評価 (3点/5点満点)
GE(ゼネラル・エレクトリック)では、20世紀最高の経営者と呼ばれたジャック・ウェルチがCEOに就任してから、プレゼンの重要性が増したとのこと。
その目的は、組織の「意思決定スピードの向上」でしたが、GEの社員はそれにより「本質的なことのみに焦点を当てる思考」が加速し、さらには一人ひとりが「ムダな業務の排除」「あらゆる仕事のスピード化」を実現することにつながりました。
この本では、GEの日本・アジア太平洋地域の経営幹部育成プログラムの責任者だった田口力さんが、「簡潔なメッセージをストーリーとして伝える」プレゼンの基本について解説します。
パワーポイント依存症から脱却し、自分が言いたいことを伝えるのではなく、相手が聞きたいことを情熱を持って伝えることが大切だと言います。
プレゼンは、リーダーとして他者とのコミュニケーションを取る手段として必須のスキルです。スライドを使ったプレゼンだけでなく、社内でちょっとした報告をする場面でも、ビジネス相手と交渉する場などでも、プレゼンのスキルは求められます。
【my pick-up】
◎「問題」と「課題」を混同してはいけない
問題は「現状」と「現時点においてあるべき姿」とのギャップ。課題は「現状」と「将来のある時点におけるあるべき姿」とのギャップ。「問題」は「解決」するもので、「課題」は「達成」するものと考えてください。
◎「ご質問はありませんか?」と言ってはいけない
私はGEクロトンビルのプレゼン研修で、「『ご質問はありませんか』と言ってはいけない」と教えていました。そうではなくて、「必ず質問はあるはずだ。質問して私のプレゼンを補ってほしい」という前提に立てば、質問を求めるために「ご質問をお願いします」となるはずです。