厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2023年132冊目 『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』は、チームの実行力が高まるミーティングの仕組み

2023-04-30 16:02:46 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

決めたことを実行できないチームには共通点があり、ミーティングをどうすれば実行できるようになるのか、について解説する1冊です。

 

<決めたことができないチームの主な特徴>

・毎回同じ人ばかりが話していて、他のメンバーは賛成しかしない。

・実行できない理由や言い訳を話す場面が多く、結局現状維持の仕事ばかりしている。

・実行できないのは個人のモチベーションやタイムマネジメントが原因だと思っている。

・決めたことを1・2度実行しただけで、そのままになっていたり、その後の進捗や検証、修正をする場がない。

・会話に「後で」「空いている時間に」「どこかで」の単語が多い。

 

<実行するミーティングのポイント>

・未来視点の会話で主体性と可能性を引き出す。

・1年単位ではなく2か月単位で、動きながら修正する。

・個人のモチベーションやタイムマネジメントだけに依存しない。

・2種類のミーティングで「実行」と「その後」を重要視する。

 

部下をどのようにサポートすれば実行力が高まるのか、お悩みの皆さんは参考になると思います。

 

【my pick-up】

◎自分の予定表に入れるときは先約のお客様と同様「変更不可」にする

突発的な仕事が入ったという理由で簡単に変更すると、実行力は当然下がります。実行日時を一度入れたら「クレーム対応のお客様のアポイント」と同じくらいの扱いにすることとして徹底します。こうすると自己都合で簡単に予定を変更しなくなります。後から入った突発的な仕事は、何らかの形で調整するはずです。

◎こんな部下を育てるミーティングにしていこう!

私が理想とする部下は、問題が起きたときにこう報告してくれる部下でした。

「~な問題が起きました。起きている事実は~なので~が原因だと判断しています」(事実と解釈を分けて分析できる)

「今後の解決策としてはA案とB案を考えました」(解決策を自分の頭で複数考えられる)

「~という理由からA案が良いのでは?と考えています」(自分なりの最適解と理由を持てる)

「A案で進めて大丈夫でしょうか?」(より良い案も受け入れられる報告・連絡・相談ができる)

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2023年131冊目 『データビジュアライゼーションの教科書』は、余計な要素を排除して、読み手に効果的に伝える数値や結果の可視化

2023-04-30 15:45:58 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

データビジュアライゼーション(データの可視化)の基本を学び、それをビジネスに自然に適用できるようになることを目指します。

 

重要なのは効率的かつ効果的に数値や結果を素早く正確に伝えること。

そのためには余計な要素を排除し、本当に伝えたいことに焦点が当たるように表現することが求められます。

 

それが実現すれば、見た目は劇的に変わり、きちんと読まれて使われるレポートになります。

何より、読み手の時間効率の向上につながるはずです。

 

データ活用レベルの底上げにつながる1冊。

BIやダッシュボードまで至らなくても、エクセルのグラフ機能を駆使すれば十分、データの可視化はできるように思いました。

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2023年130冊目 『OBSESSION こだわり抜く力』は、目標・目的を明確にして自分の努力で答えを決める

2023-04-24 15:19:23 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

アマゾンジャパンの前社長が、「数字へのオブセッション」と「人を動かすパッション」をもって経営にあたることの重要性を述べています。

 

また、経営陣だけではなく、読者のビジネスパーソンに伝えたいこととして以下の2つをあげています。

・仕事をちゃんとしたいのなら、自分の目標と目的を明確にしよう。

・自分の力で答えを導き出す努力を続けたほうが、かえって楽に生きられる。人にアドバイスを求めるのはいいけど、解決策は自分で決めよう。

 

本書は答えを与える本とは違い、考えるきっかけを与えてくれる1冊です。

 

【my pick-up】

◎愛社精神なんていらない、自分を守れ

上司は僕を守ってくれない、などと言う人もいる。そんなの当たり前だよ。会社は自分を守ってなんかくれない、と思っていた方がいい。低成長時代が続く今の日本では、自己防衛の能力こそが欠かせない。自分の身は自分で守る。そのためにみんな覚醒しないといけない。

自分のキャリアに対するオブセッションを持つんだ。自分のすべきことに集中して、もっと強くなって、もっと知識を蓄えろ。自分を守れ。僕はずっとそう部下に話してきた。

リーダーたる上司は、部下をかばったり甘やかすことが「守ること」なんて考えちゃいけない。部下を覚醒させること、自己防衛能力を引き出すことが、部下を守ることにつながるんだと自覚すべきだ。

