厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2020年60冊目『100万人に1人の存在になる方法』

2020-01-25 19:28:04 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

現在はサラリーマンや公務員であっても、3つのキャリアのかけ算をして「キャリアの大三角形」を形成することで、100万人に1人の「希少性」ある人材に変態することが可能である。
著者の藤原和博さんが、以前から提唱しているキャリア論です。
この本では、100万人に1人の希少性を実際に達成した人たち10人を取り上げ、その一歩目、二歩目、三歩目のキャリアを示しています。


<100万人に1人の希少な存在になるための11の原則>
一歩目の教訓
1.まずファーストキャリアは場数を踏ませてくれるところに潜り込め
二歩目の教訓
2.組織で「何か変だな」と感じたらチャンス!
3.自分自身の時間割をリストラせよ(副業・週末起業のすすめ)
4.迷いが続いたら、被災地や途上国の支援に馳せ参じよ
5.日本を出よ
三歩目の教訓
6.年収を上げようとしない、むしろ自分を安売りせよ
7.女将になろう
8.第1号になろう
9.地方の公的な組織の長を狙え
10.地道にファンを増やせ
11.最後は、起業せよ


登場する10人の三歩目のジャンプの背中を押したのには、〝サラリーマンのままでいいんだろうかという強い疑問〟〝ようやく自分がどんなことなら夢中になれるのかが見えてくる〟〝社会的な意義に裏打ちされた使命感〟の3つの要因があると感じました。


【my pick-up】
◎なぜ、希少性を磨く必要があるのか
会社員はただでさえ、45歳以上になると急に「賞味期限切れ」のリスクが高まっていく。45歳までに武装して自分自身をレアカード化しておかないと、突如「賞味期限切れ」を宣告されることになる。どうしてかというと、サラリーマンは偉くなればなるほど人事権と予算権を付与され権力が増すように見えるけれど、実はその権力を保障しているのは、あなたの人間力ではなく会社の信用力だからだ。そして、年齢が上がれば上がるほど、昇進で偉くなればなるほど、直属の「上司」とあわないリスクに耐えられない。若い頃なら配置転換で関係をチャラにして、別の上司とのタッグで出直すことも可能だが、45歳を超えたらそうはいかない。サラリーマンにとって、最大のリスクは「上司」なのだ。希少性を磨いていない社員は、上司から容易に切られるだろう。平社員だけでなく、部長職でも取締役でも同じことだ。サラリーマンの世界では、上に行けば行くほど、サドンデスのゲームになる。

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2020年59冊目『ムダな仕事はもう、やめよう!』

2020-01-25 19:16:53 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

トリンプ・インターナショナル・ジャパンの元社長、吉越浩一郎さんが、ヨーロッパのエリートのスタイルを参考に実践してきた取組みの数々が紹介されています。


・ヨーロッパのエリートたちは、ほとんど残業をしない。
・バカンスは平気で1か月以上。その間、仕事には一切ノータッチ。
・朝一番からトップギアで走り始め、図書館のようなシーンとした環境のなかで集中して仕事を処理し、夕方になるとサッと仕事を切り上げる。


これらが、トリンプで有名となったデッドラインやがんばるタイム、早朝会議、GNN(義理・人情・浪花節)の批判につながっています。
本書は2008年刊行で12年前のものですが、「残業するほどヒマじゃない」という本書のフレーズを最近思い出し、古い書棚から引っ張ってきました。それほど、従来の仕事の考え方・やり方を見直す契機となる、今でもインパクトのある1冊です。


【my pick-up】
◎さっさと一人で帰る技術
私の知人は、早朝出社作戦を敢行していた。作戦といっても、9時出社のところを1時間早く来て仕事をするだけ。まわりは「残業分の仕事を早朝にこなしているのだろう」と勝手に思い込み、定時に帰っても誰も気に留めないそうだ。まわりは毎日平均2時間残業しているらしいが、それが早朝の1時間でチャラになるのだから、じつに賢い作戦だ。とはいえ、まわりの思い込みもあながち間違いではない。誰もいない朝のオフィスは、集中するのに最適な環境。日中に「がんばるタイム」や「がんばるコーナー」を確保するのは大変だが、早朝ならそれが労せずして手に入る。実際、彼も残業2時間分の仕事を朝の1時間で片づけてしまうそうだ。


