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評価 (3点/5点満点)
この本では、社内における「優秀」という評価の実態はいったい何なのか、そして優秀な社員になることの意味と、優秀であり続けるためにすべきことは何なのかを紹介します。
あなたの評価を左右する14の特性
相手にストレスを感じさせない「ダンドリ力」/「あれはまずいでしょ」のNG行動がない/社内人脈づくりに執着していない/自分の能力をひけらかさない/いつでも人に見られている自覚がある/「よくぞ言ってくれた!」の名言を発せる/会議で「落としどころ」ではなく「方向性」を示せる/役員の会話で名指しされる/時代で変わる優秀さの基準を察している/仕事を「やり切る」信頼感がある/過去の成功体験は割り切って捨てている/誰に対しても媚びない姿勢を貫く/暗黙の前提条件をわかっている/根こそぎ違う「指導法」を提示できる
「優秀社員」に必要な13のスキル
自分は運がいいと思い込む/「何か一言お願いします」は大チャンスと心得る/社外人脈をひけらかすみっともなさを知る/経営陣の「テーマ」をきちんと押さえよう/意識すべきは自分の「のびしろ」/大きな動向をつかむには役員秘書から/幹部の敵対関係を押さえ地雷を避ける/トラブル対応で上司を喜ばせる技術/ひとりではなくチームで成功させる/人の強みを立てるいいパスを出す/ネガティブ発言をいなすセンスを磨け/社内人事に対する発言は愚の骨頂/差別化できる趣味を嗜む
優秀と評されることで仕事はやりやすくなります。新たな仕事が次々に舞い込むことで、他の社員と比べてどんどん成長していきます。
人事を専門とするコンサルタントの著者ならではの、人事や評価の実情も知ることができますよ。
【my pick-up】
◎意識すべきは自分の「のびしろ」
与えられた時間を目いっぱい使って、「精いっぱいやっています。もうこれ以上は無理です」と言う人は、周りから見てもただ「十分やっている、頑張っている人」としか映りません。それはそれで評価はされますが、「優秀」と言われることはありません。そして何より大事なのは、そういった「のびしろ」を持っていると自分自身が思っているかどうか、という点です。「自分の担当している仕事でいっぱいいっぱいで、これ以上新しいことを任されても無理です」「今のやり方でうまく回っているのに、これ以上何を望むのでしょうか」と言うのは間違いです。目の前の仕事にばかり固執しても、何も生まれません。
◎人の強みを立てる、いいパスを出す
発言しない人にも話を振り、物事がスムーズに運ぶよう導くファシリテーション力が必要となります。一番手っ取り早いのは、「Aさんはどう思いますか?」とストレートに聞く方法。「Aさんはこれまで広報を担当してきて、その立場からこの件については感じることもあると思うのですが・・・」といった具合に、その人の強みをうまく立てながら意見を求める方法が効果的です。
◎理不尽な人事異動から解放される
どのような人が、人事異動の対象になりやすいのでしょうか。社内でまったく別の部署にしばしば異動させられている人に共通して言えるのは、「相手先が受け入れてくれる人材」であるということ。逆を言えば、「問題児」ではない人だということです。たとえば「あの人はいつ何がきっかけでキレ出すかわからない」という人がいた場合、異動となってもどこも受け入れてはくれません。「異動ができる」ということは、少なくとも「人並みの仕事はできる」という社内での評判があるということです。ただしその一方で、「どうしても残ってほしい」「彼でなければこの仕事はできない」と思わせるくらいの「優秀さ」は持っていない。だからこそ、移されてしまう。理不尽な人事異動をされやすいのは、会社の中で「替えの人材はいるけれど、別に居てもらっても構わない」という、比較的「平凡な社員」であることが多い。一方、本当にダメでどうしようもない社員は、実は動かすこともできず、最後の手段としては辞めてもらうしかないのです。では社内で有名な「優秀社員」はどうなるか。人事異動となれば、周りはその異動になんらかの意味を持たせたがります。人事異動をさせる人事部も経営陣も、「優秀社員」の異動は適当には決められず、慎重になります。当然、理不尽な人事異動の対象になることは決してありません。
◎「優秀さ」とは「ローカルな優秀さ」に過ぎない
各自の持っている「優秀さ」の源は、多くの場合、「社内の仕事をスムーズに進めるために必要な能力」であって、それ以上でもそれ以下でもありません。会社が変わると通用しなくなることを、理解しておいたほうがいいでしょう。