評価 (3点/5点満点)
多くの管理職が、若手社員やシニア人材のマネジメントに悩んでいます。
最近の若手社員は、指示をすると「その仕事をする理由」を逐一聞いてくる、少し叱責するとすぐに泣き出したり会社を休んだりする。シニア人材は、長年培った自分なりの仕事のやり方をなかなか変えることができない。
この本では、「ゆとり世代」の若手社員と「しらけ世代」のシニア人材の2つの世代について、それぞれマネジメントの要点がまとめられています。
・「仕事のやりがい」や「人間関係」がどんなに充実していても、労働環境が悪ければ、若い人はついてきてくれない。
・特別な理由もなく、ただ60歳を超えただけで給料が減額された「年上の部下」は、仕事に対するモチベーションも著しく減少させている。
・これら2つの世代の特徴は、元気のある上下の世代に挟まれて、どちらかといえば大人しく、自信を喪失していること。管理職世代に比べて「自信喪失」していることへの配慮が必要。
・シニア人材のマネジメントにはハイコンテクストのコミュニケーションが、若手社員のマネジメントにはローコンテクストのコミュニケーションが適している。
・若手社員に何らかの指示をする際は、その仕事の目的と手段、そして全体像、またなぜその仕事が必要なのかの背景、どうしてその仕事をその人に頼むのか、どのようなことを期待しているのか、詳細に説明するようにする。
・シニア人材のマネジメントをする管理職が最初に持つべきは「敬意」と「感謝」と「ねぎらい」。次に必要なのは「相手の仕事スタイルの尊重」。
以上のように、各世代の典型的な価値観が醸成された理由を考察し、若手社員の成長促進及びシニア人材の意欲向上に有効な働きかけの秘訣を紹介します。
特に「何を伝えるのか」「どう伝えるのか」という具体的な声掛け例は、すぐに実践できる実用的なものです。