◎報告の前に、結論まで自分で考える
ホウ・レン・ソウに頼らない働き方とは、結論まで自分で考えて、責任を持って実行するスタイルのことだ。課題と達成すべき目標さえ共有すれば、「どのような方法で何をどうするのか」という部分は本人に考えさせればいい。最初に結論を報告してもらえば、途中の報告も要らない。あとはデッドラインを迎えたときに、結果を報告するだけでいい。完全に任せてしまうか、それとも口だけでなく現場に入って手を動かすか。2つに1つで、中途半端が一番いけない。現状報告だけなら、誰でもできる。


◎ムダな調整や根回しはタテ割りの組織が原因
どうすればセクショナリズムの問題を解決できるのか。私がもっとも効果的だと思うのは、部門をできるだけ統合して、部門間に存在している壁そのものを取っ払ってしまうことだ。必要なのは、いままで3人の部長が見ていた仕事を1人の部長が担当するような組織改革だ。ただ、細分化した組織をこのようにまとめると、1人当たりの仕事の守備範囲が大きく広がることを覚悟しておかなくてはいけない。

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2020年58冊目『やりたいことを全部やれる人の仕事術』

2020-01-22 18:41:34 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本では、世の中の「やりたいことがやれない状態」に終止符を打つべく、より実践的な解決法だけを厳選して紹介します。

あなたが日頃やりたいと思っていることは、その大小にかかわらず、何一つ諦めないでほしい。

社会的地位もあり、驚くほど知性的なのに、肝心な自分の人生に対してだけは無頓着で、大切なものを失うまで気づかなかった人もいます。

著者の岡田充弘さんの人生における優先順位は、人(信頼)>時間>お金、とのこと。その状態を実現する手段として「仕事」があり、また実際やりたいことは「仕事」の中だけではなく、「趣味」の中からも見つけられます。

本当の幸せは、出世やお金を追い求めることではなく、「時間的余裕」や「心身の健康」、「豊かな人間関係」の上に成り立っているように思います。

本書を参考にして、「すごい人」になるためではなく、「幸せな人」になるために、自分を変えていきませんか?

my pick-up

全部やれる人は、夜に自分を磨く

長期間活躍するためにも、日々の仕事はできるだけ定時で切り上げ、夜の時間は自分磨きに時間を確保しておくことをお勧めします。私の場合は通常19時以降は、「ジムやランニングで体を鍛える」「ITリテラシー(ITを活用する能力)や語学の勉強」「カフェでビジネス本を読む」「刺激をもらえる人と会食」のいずれか2つ以上を実践するようにしています。ITリテラシーはセンスに関係なく、日々の積み重ねで確実に成果に表れるので、ぜひ継続してみてくださいね。

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2020年57冊目『文系AI人材になる』

2020-01-22 18:29:55 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

AI社会になって職を失わないだろうか?

文系がAI人材になるために何からすればいいの?

そんな不安や疑問を解消するのが本書です。

これからの本格的なAI社会では、「AIを作る」専門家だけでなく、AIのことをよく理解し、的確に「AIを使う」人材も重要なポジションを担うことになります。文系AI人材は今後そこに価値や活路を見出すのです。

そのために、AIの基礎用語やAIの作り方をまずは理解し、様々な業種別事例にあたることで、自社での活用を企画しましょう。本書はその際、大いに参考となります。

AIは今後、Excelくらい誰もが使うツールになると思います。プログラミングや統計・数理的なことの知識はそれほど必要とはならない時代がやってきます。

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2020年56冊目『日本はもはや「後進国」』

2020-01-21 18:27:46 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

日本が貧しくなった原因は様々ですが、もっとも大きいのは、日本の労働生産性が相対的に低い水準のまま伸び悩んでいることです。

この本は、日本の豊かさのカギを握っている「生産性」という概念について、可能な限り簡単に解説することを目的に執筆されています。

生産性を示す計算式など教科書的な解説だけでなく、「ご挨拶テロ」や「働かないオジサン」など、具体的な事例をもとに、生産性とは何か、どうすれば生産性は向上するのかについて、分かりやすく説明します。

