厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2016年117冊目『無敵の「1日1食」』

2016-06-28 22:04:11 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

作曲家の三枝成彰さんは、30年にわたり1日1食を続けているそうです。今年7月で74歳になるとのことですが、1年365日ほとんど休みなく働けるのは1日1食だからと断言しています。

この本は、最近よく出版されている‘1日1食本’とは目的が違い、痩せるためでも、健康になるためでもなく、全力で仕事に取り組むためです。

本書の前半では、三枝さんご自身の実践法が紹介されています。

・私の1日1食のスタイルは、朝と昼は漢方ドリンクを飲んで、夕食は好きなだけ食べてお酒を飲むというもの。

・「食べる」という行為は疲労を招きます。1日3食も食べているとそれだけ疲れて眠くなり、仕事の効率が落ちるのです。

・結局人間は食べる回数を減らすことでしか痩せられない。現代人のように慢性的な運動不足で、夜はつき合いで誰かとお酒を飲むという生活を送っていたら、1日3食だと太ってしまうのは火を見るよりも明らかです。

本書の後半では、医師の石原結實(●)さんと、ジャーナリストの船瀬俊介(○)さんの1日1食法が、三枝さんとの対談とともに掲載されています。

●空腹かどうかを決めているのは、おもに血糖値。黒砂糖かハチミツ、あるいはチョコレートなんかを食べると1分後には血糖値がすっと上がります。それで空腹感がなくなるのです。

●年1回くらいは40度の熱を出して、1日1食でお腹を空かせていれば、がんにもならず長生きできます。病気をしたとき、栄養のあるものを食べて解熱剤を飲むのは最悪の選択です。また、いま入るとスッキリするだろうなと思ったら、お風呂やサウナに入って汗をかいたほうが免疫力は上がって回復は早くなりますね。

●職場で昼休みがあるからといって、その時間に昼食を食べる必要もありません。夕食までは糖分、塩分、水分、ビタミンCを軽く補っておけばOKです。夜だけ食べて、適度にお酒を楽しんでリラックスして眠る。それが理想ですよ。

○私も1日1食にしてから30代、40代の頃の3倍仕事をしています。いまでは5日で単行本を1冊書けるようになりました。

○40歳を超えて人生が後半戦を迎えたら1日1食に切り替えて、その先生きている間にどれだけ充実した暮らしが送れるかに焦点を当てるべきだと私は思います。

特に、デスクワークのビジネスマンで、運動が習慣になっていない人は、40歳以降も1日3食食べると確実に太ります。まずは1日2食から始めてはいかがでしょうか。私も現在、朝と夜の2食ですが、朝食べなくても午前の業務に支障はないのかな?

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2016年116冊目『その他大勢から抜け出し、超一流になるために知っておくべきこと』

2016-06-27 19:17:51 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

千田琢哉さん123冊目の本書は、超一流とその他大勢とを分ける決定的な違いに触れ、凡人でも抜きんでた結果が残せるようになる、仕事・お金・時間・人間関係に関する40の習慣を紹介します。

例えば、プロローグでは「超一流の人は陰口を言わない」ことが書かれています。ヒソヒソ話というのは100%格下が格上に対してするもので、社長が平社員についてヒソヒソ話をすることはないのです。ヒソヒソ話というのは古今東西を問わず下々の人間の専売特許であり、もし暇さえあればヒソヒソ話をしているのなら確実に下々コースへ一直線です。

今回も千田さんらしい、厳しくも社会・会社の実態に即した納得できる言葉が並んでいますよ。

【my pick-up】

◎その日中にやらなければいけないことは、始業時間までに仕上げておく

仕事は、スタート前にはゴールしておけということだ。仕事ができる人というのは、「急ぎで重要なこと」「急ぎだけどそこまで重要ではないこと」をやっている姿などみやみに見せず、唯一「急ぎではないけど重要なこと」だけが仕事だと考えている。

