評価 (3点/5点満点)
「失敗」や「ミス」は、「気をつけよう」ではなくならない。
早さと正確さを両立することはできる。
この本は、認知科学や脳科学、また失敗学をもとに、ミスをなくす方法を紹介します。
具体的には、自分の頑張りに頼らず、仕組み・工夫と、上手なツールの使い方で、ミスをなくします。
「脳」の使い方では、「注意」(ワーキングメモリ)が重要だと言います。
ミスが起こったということは、向かうべきところに注意が向いていなかったということであり、適切に注意を働かせる必要があるのです。
また、仕事をこなすために努力が必要だとしたら、それはやり方がまずいからに他なりません。
余分な努力を不要とする仕組みを本書を参考に作っていきましょう。
【my pick-up】
◎余裕のあるスケジューリングで毎日にゆとりが持てる
私は土曜日も日曜日も、平日とあまり変わらない状態で、なんらかの仕事をしていることが多いです。「毎日仕事をするのは大変じゃないですか」ときかれますが、「いや、毎日夜は休みですよ。だから仕事時間が多くても苦にならないのです」と答えます。余裕のあるスケジュールで動くため、平日でも夜は自分の時間を長く持っています。だから仕事時間が多くても苦にならないのです。
◎先に今日の日付を入れたファイル名で保存してしまう
万一、ファイルを消しても最低限の損失で済むように、私は、そのファイルを開いたとき、作業する前にファイル名の最初の数文字を今日の日付に直して保存し、作業をはじめています。特に、何日もかけて常に更新し続けるようなファイルのように、2~3日おきには何らかの更新が入るようなものはこの形式で保存しています。1日分の損失だけで済むよう、前回までの状態を保存しておいて、続きは新しいファイルで作業を始めるのです。
◎「たくさん」の中身は意外と少ない
「今、仕事がたくさんあって大変なんですよ」という悩みに対し、私がまず行うのは「その『たくさん』って、たとえば何ですか?」と具体的に挙げてもらうことです。「たとえば・・・」と話されたら、さらに「ほかには?」と問いかけて、とにかく「たくさん」の中身は何かを具体的に挙げてもらうのです。こうすると、多くの場合、「たくさんって言っていたけど、そんなになかったですね」とか、「今本当にやらないといけないのは、○○と□□だけですね」というように、注意を向けるところが絞り込まれ、心に余裕が生まれてきます。