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2023年129冊目 『「居場所がない」人たち』は、ソロ社会における「所属」から「接続」へのコミュニティ論

2023-04-24 15:08:23 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

前回に引き続きソロ社会を研究している荒川和久さんの本ですが、今回はコミュニティ論です。

確実に到来し、不可避なソロ社会へ私たちが適応するためのヒントを提供してくれます。

 

<ウェルビーイングではなくウェルドゥーイング>

ウェルビーイングに違和感を覚えるのは「私は絶対に玉の輿を手に入れる」をいう意気込みは結構だが、「一体誰と何をしたい」がないのだ。しあわせとは仕合わせであり、beでもhaveでもなくdoなのだ。どうあるべきか、何を獲得すべきか、ではなく「どこで誰と何をするのか」に尽きるのである。(P84)

<友達がいなくなったと嘆く中高年男性の本当の問題とは?>

多くが仕事上の人間関係を友達と勘違いしてしまう。そもそも友達なんて元からいなかったのに、それに気づいていない場合が多いのだ。

では、友達もいない、趣味もない高齢男性はどうやって生きていけばいいのだろうか?それは「友達を作る」や「趣味を作る」ことではなく、1日数時間、週3日でもいいから仕事を続けることだ。その仕事は一人黙々とやる仕事ではなく、倉庫の分別とか大勢の人間との共同作業であった方がいい。なぜなら、それは金を得るための仕事ではなく、人と接する機会を得るための仕事だからだ。そうでもしないと、丸一日誰とも口をきかずに終わる日々を過ごすことになるだろう。(P109)

<利他なんていらない>

そもそも個人の行動の起点など利己的でいいのである。毎日、仕事し、消費し、遊び、楽しんでいれば、それが循環して誰かのためになっているだけの話なのだ。無人島で誰とも接触せずに一人で暮らしているわけじゃないし、社会的に生きている以上、本人の意志とは関係なくそうなっているもの。利他なんて言葉をわざわざ使わなくても十分なのだ。(P201)

 

「所属するコミュニティ」から「接続するコミュニティ」へ。

単発での関わりでもいいし、継続性すらなくてもいい、たくさんの接点を持つことが今後求められるのですね。

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2023年128冊目 『ソロ社会マーケティングの本質』は、人口の半分を占めるようになるソロ(独身者)社会における消費構造の変化を展望する

2023-04-24 14:58:01 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

荒川和久さんが最近出された2冊を読みました。

どちらもソロ社会を扱っていますが、今回の1冊目は消費構造やマーケティングの変化にフォーカスしています。

 

・今後需要の拡大が予想されるのは「金を持っている子ども」といっていい40~50代独身者たちである。(P47)

・独身は外食市場全体の6割弱もあり、うち独身男性が68%を占める。外食産業において、いかに独身男性が貢献しているかがわかると思う。(P93)

・オタク層というのは、一度気に入ったら浮気をしない優良顧客になりやすい。のめり込む体質が高いので、リピート率が高いのだ。(P122)

・家族は現状に満足し、それを維持する「現状維持消費」傾向があるのに対して、ソロは現状を打破する「現状変革消費」傾向がある。ソロ男女は「自分の趣味」「自分のための教養・勉強」「スポーツや筋トレ」「ネットワークや人脈作り」など自己実現や自己啓発関連に対する意識が高い。(P141)

・根強い社会の結婚規範によって、ソロは「結婚していない状態の自分」に欠落感を感じがちでもある。そうした欠落感を払拭するための代償行為が無意識に消費行動において「承認」や「達成」という心の満足を求める方向へつながっている。(P166)

・ソロ対象に商売を行う場合は、男女という性差よりも、一人暮らしなのか家族と同居なのか、所得がどれくらいなのか、恋人がいるのかいないのか、という環境の違いの方が重要である。

 

2040年には世帯の4割がソロ世帯になり、独身者が5割となるとのこと。

人口が減少する過程においてソロ社会になるという現実を踏まえて、少なくとも人口の半分を構成するソロの欠落感の穴埋め=幸福感を提供していくことにシフトしていくべきでしょう。

 

「個人化する社会」や「個人化する消費」という言葉を聞くと、どうしてもバラバラな孤立したイメージを持つ人が多いですが、そもそも個人が個人として幸せでなければ始まりません。

不幸な人だけで群れを作ったとしても、それでは幸福にはならないどころか、不幸と怒りが増幅するだけでしょう。

 

また、結婚したら幸せになるのではなく、幸せな人間が結婚をしていくということも無視できません。

日本の出生数や婚姻数が減っているのは、結局のところ幸せな個人が減っているからだと思いますね。

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