◎仕事で一番大切なことは、締め切りを死守すること

締め切りを守れなかった仕事は、たとえ100点満点でも何ら意味がない。会社が赤字になる理由をあなたは即答できるだろうか。究極は社員一人ひとりが今目の前の仕事の締め切りを守れないことに原因があると気づかされるだろう。あなたの会社の社長や上司が遅刻に対して常軌を逸するほどに厳しければ、あなたの会社はまだ大丈夫だ。

◎会社は出世すればするほど楽しくなる

組織に属していながら「出世なんて興味がない」と言うのは、自分を転落させることに直結する。そもそも組織というのは出世しなければ楽しくないようにできている。ピラミッドの頂点に近づくほど暇になるのは、組織としてはそれだけ有能な人材にはゆったり考える時間と空間を確保したいからだ。最後にこれが最も大切なことだが、出世の決定権者に好かれておくことだ。

◎ジャストサイズのあげまん、ブカブカファッションのさげまん

あげまんはジャストサイズの服装だが、さげまんはブカブカの服装。あげまんはジャストサイズの服装だから、食べ過ぎない。食べ過ぎないから、引き締まったスリムな体型を維持している。20代の頃のズボンが40代になっても難なくはくことができる。さげまんはブカブカの服装だから、とにかくよく食べる。バクバク食べるからブクブク太っていく。ブクブク太っていくから、ますますブカブカの服装になっていく。ジャストサイズのあげまんは、部屋も人間関係も水の如くサッパリしている。ブカブカファッションのさげまんは、部屋も人間関係も甘酒の如く濁っている。

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2016年115冊目『ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術』

2016-06-26 21:28:59 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

ユニ・チャームで掲げた理想的な人材像「共振人材」。その6要件とは、(1)大局観、(2)傾聴力・提案力、(3)現場感、(4)論理性、(5)求心力・共感性、(6)しつこさ・真面目さです。

この本では、そうした共振人材を育むためにユニ・チャームがどのような仕組みを持ち、どのような意識を根付かせようとしているのかを、当社の社長自らが紹介しています。

振り子を揺らすと、左右に行き来しながら最後はひとつの場所に収まって止まります。同じように、経営陣と現場の社員が緊密なコミュニケーションによって考えや行動を擦り合わせていくと、経営陣と現場の社員という2つの振り子は共振して同じ動きを始める。(P.180)

「共振」の経営というスタイルは、このような考え方に基づいています。

以上のような人材はユニ・チャームに限らず、あらゆる企業で必要とされる人材ではないでしょうか。

SAPS(Schedule、Action、Performance、Schedule)手法や、それを支える4点セット(OGISM(A)表、1Pローリング表、SAPS週報、週次SAPSミーティング)など、ユニ・チャームで実践している業績向上と人材育成を同時に進めるビジネスモデルは、他社でも参考になると思います。

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2016年114冊目『逆転出世する人の意外な法則』

2016-06-22 21:54:28 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

一番に出世した人がその後もずっと一番に出世していくわけではない。

係長への出世競争で遅れていた人はその後挽回し、部長に一番に昇進したような場合も多い。

『出世する人は人事評価を気にしない』『出世する人は一次会だけ参加します』『課長1年目の教科書』などの著者、人事コンサルタントの平康慶浩さんが、昇進レースで最後に笑う人の共通点を洗い出します。

20代:若い頃の評価こそ気にする必要はない

30代:役職者になるのは早過ぎないほうがいい

40代:目指すべきは部長ではなく常務である

50代:会社にこだわらない成功を目指せ

20代~30代は、謙虚な気持ちで目の前の仕事に真摯に取り組むこと。40代~50代は、あきらめること・腐るこやらとなく、まだチャンスや選択肢があることを理解して先を見て仕事をすることでしょうか。

【my pick-up】

◎早過ぎる昇進は社内政治にやられやすい

早く課長になった人のほとんどは部長になれなかったか、平均よりも遅くに部長になってしまっていました。本人が気付いていなくても、優秀な人はそれだけで敵をつくることがあります。部長にまでなると、簡単に社内政治にはやられなくなります。役員になっている人は、平均して部長の時期は4年しかないのです。もし早く課長になって、その後社内政治にやられてしまったらどうすべきでしょうか?特に今30代で、しかも社内の平均よりも早く課長になっているとすれば、転職市場ではとても魅力的に映ることでしょう。

