厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2021年170冊目『「後回し」にしない技術』は、実行を妨げる原因を心理学から分析して再現性のある解決策を提示する

2021-07-25 15:22:46 | おすすめビジネス書

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中田敦彦のYouTube大学(後回しにしない技術)へのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本では、「決心→実行→維持」の各段階別に実行に関する具体的なケースを紹介し、実行を妨げる心理学的な問題を分析した後、読者と一緒になって、その解決策を模索していきます。

 

・勉強ができない学生とよくできる学生、不幸な人と幸福な人、失敗した人と成功した人、その違いはズバリ実行力だ。

・実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の「技術」だ。

 

著者は韓国の心理学専門家で、原著は2011年ですが、翌年に『「先延ばし」にしない技術』(サンマーク出版)として刊行されています。今回は文響社からタイトルもすこし変えて、改めて出版されました。

 

後回しにせず、すぐやることで、昨日や他人とは違う自分になることが可能です。

 

【my pick-up】

◎価値の低い仕事をいくら一生懸命にやっても無意味

勝者は人より早く出勤し、長期的に見て成果を上げられる重要な仕事から始める。目標達成のために役立つ本を読み、技術を向上させるために勉強し、価値が高い仕事に精神を集中させる。

一方、敗者は時間ぎりぎりに出勤し、のんびりとコーヒーを飲みながら新聞を読み、ネットサーフィンをし、同僚とおしゃべりをすることから1日を始める。彼らは、短期的に見れば楽しくても長期的には価値のない仕事から手を付ける。

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2021年169冊目『東大式時間術』は、ムダな思考をする時間をなるべく無くすことにフォーカスする

2021-07-25 15:12:30 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

コンピュータとインターネットの登場で、「人類の知の集積が、以前までは〝知的労働〟であった行為を〝作業〟にまで降格させ」、その分現代人はやるべきことが多くなっていましました。

 

この本では、アルバイトをしながら、東大に受かるために5教科7科目という膨大な範囲と量の受験勉強をする中で、著者が気がついた「コスパのよい時間の使い方」をお伝えします。

 

具体的には、「ムダを省く」「効率を上げる」「やる気を出す」という3種類の方向での努力をもとに、「この作業は僕がやらなくてもいいい」「これは別に今やらなくていい」という作業についてはカットし、「これだけは絶対に今やらなければ」というもの、つまり緊急度と重要度の高いものから集中して片づけていきます。

 

考えるのがうまい人、すぐに考えがまとまる人というのは、別に頭がいいわけではありません。ただ単に「目的地を設定する」という技術に長けているだけです。(P.28)

目標を達成するために必要な手順を1つ1つ精査して洗い出していくことが「思考」。(P.32)

「考えても分からない」という状況は、実は多くの場合において、ただ調査不足であるだけ。(P.47)

 

つまり、「次は何をしよう」といったようなムダな思考をする時間をなるべく無くすようにするのです。

 

著者の経験からも、下手に自分の頭で考えないようにするために、分からないことや疑問に思ったことが出てきたときに、すぐ調べるという癖がついたとのこと。また、貴重な1時間をより濃密に過ごすために、前日の結果や次に控える模試の日程と、現状の自分の成績を照らし合わせて、1日のスケジューリングを最初に確定させるようになったそうです。

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2021年168冊目『独断力』は、他人に依存せず独力で決断すれば、課題や対策を先回りして考えることができる

2021-07-25 14:52:04 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

独断力とはその名のとおり、「独力で決断する力」のことです。

独断力がない、つまり常に他人に相談したり他人から指示を受けないと物事を決められない人は、他人の価値観の中で生き、他人の価値観に振り回される脆弱な存在になってしまいます。

 

この本では、自分にとって常に合理的な判断・決断ができるようになるには、どうすればよいのかという点にフォーカスしています。

 

