厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2016年199冊目『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』

2016-10-28 22:44:53 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

日刊書評メールマガジン『ビジネスブックマラソン』編集長で、世界的なベストセラー『人生がときめく片づけの魔法』など数多くの著者のプロデュースを手掛ける土井英司さんが、自分自身の1本の線を引けるようになるために、新旧の山のようなビジネス書の中から、どの本を見出し、何を吸収し、どのようなアクションにつなげていくかをまとめています。

本書のキーメッセージ、本(ビジネス書)を読むことの効用は、次の2個所に集約されると思います。

ビジネス書はエンターテインメント的に楽しむものではない。その読書には「目的」が大切だ。どんな本を読み、どんな内容を感じとって、どこに線を引くのか。それは結局、目的意識にたどり着く。何かをやりたいという意欲があるからこそ学べるのであって、ただなんとなく読んでも何も得られないだろう。それは「消費」ではなく「投資」だ。金のアクセサリーを買って満足するのではなく、金塊や金鉱そのものを探す行為なのだ。ビジネス書の魅力はそこにある。(P.11)

読書の大きな効用は、偉大な著者たちのものの見方、考え方、つまりフィルターをのぞけることにある。その作業は他者との「ちがい」を作るためにとても役立つし、自分自身の成長にもつながる。よいビジネス書には、「著者のフィルター」がかならず収められている。あなたの見方を変え、インプットの内容を変え、世界を変化させてしまうフィルターが手に入る。(P.19)

【my pick-up】

◎一流になるための「部分練習」-会計、ファイナンス

会計がわからない以上、いくらビジネス書を読んでも、正確な理解や評価は難しい。ビジネス書に身になる線を引きたければ、まず会計、ファイナンスの基礎知識を身につけてほしいのだ。「損益計算書」は上から、次のような6項目が並んでいる。

売上高/売上原価/販管費/営業外損益/税金/当期純利益

ポイントは、その順番だ。「上から順に大切な項目が並んでいる」と知っておくだけで、会計への苦手意識がかなり薄らぐだろう。

お客様→取引先→従業員→銀行→国→株主

企業の経営が悪化する要因はいくつかあるが、もっとも危機的なのは売上の減少だ。経営者感覚の最たるものは、この6項目とその順序を知っているかどうかだ。これを知らなければ、企業は滅びるのだ。会計がわかれば、会社や世の中の仕組みが見えてくる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年198冊目『仕事ができる人の逆転ワザ42』

2016-10-27 21:44:11 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

ビジネススキルの中には、逆転につなげやすいものがあります。この本は、それらを42のワザとして紹介するものです。

まずは平均点をとって、それから地道にコツコツ加点していくのではなく、一気に状況を変える。本書のねらいはそこにあります。

キホンから、ビジネス会話、プレゼン、上司対応、評価アップetcあらゆるビジネスシチュエーションで今すぐ使える「こんな簡単なことなのに、どうして今まで気づかなかったのだろう」という逆転ワザが満載です。

出遅れたかも、落ちこぼれてる?なんだかうまくいかない・・・パッとしない今を飛び越え、即戦力・救世主・一流になるきっかけは、あっという間かもしれません。

【my pick-up】

◎「しかける仕事」に注力

評価が髙いのが「しかける」仕事。業務改善提案を立案して実行する、新たなビジネスを展開するなど、新しい価値を生むものです。だから、「こなす」仕事中心から、「しかける」仕事にシフトしていきたいのです。「しかける」仕事に取り組むには、時間と気持ちの余裕が必要です。頑張っているのに評価が低い人は、知らず知らずのうちに、こなす仕事を抱え込んでしまっているもの。上司は、部門の実績、成果に貢献した部下を評価します。だから、「しかける」仕事に取り組むならば、自分の部署の成果に直結するような仕事をしたほうがよいのです。そのためには、あなたの部署にとって重要な成果とは何か、を改めて考えてみる必要があります。

◎成果を「お金」か「時間」に換算する

たしかに、間接部門の皆さんは営業と違い、売上額のような成果指標が挙げにくいでしょう。だからこそ、工夫して数値化したほうがよいのです。ビフォー・アフターは、きちんと数字を記録しておきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年197冊目『トップ1%に上り詰めたいなら、20代は“残業”するな』

