評価 (3点/5点満点)
自分でも気づかないうちに、相手に不快な思いをさせたり、失礼に感じる文章を書いてしまったりしていませんか?
この本の目的は「テキスト・コミュニケーション」スキルの向上です。
私たちの伝え方のルールが2020年代に入って大きく変わりました。
「対面でどんどん人を巻き込みながら仕事をしていく」というタイプの人が減り、「テキストを使ってみんなを引っ張っていく」そんな新しい活躍の仕方をする人が増えました。
本書ではコピーライターが文章を書くときの視点をもとにして、日常のテキスト・コミュニケーションで使ってみたくなる技術が盛り込まれています。
【my pick-up】
◎テキストだけでその人が判断される時代が来た
なにより怖いのが、メールやチャットなどのテキストで上手く伝えられない人は、「存在感」がなくなっていくことです。メールの宛先やチャットのグループには入っているけど、書き込むのが苦手で、なにも発信ができない。これでは、いないのと同じになってしまうおそれがあります。これからは、文章のコミュニケーションだけでも存在感を出すことが重要です。文章に、自分のすべてを入れ込まなくてはいけない時代になっているのです。
◎数字がキャラを確立させる
あなたの趣味がマラソンで、「毎日10キロのジョギングを週5日、1年間続けています」と書けるなら、それはほかの人には書けないことです。しかも、あなたが努力家であることも伝わります。数字は、あなたのキャラクターの輪郭をハッキリさせる効果があります。また、「10キロも走るなんてすごいですね!」「週5日も走っているんですか?」と、数字がハッキリしているほうが、コミュニケーションも盛り上がります。
◎相手に文体を合わせるとコミュニケーションも合ってくる
僕は基本的に、相手に合わせることにしています。たとえば、細かいことですが、文章の最後で、「よろしくお願いします」で締める人もいれば、「よろしくお願い致します」と書く人もいます。こういう表現を無条件で、相手の書き方に合わせていくのです。相手の文章に硬さを合わせていく作業とも言えます。
◎「」で無意識のアンダーラインを
「想いを1行にすることが大事です」と書くのと「想いを『1行』にすることが大事です」と書かれているのでは、明らかに後者のほうが「1行」と強調したい部分に目がいくのがわかりますでしょうか?テキストで人を動かせる人は、かぎかっこで見てほしい部分を上手にコントロールしています。このやり方は、対比を強調することなどにも使えます。「いま必要なのは理屈より感性ではないでしょうか?」という分も「いま必要なのは『理屈』より『感性』ではないでしょうか?」とされたほうが、より頭のなかに対比が入ってきやすくなると思います。