「自分だけで決めよう」「結果もすべて自己責任」と覚悟すればするほど、自ら情報を集め、リスクや課題や問題点を先回りして想像して対策を考え、時には緻密にプランニングし行動することになります。

 

また、独断力を高めるうえで重要なのは「ヒマな時間を持つ」ことです。

日々の忙しさに埋もれていると、何が本質かということに立ち返る余裕がなく、目の前に現れたチャンスをスルーしてしまったりしかねません。

 

どうせ人生は暇つぶしです。仮に学歴がなく仕事がなくても、生活保護制度があり、最低限の生活は保障されています。猛獣に襲われる危険もなければ、戦争のリスクも少なく、生きるか死ぬかという場面に直面することはほとんどありません。だったら、楽しいと思えることをやった方がいい。(おわりにより)

 

独断こそが、他人に依存せず、自分が納得できる人生に繋がります。

 

【my pick-up】

◎幸福を描く力は「抽象的思考力」

成功者は具体と抽象を往復する能力が高く、凡人のほとんどは具体の世界でしか生きていない。だから凡人は具体的な指示を与えられないと動けないため、たとえば「これ任せるから好きにやって」と言われたら混乱しますが、成功する人は喜々として取り組みます。

具体の世界でしか生きていない人は抽象的な話が「理解できない」わけで、こういう人には何を提示しても理解できません。だから議論がかみ合わない。というか議論にすらならない。この差が大きいというのは端的にいうと「住んでいる世界が違う」ということです。

具体の人か抽象の人かが鮮明に出たひとつの例としては、新型コロナウイルスに関連して、「飲み会は5人未満で」に対する反応が挙げられます。具体の人は「4人ならよくてんぜ5人はダメなの?」という感想を持ちますが、抽象の人は「要するに大人数での会食は声が大きくなって飛沫が飛びやすいから控えてということね」と理解します。抽象の人は、政府と自治体の発言の食い違いなども総合的に判断して行動できます。

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2021年167冊目『超効率DXのコツ全部教えます。』は、中小企業でも経営トップの意思と利用型システムでDX推進は十分可能

2021-07-18 14:44:46 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

著者が経営しているのは、鳥取にある中小の不動産会社ですが、一連の「超効率DX」の取り組みが「地方発、中小企業DXの好例」として評価され、経済誌などのメディア掲載、全国中小企業クラウド実践大賞の受賞、慶應大学ビジネススクールのケーススタディ採用などの実績があります。

 

「超効率DX」の取り組みは、主に2つです。

1.業務環境の整理

業務プロセスのムダを排除し、マニュアル化。

2.「クラウド型CRM」の導入

顧客情報や案件の進捗状況、業績などあらゆる社内の情報を「見える化」し、事業全体を一気通貫で効率化。

 

程度の差こそあれ、「当社も昔から業務のやり方が変わっていない」と感じるなら、必ず改善の余地はあります。業務プロセスのムダを省き整理して、従業員が働きやすくするだけでも大きな効果が得られると思います。

 

さらに、クラウド型CRMについては、数億円・数十億円の開発費がかかるようなシステムを企業が「所有」しなくても、月々数万円から「利用」することができる時代になりました。

 

DX全般に言えることは、トップや経営層の理解と関与が非常に大事であること。ときに社内の反発を抑え込み、強いリーダーシップで改革を推し進める必要があります。本書でも、経営層が苦労しながらも、時間をかけてDXを進めてきた様子がうかがえます。

 

【my pick-up】

◎「お問い合わせ」を管理し、サービスの改善に役立てる

当社が管理委託を受けている賃貸物件に住むお客様からのクレームの約25%は、「共用部の電灯切れ」です。以前は、25%という数値化もせず、漠然と「電灯切れのクレームが多いな」という印象を持っていただけでした。それらのクレームをCRMで記録するようにして、自動で集計・グラフ化するようにしたことで、「電灯切れ」が当社のクレーム頻度ナンバーワンだと判明したのです。そこでただ電灯交換の対応をするより、「電灯切れのクレームを受けないように対処する」ほうが重要と考え、管理物件のすべての電灯を一斉に交換しました。こうすることで、次の交換時期の目安がわかりますし、その時期がきたら一斉に電灯交換を行えばよくなります。データにすることで、客観的な経営判断や施策の意思決定に役立てることができます。

