評価
(3点/5点満点)
パラダイムとは、簡単にいうと物の見方や考え方、思考の枠組みのことです。人の数だけ、違った見方や考え方、捉え方があることを私たちは知っていますが、自分自身のパラダイムを変えれば、物事の捉え方が180度変わることだってあるということに気づいている人は少ないのではないでしょうか。
もし、今の結果に満足していないのであれば、満足できる結果が得られるように、自分のパラダイムをちょっと変えてみることです。考え方を変えたり、別の視点を取り入れたりすることで、新しいパラダイムをつくることができます。
「こうあらねばならない」「こうあるべきだ」という思い込みで、実際には制限しなくてよいところまで、自主的に制限していることがあります。まずは、好ましくないパラダイムを捨てて、意味のないルールや制限をなくしましょう。
本書では、「マイナスのパラダイム」を「プラスのパラダイム」にシフト・変換する50のヒントが用意されています。ちなみに、本書の著者の川西茂さんは、ビジネス書の古典的名著『7つの習慣』を翻訳された方です。
単に仕事の成果を上げるのみならず、夢をかなえ、人生を豊かにするための前向きな選択が満載です。
【my pick-up】
◎変化をチャンスに変える
安定した生活を守るために、組織に居座ることだけを考えるようになると、現状を維持することが唯一の目標になってしまいます。「叱られなければいい」「そこそこでいい」と思って働いている人は、周囲の人から見ても「やる気がない」のが明らかです。そういう人は「組織に必要な人」ではありません。組織が危機存亡の状況に陥ったとき、真っ先にリストラの対象になる人たちです。
◎仕事とは改善することである
「仕事」とは改善することです。改善をやめたら、それは仕事ではなく単なる作業になります。前任者から引き継いだ仕事を、そっくりそのまま行なっていたら、それは仕事とは言えません。前任者がつくった仕事を、前任者に代わって私たちが作業しているだけです。
前任者が進めていたとおりにしかやらず、そのまま後任者へ渡すのなら、自分がそこに存在した意味がありません。より少ないエネルギーで、より効率よく、より楽にこなすにはどうしたらよいか。同じ手間をかけて、より大きなものを生むにはどうしたらよいのか。常に考えて行動するのが「仕事」です。
◎「80対20の法則」の20パーセントに集中する
この仕事は本当に必要なのだろうかと、やっていて疑問がわくような仕事は、たいていやらなくてもいい仕事の場合が多いものです。そういう仕事は、思い切ってやめてみるのもひとつの手です。何もしないで放っておくのです。それで他の仕事に支障をきたすことがなく、誰からも何も言われなければ、それは不要な仕事だったということです。本当に必要な仕事は、放っておいたら問題になります。仕事が回らなくなったり、不都合が起こったり、誰かから催促されたりしますから、そんなことがまったくないような仕事は、やる価値のない無駄な仕事だったということです。
◎自分を育てる時間をもつ
人間の思考という観点から考えると、深い思考をするにはそれにふさわしい時間的な長さが必要なのです。たとえば隙間時間を集めた途切れ途切れの2時間と、連続した2時間では、どちらが集中できるでしょうか。比べるまでもありません。自分の人生を深く考えたり、本を読んだり、勉強したり、何かに打ち込む時間が必要ならば、寄せ集めた時間ではなく、1日のうちにまとまった時間を確保しなくてはなりません。
忙しい人は1日にまとまった時間をつくるなんて、とうてい無理だと思うかもしれません。無理だと思っているうちは、無理でしょう。しかし、時間はつくるものです。本人がつくろうとしない限り、できないのです。将来のために自分を高める時間をもつか、もたないかで、これからの人生が大きく変わるでしょう。できれば1日に2時間から3時間、自分のために時間をつくることです。
◎「今」と「自分」に集中する
「今」に不満がある人は、自分が選択した結果が「今」をつくっているということに気づかなければなりません。もし、不満があるのなら、自分が変わるしかないのです。どんなに不満だと訴えてみても、自分自身がそこから抜け出す気がないのであれば状況は変えられません。考え方を変えて行動を起こせば、状況はすぐにでも変えられるのに、何もしようとしないのはなぜでしょうか。もしかすると心のどこかに自分が悪いのではなく、誰かが悪いのだというような思いはないでしょうか。あるいはまた、不平不満を言っていると誰かが助けに来て、問題を解決してくれると思っていないでしょうか。