評価 (3点/5点満点)
作曲家の三枝成彰さんは、30年にわたり1日1食を続けているそうです。今年7月で74歳になるとのことですが、1年365日ほとんど休みなく働けるのは1日1食だからと断言しています。
この本は、最近よく出版されている‘1日1食本’とは目的が違い、痩せるためでも、健康になるためでもなく、全力で仕事に取り組むためです。
本書の前半では、三枝さんご自身の実践法が紹介されています。
・私の1日1食のスタイルは、朝と昼は漢方ドリンクを飲んで、夕食は好きなだけ食べてお酒を飲むというもの。
・「食べる」という行為は疲労を招きます。1日3食も食べているとそれだけ疲れて眠くなり、仕事の効率が落ちるのです。
・結局人間は食べる回数を減らすことでしか痩せられない。現代人のように慢性的な運動不足で、夜はつき合いで誰かとお酒を飲むという生活を送っていたら、1日3食だと太ってしまうのは火を見るよりも明らかです。
本書の後半では、医師の石原結實(●)さんと、ジャーナリストの船瀬俊介(○)さんの1日1食法が、三枝さんとの対談とともに掲載されています。
●空腹かどうかを決めているのは、おもに血糖値。黒砂糖かハチミツ、あるいはチョコレートなんかを食べると1分後には血糖値がすっと上がります。それで空腹感がなくなるのです。
●年1回くらいは40度の熱を出して、1日1食でお腹を空かせていれば、がんにもならず長生きできます。病気をしたとき、栄養のあるものを食べて解熱剤を飲むのは最悪の選択です。また、いま入るとスッキリするだろうなと思ったら、お風呂やサウナに入って汗をかいたほうが免疫力は上がって回復は早くなりますね。
●職場で昼休みがあるからといって、その時間に昼食を食べる必要もありません。夕食までは糖分、塩分、水分、ビタミンCを軽く補っておけばOKです。夜だけ食べて、適度にお酒を楽しんでリラックスして眠る。それが理想ですよ。
○私も1日1食にしてから30代、40代の頃の3倍仕事をしています。いまでは5日で単行本を1冊書けるようになりました。
○40歳を超えて人生が後半戦を迎えたら1日1食に切り替えて、その先生きている間にどれだけ充実した暮らしが送れるかに焦点を当てるべきだと私は思います。
特に、デスクワークのビジネスマンで、運動が習慣になっていない人は、40歳以降も1日3食食べると確実に太ります。まずは1日2食から始めてはいかがでしょうか。私も現在、朝と夜の2食ですが、朝食べなくても午前の業務に支障はないのかな?