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2016年113冊目『資生堂インパクト』

2016-06-21 22:17:17 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

資生堂はデパートや化粧品専門店などの化粧品売り場で働く美容部員を約1万人雇用しています。

子育てのために短時間勤務制度を利用する美容部員は主に早番に入っていましたが、2014年春から遅番や休日シフトにも入るように会社が要請しました。短時間勤務者が増えた結果、遅番や休日シフトがその他の同僚に偏り、職場の不公平感が高まったためです。

この一連の働き方改革を2015年に新聞やテレビなどメディアが紹介すると「子育て中の社員に冷たい」「女性を敵に回すのか」と資生堂はやり玉にあげられます。これがいわゆる「資生堂ショック」です。

この本は「資生堂ショック」と呼ばれる働き方改革に資生堂がなぜ取り組んだのかを検証します。資生堂の狙いは、「女性が働きやすい会社」から「女性も働きがいのある会社」への進化にありました。よって、これまでネガティブな意味合いで使われていた「資生堂ショック」を、社会を正しい方向に変える出来事として「資生堂インパクト」と名付けて本書のタイトルとしています。

女性活躍推進やダイバーシティ経営に先進的に取り組んできた企業だからこその悩み。女性を活用したくても「女性社員のやる気が見えない」と嘆いている企業は、自分たちの言動や女性社員の待遇・育成方針、職場環境に問題がないかを、本書を参考に一度考えてみるべきです。

【my pick-up】

◎女性活躍推進、第2幕

本来、男女に潜在的な能力差が顕著にあるはずはない。意識的か無意識かは別として、会社や上司の育成手法に男女差があるため日本企業では時間の経過とともに男女の能力差が開いていく。過去に付いてしまった育成機会の格差を一時的な女性優遇で穴埋めできれば管理職にふさわしい実力を備えた女性は必ず育っていく。育成機会の平等をどう進めるかは工夫も必要だ。資生堂の事例は、それが不可能ではないことを示している。

◎ダイバーシティ経営はなぜ重要なのか

イノベーションとグローバル化。いずれにとっても重要なのがダイバーシティだ。イノベーションの源は、人と違うアイデアを出すこと。多様な価値観のぶつかり合いが、企業の成長につながることをもっと意識しないといけない。社長だって間違う。部長にも「そうはおっしゃいますが、こんなやり方はどうですか」と言い合う雰囲気が必要。国籍や年齢、言語など多様性の要素は様々あるけど、日本ではその象徴が男女。そういった意味で当社はもっと女性活躍を進めてダイバーシティを実現していかなくてはいけない。

◎女性活躍3つの誤解

長期にわたる手厚い子育て支援は女性活躍の障壁となる。制度の利用が長期化すると、子育て期のキャリア形成の遅れが取り戻せなくなる。

男性管理職が女性社員の育成を意識しないため、責任の伴うやりがいある仕事は男性部下に優先して与えられ、女性の働く意欲の減退を招いている。家庭を犠牲にせざるを得ない女性管理職のライフスタイルをみて、若い女性社員は管理職への昇進・昇格意欲を失う。ダイバーシティ経営の一環として女性登用を進めるのは、男性が回避してきた子育てや家事、地域活動など多様な経験を有しているからでもある。こすいた経験を持つ女性が管理職層に入れないならば、経営に与えるダイバーシティ効果も半減してしまう。

1987年に取り組みだした資生堂と比べて、今から女性活躍推進を進める企業が恵まれているのは先進事例が豊富にあることだ。1つは経営トップの関与だ。時間のかかる職場風土の改革を継続するには経営トップの揺るぎない信念が大切だ。もう1つは目標と年次計画をきちんと立てて継続的に取り組んできたことだ。

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