本書にもあるとおり、生産性という指標は「儲け」「労働時間」「社員数」という3つの項目に分解できます。

簡単に言ってしまうと、より儲かる仕事を、短時間で、そして少人数でこなすことができれば、企業の生産性は向上するということです。

日本の生産性は、過去50年間、先進国では最下位という状況が続いています。1980年代には生産性の伸びが高まり、欧米各国に近づくかに見えましたが、その後は再び鈍化しています。

ただし日本は幸いにして、豊富な資本蓄積と同一の文化圏に属する1億人の消費市場があります。これをフル活用しつつ、私たちの意識や行動を変えることで、生産性を上げることは可能でしょう。

my pick-up

日本には働かないオジサンが400万人もいる

もっとも人手不足が深刻なのは、小売店や外食チェーン、運輸、介護など、若い世代の労働者を大量に必要とする業界です。一方で、事務職を中心に、企業内には大量の中高年ホワイトカラーが余っています。人事異動を行うにしても、新業務に必要とされるスキルと本人が持つスキルが一致しないため、社内の異動には限界があります。結果として、事実上、仕事がない状態で社内の各部署に人材が埋もれてしまうことになります。これを揶揄した言葉が、いわゆる「働かないオジサン」です。数字上は、社内失業者が労働市場に出てくれば、人手不足などすぐに解消するレベルの話というのが偽わざる現実です。何十年も同じメンバーで同じような仕事を続けている組織において、イノベーティブな発想が生まれてくる可能性は限りなく低いでしょう。ところが日本企業は、同じ人材だけで変化の激しいこの時代に対応しようとしており、常識的に考えてこの仕組みがうまく機能するとは思えません。

電話オジサンの末路

日本では基本的に電話でのやり取りしかしないというビジネスパーソンも多く、FAXはいまだに健在です。電話に強く依存したビジネスパーソンが多いことも、日本の生産性が低い要因のひとつと考えられます。若年層の多くは、電話について一種の迷惑ツールだと考えています。電話は同期通信を相手に「強要」するものであり、電話をかける人は、電話を受ける人の状況などお構いなしに一方的に割り込んでくるというのがその理由です。電子メールやメッセージングなど、異なる特徴を持った複数のツールが併存している現状を考えると、絶対に電話を使わなければならない場面というのはどれほど多くないことが分かります。これに加えて電話は記録が残りませんから、大事な要件の場合、電話の最中もしくは切った後にメモを取るという追加作業が必要となる場合があります。電話に強く依存した人がいると、すべての要件を電話で済まそうとしますから、お互いの時間が同時に開くまで、何度もやり取りが続くことになります。同じような状況は、実は電子メールの世界でも進行しています。近年、先進的な企業では、社内の連絡手段を電子メールからビジネスチャットに移行するところが増えており、対外的なコミュニケーションを除くと、電子メールが電話と同様、絶滅危惧種になる可能性が出てきているのです。電子メールは紙のメモの延長線上として出来上がったツールであり、基本的にライン上の指示・命令や一斉同報といった用途に向いています。多くの人と情報を共有する目的には、実はあまり合致していないのです。こうしたコミュニケーションが前提になると、リーダーシップの概念も変わってきます。命令口調で周囲を従わせる人がリーダーではなく、多くの知見を集めて、それをうまくまとめられる人が真のリーダーとみなされるようになるでしょう。

あまりにも学ばない日本人

もちろん諸外国でも学習しない人はそれなりにいますが、日本の場合、いわゆる高偏差値の大学を卒業したエリートと呼ばれる人材でも、日常的な読書習慣がなくほとんど学習をしていない人が多いという特徴が顕著です。多くの国際比較調査において、人材に対する投資が活発であるほど生産性の伸びが高いという結果が得られています。その理由は、教育投資を継続的に行うことで、マネジメント層の知見が増え、ビジネスモデルのシフトが容易になり、結果的に付加価値が増えるというメカニズムと考えられます。ITが高度に普及した現代社会では、社員のスキルアップとITの活用はほぼセットになっています。社員のスキルアップが行われず、その結果としてビジネスへのIT活用が進まないという状況が総合的に作用することで、生産性が伸び悩んでいる様子がうかがえます。IT活用に加え、学習に対する消極性と密接に関係していると思われるもうひとつの要素が転職です。転職経験が多いほど、新しい環境に適用するため、学びを継続する確率が高い。同じメンバーが顔を突き合わせて、何十年も同じ仕事をしていれば、どれだけ優秀な人材でも確実にマンネリ化してきます。

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