厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2024年220冊目 『決算分析の地図』は、非財務も含めた企業分析の最高峰

2024-07-26 15:18:18 | おすすめビジネス書

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評価 (5点/5点満点)

既存のいわゆる会計本は、有価証券報告書を中心としたPL・BS・CFを用いての分析にとどまっています。

本書のような広範囲の企業情報を総動員して行う企業分析のノウハウについて詳細に解説した本は、これまでに存在しないでしょう。

 

つまり本書の目的は「決算書を読めるようになる」ではなく「自ら分析できるようになる」ことです。

 

・将来のキャッシュフローを生み出す源泉は、売上高成長率とROICの2つ(P185)

・ROICはファイナンス的な視点を重視した指標(P254)

・ESGの取り組みによって割引率(資本コスト)が下がる(P276)

・非財務情報は言ってみればPBRの1を超えた部分(P293)

・PL・BSとステークホルダーの関係を知る(P373)

 

中期経営計画やESGといった非財務情報の活用方法、ファイナンス視点の身につけ方など、実際の企業の公表情報を使いながら解説しています。

 

決算書をただ眺めるだけでは決して到達できない、決算書の裏側に隠れているビジネスモデルを見つけ出すことが企業分析の本質ですね。

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2024年219冊目 『発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術』は、多様性の時代の実践的バイブル

2024-07-26 14:58:56 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

「コミュニケーションや対人関係に困難を抱え、強いこだわりがある」

「注意力散漫だったり、多動・衝動性があったりする」

 

そんな発達障害の特性を考慮した仕事術です。

 

「結局のところ、なるようになるのです。がんばっていれば、なるようになる。今この瞬間を大切に生きましょう。未来への不安も、過去への後悔も、あなたには必要ありません。」(P231)

 

自分を変えようとする必要はありません。ありのままの行動に、「環境を調整する」といったほんの少しの工夫を加えることですね。

 

お互いの特性や強みを活かす多様性の時代。発達障害の方だけでなく、発達障害の方と一緒に働いている方も含め、幅広い皆さんに読んで欲しい1冊です。

 

【my pick-up】

◎やってみて無理ならやめる

一旦リフレッシュしたり、日にちを変えて再チャレンジしたりしても、一向にやる気が出ないこともあるでしょう。それは、あなたには向いていないことなのかもしれません。思いきって手放してしまう勇気も持ちましょう。人間ですから、気分の乗らないときはあるでしょう。でも、まったく練習しない、いつまで経っても気分が乗らないのなら、完全に向いていない、ということです。

◎多数派にはない発達障害の能力

発達障害を持つ私たちは、人に流されることはありません。いい意味で空気を読むことなく、自分の感じたことを素直に発言することは、実はとても大切なことです。会社や組織にとって本当に必要な意見や気づきを与えるきっかにもなりうるのです。大勢に流されずイノベーションを起こしてきた歴史上の人物にも、発達障害の人が多かったと言われています。

◎細部にこそ気持ちを込めよう

昨年の出版記念講演では、100名のお客様一人ひとりに、お手紙を書きました。もちろん、すべて違う内容の手書きのお手紙です。お越しくださった皆さんが「手書きのお手紙に心がこもっていてとても嬉しかったです」と口々に言ってくださったので、私は書いてよかった!と心から思ったのでした。

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2024年218冊目 『組織行動の会計学』は、マネジメントコントロールの理論と実践例

2024-07-25 14:36:52 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

「組織が、組織全体の目標を達成するために、そこで働く人々を動機づけ、まとめあげていくための仕組みやプロセス」をマネジメントコントロールと呼び、本書ではマネジメントコントロールにおける管理会計システム(会計数値を主たる業績指標に用いた成果コントロールの仕組み)の役割について論じています。

 

ただし、マネジメントコントロールは、管理会計の枠を超えた、様々な経営の分野にまたがる学際的な領域であり、以下のようにも述べています。

「優れたマネジメントコントロールを実施するためには、戦略論や組織論、人材マネジメントに関する知見も欠かせない。経営者は、マネジメントコントロールを会計特有の問題ではなく、経営全般に関わる問題と捉えて、真剣に取り組む必要がある。」

 

