることで仕事のパフォーマンスが上がることが科学的に立証されてきました。私の周囲を見渡しても、仕事ができる人はたいてい何らかの運動をしています。身体を動かすことでドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンが分泌され、集中力や記憶力を高めるからでしょう。

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2022年22冊目『「働かないおじさん問題」のトリセツ』は、本人・上司・経営(人事)の三位一体で取り組まないと解決しない

2021-10-31 14:11:38 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

不本意ながら「働かないおじさん」となっている方が、適切な働きかけで自らの意思で、自らの人生を充実したものにするために前向きに変化に踏み出す方法を紹介します。

 

〝不本意ながら〟というのは、本人が仕事をさぼっているという訳ではないからです。

 

実は、現在働かないおじさんと呼ばれてしまう人の多くが「真面目でコツコツ働く人」です。

本人が今まで通り「真面目にコツコツ働いて」いるにも関わらず、生産性の低下や会社側の期待とのギャップを招いています。

 

「働かないおじさん」の6タイプ

1.期待している成果が出ない(成果のミスマッチ)

仕事に対する創意工夫や自主的な学習が足りず、単に与えられた業務をこなしている人

2.仕事への意欲が不足している(意欲のミスマッチ)

特に、役職定年や定年再雇用などで役割や処遇が変化した場合に起こりやすい

3.本人が良かれと思ってやっている言動がズレている(期待のミスマッチ)

自分の力で解決しようとして部下の動きを止めてしまう人

4.成功体験が邪魔して話が伝わらない(コミュニケーションコストの問題)

考え方や意見が次第に最新の環境や手法と合わなくなり、そのことに本人が気付けない状態

5.年上部下・年下上司がお互いに遠慮してしまう(心理的コストの問題)

お互いに遠慮して最終的な行動や結論が中途半端

6.改善や変化をするのに時間がかかる(時間的コストの問題)

長年の行動が習慣化されていて、改善に時間がかかる、またが改善してもすぐに元に戻ってしまう状態

 

本人は真面目でコツコツ働いているわけですから、当人が「働かないおじさん」になってしまった状況を作ったのは、真面目な人の方向性を上手く導けない直属の上司、会社の人事や経営者が責任の一端を担っている側面も否定できません。

 

「働かないおじさん」問題は、本人・上司・人事が三位一体で取り組まないと解決しないのだと本書を読んで認識しました。

 

【my pick-up】

◎同じ仕事を続けている人ほど「働かないおじさん」化しやすい

省エネルギーと小リスクで対処できる状況をコンフォートゾーンと感じてしまった人は、わざわざ失敗するリスクを冒してチャレンジすることを望まなくなります。これが多くの「働かないおじさん」に見られる現象です。人事や上司としては、本人が仕事に充実や集中を感じられるよう、少し背伸びした挑戦機会を本人と一緒に考えて提供することが有効です。

◎上司と部下が一緒になってワクワクする

部下の語る計画に対して、上司が共感や感動の言葉をかけてあげると、より効果的でしょう。「部下の描く状態や世界を、一緒に楽しむ・喜ぶ」という情緒的な能力が、上司には求められます。

◎人は何歳でも褒められたい

褒める・認める・喜ぶ・感謝するというポジティブなフィードバックは、上司の専売特許ではありません。同僚や部下の立場でも積極的に活用していきましょう。案外、社内で一番褒められていないのは経営者や上司だったりします。思ってもいないことを口にする太鼓持ちや計算だけの称賛をする必要はありませんが、素直で前向きなメッセージをもらって、嫌な顔をする人は滅多にいません。

◎「学習戦略」を考える

ミドルシニアの学習には「戦略」が必要です。漫然と「言われたから」「とりあえず」「面倒だけど仕方ない」「何となく」というスタンスで学んでも、学習効果が高まりませんし、本質的な能力開発に繋がりません。学習する分野・効果的な学習方法を「自分の人生100年を切りひらく重要な取り組み」として真剣に考えることをお勧めします。

◎「オフィスに行かないと仕事がはじまらない」という先入観を捨てる

ミドルシニアはどうしてもオフィスに行きたがる人が多いようですね。わざわざ電車に乗って、時間かけて通勤して。おそらく「オフィスに行かないと仕事がはじまらない」という先入観がこびりついてしまっているのでしょう。本当にもったいないと思います。個人的には「なるべく会社に行かずに済むにはどうしたらいいか」について考えるようにしています。

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2022年21冊目『外資系コンサルが教える プロジェクトマネジメント』は、組織として成果を出すための実践書

2021-10-31 13:56:17 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

プロジェクトマネジメントにおける「すべし」と「すべからず」について、思いつく限りのポイントを解説した1冊です。

 

プロジェクトマネジメントのスキルというのは、最も業界横断的に活用が可能であり、かつ「持つ者」と「持たざる者」とのあいだに大きな差を生むことになるスキルだと思います。

理由は、プロジェクトマネジメントのスキルは、組織として成果を出すためのスキルであるから。

 

多くの人は、キャリアのどこかの段階で、個人として成果を出す責任から組織として成果を出す責任へとシフトします。

組織として成果を出す段階にきているにもかかわらず、論理思考やプレゼンテーションといった個人技を見せつけたいために部下の仕事を取り上げるということをしていると、いわゆる「残念なマネージャー」ということになり、その人のキャリアがそこで停滞することになります。

 

山口周さんが2016年に書いたものですが、プロジェクトを進める上でのリスクや対処法を豊富な事例とともに紹介しています。

 

【my pick-up】

◎メンバーのアサインメントを決める

簡単なモジュールは優秀なメンバーに任せて、難しいモジュールは、プロジェクトマネジャー自らが腕まくりして手を突っ込み、サポートに「それほどでもないメンバー」を据える。

「優秀なメンバーに簡単なモジュールを任せ、そのモジュールについてマネジャーは忘れる」というのが正しいやり方です。

◎空気に流されて「なあなあ」の結論を飲み込まない

「先日ご指摘いただいた優先順位は間違っていたので、○○さんの指摘する優先順位と同じということで進めていいですね?」とデジタルに追い込んでいかなければいけません。

プロジェクトを成功させるリーダーが必要に応じて行っている上位役職者の人たちとの「生意気なやりとり」は、多くの場合、その人の高評価につながっているというのが筆者の印象です。突き抜けるようにして上がっていく人というのは、ほぼ間違いなく「生意気」な人なのです。

◎「場をコントロールする」という意識をもつ

集団が形成されて、その中で一番先に話し始めた人が、リーダー格になっていくのです。一番先に話した人のことを周囲の人は、より知的で、エネルギーに溢れ、人格が優れていると考える傾向があります。

やらなければならないのは、聞きたいことなどなかったとしても、「何をさておいても一番先に質問する」ということです。別に質問の中身はどうでもいいのです。とにかく、集団のなかに身を置いたら「一番先に話し始めた人」になることを心がけましょう。

◎リーダーの仕事は「目的」を決めること

「率先垂範」とは、行動によって模範を示すということです。一方で「目的を決める」というのは、言葉によってゴールを示すということです。リーダーの仕事は目的を決めることであって、その実現は可能な限りメンバーに任せるべきです。

ここで重要なのは「目的を決める」ということと「手段を決める」ということを混同してはならない、ということです。なぜなら、手段を決めてしまうとメンバーのモチベーションは著しく低下してしまうからです。

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