2016-10-25 20:37:48 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

この本では、幸福で実り豊かな仕事人生を歩むために、特に20代で意識しておくべきことをお伝えします。

タイトルの『20代は残業するな』というのは、努力(残業)に逃げず、結果にこだわって自分を追い込むというのがその意味で、単純なワークライフバランスではなく、生活全体を仕事と連携させるという主旨で理解してください。

また、幸福で実り豊かなキャリアという観点からは、日本の労働環境は世界最低レベルと言っていいほど悪く、我が国で常識とされている働き方に従っていれば、幸福で実り豊かなキャリアは実現できない危険性が高い。抜きんでるためにはどこかで常識破りをしなければならないとも指摘しています。

そのため、本書に書いていることを実践しようとすれば、世間的な常識に凝り固まっている旧世代の人々とは大きな摩擦を起こすことになるかもしれません。しかし、本当に仕事を楽しくし、圧倒的な成果を出すためには、やはりこの壁を打ち破る必要がありそうです。

【my pick-up】

◎上司の言いなりになる人ほど後でバカを見る

ダメ上司はビジネスセンスがない上に、自社の課題の優先順位づけがメチャクチャなので、そもそも「あれをやろう」「これをやろう」と言い出す仕事の多くが無意味であることが少なくありません。

◎悪口を言わせてこそ、ナンボ

悪口を言うというのは、半分は賞賛の裏返しという側面があります。羨ましかったり、悔しかったりするのだけれど、当人に面と向かって批判するほどの勇気も信念も持たないという、非常に残念な人がやっているのが「悪口」という行動ですから、それに加担しないようにしましょう。これはまた、自分に関する悪口もまた、クールに受け流しておけばよく、むしろ評価のバロメーターとして歓迎するくらいでいい、ということでもあります。組織人の嫉妬には凄まじいものがありますから、活躍するようになると、程度の差はどうであれ、必ず悪口を叩かれるようになります。自然体で能力を発揮して、優秀だという評価が確立される時期にこそ、それを妬む人たちによる言われのない誹謗中傷もまた横行することになる。

◎20代は、読んで読んで、読みまくれ

特に私が皆さんにすすめたいのが、「とにかくたくさんの本を読む」ということです。読書の習慣というのは、それを持つか持たないかで本当に人生の豊かさが数百倍も変わってしまうというくらいに重大なことですが、これは何よりも20代において重要なことなんです。好きなことがわからない、何を勉強して良いのかよくわからない、というのが20代だと思いますが、あまり考えずに、とにかく気になった本を手当たり次第に読む、ということを心がけてください。量の目安としては1週間に1冊くらいのペース、つまり年間で最低でも50冊程度は目を通して欲しいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年196冊目『若者はなぜモノを買わないのか』

2016-10-22 23:07:12 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

今の若者は、リアルはもちろんネット上でもお店に向かいません。まず、スマホを使いグーグルなどの検索サイトでダイレクトに画像検索をして、モノの画像を探します。そして、たくさんの画像の中からお気に入りのものを探し、それを売っているショップなどの情報へ飛ぶのです。画像検索は、イメージがつかみやすくて、瞬間的に欲しい情報へたどり着くことができます。若い世代はそのメリットに気づき、いち早く活用しています。

たくさんのリアリティある情報に触れ、バーチャルでモノを体験して「シミュレーション(疑似)消費」しているうちに、最終的には欲しくなくなってしまう。若者は消費しないのではなく、消費する対象=消費のしどころが変わったのではないでしょうか。

情報より体感。コスパより楽しさ。それを優先する消費スタイルを「超シュミレーション消費」と呼び、それこそが若い世代にリーチする市場のキーワードではないかと本書では指摘します。消費に関して、若者は大人たちの思惑通りには動いてくれないのです。

超シミュレーション消費で成功している企業として、生活のシーンを喚起させるカジュアルファッションブランドのGUや、カーシェアリングで車の魅力を若者にうまく届けるパーク24、想定外のモノがいっぱいあって足を踏み入れるだけでわくわくするコンセプト書店のヴィレッジヴァンガードなどを挙げています。

若者が〝買わない世代〟というのは本当なのだろうか?