優れたマネジメントコントロールの実践例として、JALの部門別採算制度とオムロンのROIC経営を取り上げており、最近注目のFP&A組織・人材には大いに参考となるでしょう。

 

【my pick-up】

◎オムロンのROIC翻訳式

ROIC≒(わたしたちのお客様への価値)/(必要な経営資源)+(滞留している経営資源)

・ROICと自分たちの仕事を結びつける。

・利益に貢献していない(ムダになっている)経営資源や、古い設備など、ムリに使用することで品質のムラをもたらす経営資源を削減し、できるだけ多くの資金を投資に回す。

・投下資本の削減ばかりが強調されると、必要な投資まで行われなくなる。価値創造に向けた投資を行うには経営資源の節約が必要。

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2024年217冊目 『うまくいかない人間関係逆転の法則』は、「犠牲者・迫害者・救済者」の3者で関係を考える

2024-07-25 14:26:36 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

悪い人間関係をいい人間関係に変えていく方法を、実例を示しながら分かりやすく紹介しています。

 

自分や相手の「強み」を最大限に引き出して成長できる。

そのためには、クリエイターマインドを持ち、クリエイターとして生きることが重要です。

 

【my pick-up】

◎《犠牲者》の本心は、あまり変わりたくない

《犠牲者》は、じつはとてもラクな立場なのです。悪いのはすべて別の誰か。起きている悪いことやイヤなことはすべて誰かのせいであって、自分の責任ではないのです。だから、自分で何か新しいことや難しいことにチャレンジする必要も、がんばる必要もない。チャレンジしないから、失敗もなく、心が傷つくことを避けられるというわけです。幸せになるために自ら事を起こして切り拓いていくのは、大変なことです。それにはエネルギーがいるし、責任がともなうからです。

◎《迫害者》は非難、攻撃、統制しようとする

《迫害者》の役割の人は、もともとイヤな思いをさせられてきた経緯があるから、ふたたび《犠牲者》になることを極端に恐れているのです。

1.相手を非難する

相手を陥れ、自分の優位を保とうとします。「自分は強いんだぞ」「自分のほうが上なんだぞ」ということを見せつけようとするのです。

2.先制攻撃する

相手にやられる前に攻撃を仕掛けるというもの。勝ち負けにとてもこだわり、「何があっても絶対勝つ!」というメンタリティを持っています。

3.統制的な態度をとる

常に相手や状況を自分の支配下に置こうとします。その結果、高圧的な行動になります。

◎《救済者》は本当にいい人なのか

《犠牲者》が《救済者》のせいで、かえってダメになる理由はふたつあります。

《救済者》が《犠牲者》の問題を代わりに解決してあげるため、《犠牲者》自身に問題を解決する能力が身につかない。その結果、ずっと《救済者》を必要としてしまうのです。

《救済者》が「犠牲者はかわいそうな人なんだ」と決めつけることで、《犠牲者》自身も「自分はかわいそうな人なんだ」「どうせできない人間なんだ」と思い込み、かえって無力感が高まってしまうのです。

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2024年216冊目 『なぜ、あの人は仕事ができるのか?』は、高付加価値な仕事をするためにまずは仕組みを作る

2024-07-25 14:16:11 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

ビジネス書としては直球のタイトルですね。

 

仕組みをつくり、空いた時間を使って、高付加価値な仕事をする人を指します。

 

仕事をするとは、誰かの問題を解決していくこと、すなわち価値を提供するということ。

そのためにはまず、仕事をしやすい仕組みをつくる必要があります。

 

著者はキーエンス出身で『付加価値のつくりかた』を刊行していますが、それよりは内容的にライトな感じで、

ビジネスパーソンがどう付加価値の高い仕事をするかを知る導入編として本書は最適かと思います。

 

【my pick-up】

◎効率化:フォーマットの統一

会社紹介や提案書のフォーマットをつくるときのコツがあります。それは、ちゃんと膨大に作ることです。膨大に作成した資料はどうするのか?相手のニーズに合わせて、相手が興味を持ちそうなところだけ残して、読んだり、無駄なページは消して渡したりします。資料をフォーマットにするときのおすすめは、絞った足りない資料を作るよりも、ページを消したらOKな膨大な資料を作ること。資料に継ぎ足すのは難しいが、引く(消す)のは簡単なのです。

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