◎従業員の「使いこなし」を徹底的にフォローする

クラウド型CRMを導入するにあたり、従業員にシステムをいかに「使いこなしてもらうか」。とくにベテランの従業員はITリテラシーが低く、苦手意識は顕著です。ですが、やってみると年齢は関係ないと感じました。50代でもそれ以上でも、やはり「実際に使ってみる」ことがもっとも効果的な習得方法だったのです。教える側として力を注ぐべきは事前説明ではなく、アフターサポートです。

その操作をしなければならない理由や、どういう点が以前より効率的になったのかを口頭できちんと説明し、一つひとつの工程に納得感を持ってもらいながら体験してもらったのです。「なるほど。もうあの作業はやらなくていいんですね」という前向きな言葉を引き出せればもう大丈夫です。

また、元のアナログには戻れないようにしてしまいましょう。例えば、CRMにスケジュール管理の機能がついているのにホワイトボードに手書きして出かけてしまうのなら、ホワイトボードを撤去してしまうのが解決策です。物理的なツールを撤去し、「変わらざるを得ない環境」に持ち込むことが強制力にもなりますし、本気度を示すパフォーマンスにもなります。

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2021年166冊目『これからの会社員の課題図書』は、想定の範囲を広げ失敗を回避するためのビジネスパーソンの読書法

2021-07-18 14:30:16 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

今年の115冊目で『部下を育ててはいけない』を紹介した田端信太郎さんの最新刊です。

 

この本で、田端さんが伝えたいのは、ビジネスパーソンとしての「常識/コモンセンス」を身につけるための読書です。

 

読書で自分を鍛えている人とそうでない人の差は、すごく大きいものがあります。説得力、発想力、論理的思考力、リーダーシップなど、ビジネスの世界で勝ち抜くために必要なスキルに差が出てくるのです。

 

「常識/コモンセンス」とは、「上司はこれを望んでいるだろう」「お客さんはこれを欲しがっているだろう」「世の中の多数派はこう感じるだろう」ということについて、〝大外しをしない〟ということです。

 

田端さんが主宰する「田端大学」では、課題図書をもとに参加メンバーで議論をし、そこから得られた気づきやアイデアなどを、月に1度、みんなの前でプレゼンしてもらっているそうです。

 

本書の前半では、ビジネスパーソンとしての「常識」を身につけるための本の読み方や選び方、使い方について紹介します。

 

・本を読めば「こういうときに失敗しやすいのだ」「これは失敗パターンだ」というのは、確実にわかります。本を読んでいない人と比べて、失敗を先回りして回避できる。これはビジネスにおいて強い意義があります。(P.26~27)

 

・その分野で何か説得力のあることを言えるようになりたいと思うなら、好き・嫌いや、新しい・古いは別にして、必ず読むべき本というのは厳然としてあります。(P.31)

 

・本を読まずにビジネスの戦場に出て行く人を見ると、ぼくからすれば丸腰で戦に臨んでいるようなもの。きみの頭脳は武器であり、読書はそこに弾を込める準備なのです。たまに天才のような人もいて、何も武器を持たずにひょいひょい戦場を渡り歩ける人もいるけれど、そんな人の真似はできない。読書で武器を身につけるほうが誰にでも再現性があるのです。(P.41)

 

本書の後半では、田端さんが20年以上のキャリアの中で読み、役立ててきた本について、内容のエッセンスとビジネスでの活かし方について解説します。

仕事の本質や、世界への理解を助けるような、人を選ばずにおすすめできる普遍的な本がピックアップされています。

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