彼らが買わないのは、いいモノを作ってもその魅力を彼らに届くように伝えていないからです。その伝え方として大切なのが、価格やスペックよりも、中見の価値に「いいね!」してもらうことです。新製品について宣伝するにも、広報やマーケティング担当者が出てきて語るより、開発者が出てきて語る方がより本質が分かる気がして、消費者にとっては興味深いはずです。

また、本物を貫いている企業に共通しているのは、扱っている商品を社員がスタッフたちが愛しているということも、本書から読み取れます。

【my pick-up】

◎若者は、お酒をストレス解消の手段にしていない

大切なのは雰囲気を楽しむことで、何を飲むかではなく「誰と飲むか」に価値を置きます。「酔っ払う意味がわからない」と言うメンバーもいるくらいです。そのように、若者は決してお酒離れしているわけではありません。お酒の役割が変わってきただけなのです。

◎記録-「自分ログ」として、戦利品の画像や動画をスマホに記録

最近のSNSは、自分のための記録用タイムラインとして利用しているケースが目立ちます。外向けではなくて自分向けなのです。自分の記録のために一応SNSに上げておこうというだけで、広く何かを発信したいとか、ひとりでも多くの人たちに「見てね」というつもりはない気がします。

◎作り手の思いやこだわりがうまく伝えられるか

NHKの『プロジェクトX~挑戦者たち~』は、製品やサービスの開発プロジェクトを追うドキュメンタリー番組として、かつて人気を博しましたが、支持していたのは主に高度経済成長を支えてきたシニア層でした。その後継番組が『プロフェッショナル仕事の流儀』です。しかし、こちらは若者にとても人気があります。というのも、2つの番組には大きな違いがあるからです。『プロジェクトX』は企業を前面に出した番組構成になっていますが、『プロフェッショナル』の方は、創業者やその道のプロがいかに難題に立ち向かったかを〝人〟を軸にして番組が作られています。きっと、若者は、企業が何をしたかではなく、人が何をしたのかの向こうにモノの本質を見ようとしているのでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年195冊目『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』

2016-10-22 22:43:29 | おすすめビジネス書

amazonへのリンクはこちら

評価 (3点/5点満点)

著者は米スタンフォード大学の心理学者(専門は健康心理学)のケリー・マクゴニガル氏。監訳者は、本書の特徴を3つ挙げています。

1.日本人の読者を意識して書かれた点

2.マクゴニガル氏自身の体験を、ケーススタディの材料として提供している点

3.最新の心理学、行動科学の知見がふんだんに盛り込まれている点

本書は、読者の様々な課題や悩みを25のテーマに分け、精神論や根性論ではなく、研究結果に基づく科学的見地から解決の糸口を示すものです。シンプルで分かりやすい説明はもちろん、読後すぐに試せる具体的な思考法や行動を紹介する実践的なガイドブックに仕上がっています。

成功、人間関係、やる気(モチベーション)、マイナスの感情、ストレス、リーダーシップ・・・本当の自分を引き出すために、科学的データに基づくヒントを活用しましょう。

【my pick-up】

◎妬ましくても、人の成功を祝う

人は、妬ましく思う相手を避ける傾向にあるが、これは大きな間違い。妬ましく思う相手は敵ではなく、将来一緒に働くことになるかもしれない「潜在的な盟友」。今その人を避ければ、将来的に重要になるかもしれない「助け合いの枠組み」から、自分を遠ざける。今その人との関係を強めておけば、彼らの成功はあなたに〝伝染〟する可能性がある。同僚をはじめ、あらゆる人と強い絆を築く最善の方法は、ほかの人の成功や幸運を心から祝福すること。

◎不安は、「成功へと導くエネルギー」である

不安になり、ドキドキして心臓の鼓動が速くなる、息が荒くなるといった症状は、脳と体にたくさんのエネルギーを送るためのもので、「チャレンジ反応」と呼ぶ。不安を受け入れることができれば、困難に立ち向かう助けになる。

◎ストレスの「良い面」を見る

ストレスはモチベーションアップにつながることもある。ストレスは人と人とのつながりを深める働きもある。ストレスを多く感じると、「怒り」「憂鬱(気分の落ち込み)」「悲しみ」「不安」を感じやすいが、同時に「喜び」「愛」「笑い」も多く感じ取れる。ストレスは〝人生の意義〟につながる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする